第10話 十兵衛、専属契約を結んで夜の街へ繰り出す。

「さて、もう足の具合は大丈夫かの?」




「ええ、おかげ様でもうすっかりいいですわ!」




街の門はがかすかに見えてきた地点で、わしはセリン嬢を背中から降ろした。


さすがに街中まで背負っていくわけにもいかんしの。


治ってよかったわい。




「そういえば、回復魔法とかそういう類のものはあるんかいの?」




「わ、わたくしは攻撃魔法専門でして・・・そっち方面は苦手ですわ!」




ふむ。


魔法は誰でも使えるのかと思うたが、向き不向きもあるようじゃな。


魔法具とはまた違うのかの。








「あっ!おかえりジュウベー!・・・あらぁ、そちらのエルフさんはぁ?どこで拾ってきたのぉ?」




「森に生えてたんでのう、晩飯にしようかとひっこ抜いてきた」




「人を野菜の一種みたいに言わないでくださいまし!!」




じとりと見つめてくるライネ嬢に軽口を返しつつ、カウンターへ向かう。


空いていて助かったわい。


長ゴブリンの大剣と、その他ゴブリンの討伐部位が入った背嚢をカウンターに置く。




「デカいゴブリン1匹と普通のゴブリン7匹、討伐完了じゃ」




「えっ!?またディナ種が出たのぉ!?・・・最近多いわねえ、それで?そっちのエルフさんはぁ?」




「やけに気にするのう・・・捕まって散々孕まされそうになっておったので助けたんじゃよ」




「あらまあ!大変じゃない!・・・エルフさん、堕胎薬いる?」




「言い方ァ!!わたくしまだ清いままですわぁ!やめてくださいまし!!」




そっちの言い方がまだはしたないと思うがのう。


ぎゃいぎゃい騒いでいる女たちの後ろから、いつかのゲイン殿がのそりと顔を出して剣と背嚢を持っていく。


先に清算してくれるのじゃな、助かる。


軽く手を上げると、拳をぐっと突き上げてくれた。


「よくやった」ということかの。






「こほん・・・わたくし、魔法ギルド所属、『七つ谷』のセリンと申しますわ。こちらがギルド証でしてよ」




仕切り直しのつもりか、胸を張って澄ました顔のセリン嬢。


・・・背はそこそこあるんじゃが、やはり体が薄いのう。


もっと乳と尻に肉を付けねば、丈夫な赤ん坊を産むときに苦労しそうじゃな。


口に出すとろくなことにはならんので、言わぬが。




「『七つ谷』・・・聞いたことがあるわね。あれ?ウチから護衛依頼が出てなかったっけ?」




身分証を見ながらライネ嬢が首をかしげる。


そういえば護衛がどうとか、そんなことを言っていたのう。




「そうですわ!彼らは帰っていますの!?」




血相を変えて詰め寄るセリン嬢。


ほう、やはり仕事を共にした以上思う所が・・・






「・・・この手で魔法をぶち込んでやりますわぁ!!」






・・・違う所に思う所があったようじゃな。




「何ですの!あの方々は!」




セリン嬢は両手を握りしめて感極まったように叫ぶ。




「関係ないことばかりベラベラ喋る!やたら体に触ろうとする!挙句の果てにゴブリンの群れに奇襲されたら、わたくしを置いてさっさと逃げましたわ!!!!」




なんとも・・・ろくでもない奴らに当たったもんじゃのう・・・




「ええ・・・?それ、本当?」




「こんなしょうもない嘘をついてどうなりますの!?ジュウベエ様が助けて下さらなければ、わたくし今頃ゴブリンの苗床ですのよっ!!」




怒りの為だろう、だいぶあけすけな表現で喚いておる。


むう、それが本当なら由々しき事態じゃな。


傭兵が護衛対象を捨ててトンズラとは・・・




「ん~と、あったわ報告が・・・なになに、『依頼主死亡につき、撤退』ですってぇ?」




ライネ嬢が眉間に皺を寄せながら報告書らしきものを読む。




「むきいいいい!生きておりますわ!このとおり五体満足ですわぁ!!」




セリン嬢は地団太を踏む。


見ている分には面白いが、もしもわしがいなかったらと思うと洒落では済まない。




「ライネ嬢、こういう場合は傭兵側にどのような罰則があるのじゃ?」




「んー、報告の偽装と故意による護衛の放棄・・・どう軽く見積もっても、多額の賠償金請求及びギルドからの追放ね」




