第3話
first impression … は、一種の運命というか、変更しようがない。 インプリンティング、刷り込み、という現象があって、ひな鳥とかが、生まれて最初に目にした存在を”母親”だと思い込む、そのことです。
本当の母鳥とは限らず、人間が刷り込まれることもある。
人間が、ひな鳥と仲睦まじく”親子”になっている…そういう光景は、ローレンツという動物学者の写真とかで見た記憶があります。
で、第一印象で「刷り込まれる」ものは、ヒトの場合どう言う要素なのか?時間やら歴史は普通取り返しがつかない。後戻りも逆回しも不可能。で、「歳月人を待たず」「覆水盆に返らず」。冷厳な現実。
「人は見た目が九割」と言ったり、就職試験のために整形したり、大統領選挙でもイメージ戦略が大事だったり、第一印象はcriticalなpointですが、表面的な、上辺のことは superficial と綴って、これは別の意味で「軽佻浮薄」に通じる。
偶然の「出会い」や或いは広い意味での「お見合い」?というものが、ひいては人間関係が、最もヒトの運命を左右するのはどうしようもない真実というか、昔の、人間通で聞こえたモームという大作家が、自伝のタイトルを Of human bundage 「人間の絆」としたのも、そういう多少屈折した表現を冠したのも、まあどれだけ孤独になろうとしても、人間は社会とか他人とかの絆、時には桎梏になったり、あるいは safety net になったり?一筋縄でいかない ambivalentな紐帯ではあるが、そこにしか居場所があり得なくて、…
そこを肯定的にとらえられるかどうかが、ひとつの「踏み絵」なのだ…人に会うのも、否応なしに”第一印象”を与えあって、そこから愛憎のドラマが、始まっていくということからも、生誕以来繰り返してきたこういう通過儀礼やらもろもろの悲喜劇の生起滅亡のプロセスも、大地に結び付けられて、空気を吸って、水や食物をいただくしかない地球の寄生虫にかけられた”呪い”あるいは”福音”なのだ。
今の僕には、「人間の絆」は、桎梏でしかない。
だが、「桎梏」という言葉をありふれた普段の書き言葉の一つとして、扱えるくらいには、無数の経験やら学習、蓄積を重ねてきて…歳歳年年、人同じからず。
彼は昔の彼ならず…三日会わざれば刮目して待て…
こう言えるような自信めいたものの萌芽が表れてきたのも?やはり、「人間の絆」を細々とでも、信じて、希望の微かな光を追い求めてきたからかもしれない。
#あの人の第一印象 夢美瑠瑠 @joeyasushi
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