第58話 逃げ出すよりも進むことを
何だか良く分からないけれども、私の花嫁候補が勢揃いしてる
ニコニコ顔のミカ
微妙な表情のクレセント
澄ました顔のアガリア
仏頂面のサリー
何かを達観したかの様なデュオ
まさか、五人もの女性からプロポーズされるとは夢にも思わなかったわ
こんなに同性にモテるのに、どうして世の男共は、私を放っておくのかしら?
て言うか、サリーとそんな関係になるような事って、あったっけ?
「そう言うトコロですよ?」
ミカの突っ込みが入る
デュオは何時も尽くしてくれるけど、お仕事よね?そもそも妹の様に可愛いがっていたけど
「そう言うトコロですよ?」
サリーの突っ込みが入る
「あらぁ、禁断の姉妹の愛が恋愛として認められるなら、私も花嫁候補に立候補しようかしら?」
「アンタは黙ってて!」
クレセントがセレロンを睨む
そうよね
私としても、これ以上花嫁候補が増えたりしたら、身体が保たないわ
「何言ってるんですか、まったく……」
デュオが顔を赤く染める
心配してくれて、ありがとう
優しくデュオを抱き締めてあげる
「そう言うトコロだわよ、ミカエラ
自覚が無いにも程があるわ」
師匠が呆れてる
そう言えば、ルシフェラに女誑しの自覚が無いとか言われたっけ
普通、女性に対して使う言葉じゃ無いわよね
「ルシフェラ様は、稀代のスケコマシだと仰っておいででした」
あのアマ、今度会ったらブッ飛ばす!
「仮にも、神の一柱を殴ろうと考えるのは、貴女くらいなものでしょうね」
それにしても、ミカにそんな想いを抱かれてたとは気付かなかったわ
「ミカエルは、貴女を拾った赤子の時から、ずっと貴女に寄り添って離れなかった
貴女が生きてきた十九年間、ずっと貴女を愛し続けてきたのよ」
師匠の言葉にミカを見ると、何時もと変わらない優しい笑顔を向けてくれる
「ありがとうミカ、私も愛してるわ」
ミカがボンッ!と赤面して、消えた
「「女誑し……」」「「スケコマシ……」」
外野、うるさい!
私だって、恥ずかしいんだからね?
まさか、一度に告られるなんて思わなかったし
男相手なら兎も角、女の子同士で花嫁とか結婚とか……け、けけけ結婚?
花嫁ってそう言う事よね?
「落ち着け、別に結婚に拘る必用も有るまい
どうしてもと、言うなら、大司教として祝福してやらんでも、無いが……」
し、師匠まで何を言ってるんですか?
別に、わたわた私はそんなフシダラな事は、考えた事すら?聖女として誠実に貞操を、守らねばと!
「毎夜のように、ミカエルを抱き枕代わりにしていると聞いているけど?」
今度は私が真っ赤になる番だった
「なっ!?」とクレセントが敏感に反応する
「……ふ、不潔です!」とサリー
「フムフム」と、何かを納得するアガリア
「それに、男娼館へ入る処を、デュアルコアに止められたと言う報告も受けて居るわよ?」
デュオーーーー!?
アノ事は、内緒って言ったわよね?
「へえ、中々楽しそうな話しじゃねえか
オレも混ぜろよ?」
「ゲッッ!?」
「むっ!」
「「えっ?」」
「あらぁ」
「ええーーーー?」
「おや」
皆が絶句したのも無理は無い
先日、やっとの思いで倒したと思っていた魔王アシュタローテが、其処に居た
即座に臨戦態勢になる、クレセントとサリーとセレロン
デュオは師匠の影に隠れ、アガリアは「何をしに来たのか」と半ば呆れてる
私は、魔王から以前の様な殺意を、全く感じ無かったので、普通に話しかける
「よお、暫く見ねえ間に、随分と丸く成ったみてぇじゃねえか、何しに来やがった?」
(あら久し振り、どうしたの?)
「そりゃオメー、落とし前つけに来たに、決まってんだろ」
(うん、ちょっとね)
「ああ?決着はとっくについたダローが!
アヤ付けようってのか?この野郎!」
(何よ、もったいぶって?)
「まあ、そう焦んなよ
て言うか、この(解説文)やめろ!ウゼエ」
「ヤンキー聖女とヤンキー魔王の会話とか理解不能なんですけど」
「「誰がヤンキーよ(だ)?」」私と魔王がハモる
「みんな落ち着いて?大丈夫よ
で、アンタ何しに現れたの?」
「何って、だから落とし前つけに来たって言ってるだろ」
「もう一回やったら、私に勝てるとでも思ってんの?随分とおめでたいわね」
「バカ、そんなんじゃ無えよ」
「じゃあ何よ?」
「そりゃアレだよ……何だ、その……」
「あ?聞こえねえ!ハッキリ言えよ」
「だから、……責任取って貰おうと思ってよ」
「何よ、責任って?」
「オレとオメーがあんな事に、なっただろ?
嫁に行けねぇ身体にしやがって
責任取れよな?」
「……は?」
「何度も言わせんじゃ無えよ!
責任取って、嫁にしろって言ってんだよ!」
「ふむ、良かったなミカエラ
選り取り見取りじゃないか」
師匠、遠い眼になってますよ?
冗談じゃ無いわよ!
女同士でもアレなのに、よりによって魔王と結婚?人間と魔族よ?
「クレセントはムーンドラゴンよ?」
「ミカエルは天使よね」
「私は気にしませんが」
「わ、私は人間ですよ!」
「私はヴァルキュリアです」
なんてこった
人間が一人しか居ないわ
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