それくらいが最低でも必要じゃろうな。


信賞必罰を疎かにしては、組織の綻びの元となる。




「こういう手合いは傭兵が捕まえるのかのう?依頼なんぞ出して」




「え?まあ、そういうこともあるけど、大体は衛兵に賞金首として捕まえてもらうわね。街の外は傭兵、中は衛兵って具合ね」




「ふむ、なるほどのう・・・そういえば、衛兵を運営しておる母体は何なんじゃ?」




「そんなの決まって・・・あ、ジュウベーは記憶ないんだったわね。ヴィグランデを治めている領主様の直轄よ」




大体は、その地を治めている領主や代官が衛兵の管理運営を行うらしい。


領主・・・貴族か。


多少興味はあるが、関わり合いになる気はない。


面倒臭そうじゃし。




「・・・ギルドで衛兵に話を通していただけますわね?」




「勿論、今回の件は悪質だし早急に手配するわ。魔法ギルドにも正式に謝罪をさせてもらうし・・・」




2人は今後のことを話し込んでおるようだ。


わしの査定はまだかかりそうじゃし、ギルドをふらつくとするか。




普段足を踏み入れたことのない、酒場のようなエリアに行く。


仕事も終わったし一杯飲んでもいいじゃろう。


ここからならカウンターも確認できる。




「でもよぉ、もったいなかったよな、あのエルフ」




ふと、後ろの席から聞こえてきた小声の会話が気になったので振り向く。


そこには3人の男たちがいた。


かなり赤い顔をしているところから、長時間呑んでおることがわかる。




「いやいや、別にいいだろあんな高飛車な女。お高くとまりやがってよ」




「俺はよ、荷物の一つでもかっぱらっとくべきだったと思うぜ。魔法使いの持ち物は高く売れるんだしよ」




そいつらは声を潜めているつもりのようだったが、酒のせいで少し隠しきれておらん。


そして何より、若返ったわしの耳はかなり良い。




「・・・今頃はゴブリンの孕み袋かあ・・・」




「勿体ねえよなあ、ゴブリンに混ざればよかったぜ」




潜めるように下卑た笑いが上がる。




うむ。


多分こやつらじゃな、問題の傭兵共は。


手間が省けたのう。


セリン嬢が帰ってこぬと思っておるのじゃろう。


無防備なことよ。




「おうい、そこのお姉さんや」




「はぁーい!何にする?傭兵さん」




店員の人族を呼ぶ・・・なんという恰好じゃ、尻が丸見えではないか素晴らしい。




「とびきり強い酒を瓶でくれんか。早う酔わねば、その旨そうな尻にかぶりつきたくなるやもしれん」




「きゃあ、ケダモノぉ♪待っててねぇ~」




注文してしばらくすると、手ごろな大きさのものが運ばれてきた。


それを掴んで立ち上がり、自然体でふらりと3人に近付く。




「随分、面白そうな話をしとるのお」




「あっ?なんなんだよおまぇう!?」




「なっ・・・なにしやがりゅ!?」




2人の顎先を続けざまに殴り抜く。


白目を剥いて失神した2人を唖然と見つめるもう1人には、脳天から瓶を叩きつけた。


作りの甘い瓶は砕け、3人目もあえなく失神。


酔っ払いなど、刀を抜くまでもない。




「すまんのう。瓶は弁償するから、少し待っておれ」




目を丸くしている店員の娘に笑いかけ、適当な1人を抱え上げる。


そのままカウンターへ行き、まだ話し込んでおる2人の前に男を放り投げる。




「そこに生えておった。こいつが例の傭兵かの?」




驚きつつも、失神した男に目を向けたセリン嬢の目が吊り上がる。




「こっ・・・こここコイツですわぁ!・・・『原初の火は揺らぎ、中天の火は逆巻き――』」




「きゃあああ待って待って!ギルドが吹き飛んじゃうから待ってえ!?」




何やら空中から出てきた蒼い炎を身にまとい始めたセリン嬢を見て、ライネ嬢が悲鳴を上げる。


何の躊躇もなしに魔法か、思い切りはいいが吹き飛ばされてはたまらぬ。




「ほれほれ、落ち着かぬか。こやつはどこにも逃げやせんぞ」




「『終焉の大火はk―』にゃうんっ!?」




セリン嬢の脇の下のツボを押し、その物騒な詠唱を中断させる。


それがよほど効いたのか、床にぺたりと尻を付けてしまう。




「ライネ嬢、あっちの酒場にも仲間が2人失神しておるぞ」




「みんなーっ!聞いたわね!ふん縛って連れてきて頂戴!ギルドから謝礼が出るわよ!!」




ライネ嬢が声を発するやいなや、辺りでこちらを窺っていた何人かの傭兵が走る。


あっという間に、縄で縛り上げられた残りの2人が同じように転がされる。


わしが持ってきた1人も同じように縛り上げられた。




これにて一件落着、じゃな。




「今後のこやつらは?」




「衛兵に突き出して裁判よ。判決次第だけど、まあたぶん鉱山辺りで借金奴隷兼最下級傭兵じゃない?」




最下級傭兵とは、決して依頼を断ることのできない傭兵のことらしい。


早い話が賠償金という借金を返すか、死ぬまで解放されることはない。


・・・ほとんど死んで解放されることになるらしいが。


まあ仕方がない、身から出た錆じゃ。






「おつかれさん、こいつが今回の代金だ。ディナの大剣は貴重だから、色を付けておいたぜ」




しばらくすると、ゲイン殿が戻ってきて背嚢と金の入った革袋をどしゃりとカウンターに置いた。


ほう、前回よりも多いのう。


これからは、貴重そうな武器や防具は余裕があれば持ち帰るのも手か。




「確かに。では、わしはこれで・・・」




「ああっジュウベエ様!お待ちになって!専属契約の件、お忘れですの!?」




おっと、そうじゃった。


わしとしても定期的な収入はありがたいからのう。




「すまぬすまぬ、ついでにやっていくか。・・・どうしてまだ床に座っておる?」




「・・・腰が抜けたんですの!起こしてくださいまし!」




それから、簡単な手続きをしてわしは晴れてセリン嬢専属の傭兵となった。


専属と言っても、セリン嬢の依頼がない時は好きに依頼をこなしていいらしい。


通常の依頼と違い、専属依頼は指名手数料が上乗せされるのでわしの懐も喜ぶ。




「今回の調査結果をまとめて、落ち着きましたら連絡しますわ!その時に、もう1人の専属傭兵さんとも引き合わせますわ!ごきげんよう!!」




「おう、よろしくの。ゴブリンには気を付けるんじゃぞ」




「今度は見かけ次第消し炭にしますわぁ!」




セリン嬢は意気揚々と帰っていった。


なんとも、にぎやかなエルフじゃなあ。




「・・・ジュウベー、あのエルフ随分気に入ったのね?ひょっとして好み?」




後ろからライネ嬢がふてくされたように声をかけてくる。


・・・そういえばわしが爺様に似てると言っておったな。


爺様が若い娘と遊ぶのを見るような気持ちなのかもしれぬ。




「仕事仲間としてはのう、おもしろいエルフではないか?・・まあ、わしの好みは乳と尻がデカくて肉付きのいいおなごじゃのう。セリン嬢は軽いし痩せておるし薄い」




「そ、そう・・・ジュウベーって意外と助平なのね?・・・身の危険を感じるわぁ~?」




ライネ嬢がその豊満な肢体をくねくねとしならせつつ、こちらに流し目を送ってくる。


・・・爺様に似ている男に色目を使うのはいいのか?




「おう、それはいかぬ。訴えられる前に退散するかのう」




「あっちょっと・・・ジュウベー!・・・もうっ!」




丁度よかったのでついでに帰ることにする。


後ろからライネ嬢が何事か喚いておったが、まあ大したことではあるまい。


それに、今日のわしは是非とも行かねばならぬ所があるのじゃ。








「ここか・・・!!」




わしは、街の南東の区画に立っている。


目の前には夕闇にけばけばしく光る看板の群れ。


そう、ここはこの街の娼館街である。




辻々には、水着よりさらに面積の少ない煽情的な衣装の様々の種族の女たちが客引きに立っている。


そこかしこから嬌声と笑い声も聞こえてくる。




フラフラと見目麗しい女たちに引き寄せられそうになるが、今日の所は以前ビースト3人組から聞いた店に行かねば・・・!






艶めかしく交差した蜘蛛の足が描かれた看板。


『黒糸館』・・・ここがそうじゃな。


多種多様な種族の美女がいるという話じゃ。




・・・年甲斐もなく昂って来たわ・・・!!




あ、わし今若いんじゃった。


ならよい。


それでは・・・いざ!!参る!!!




「うわあああああああああん!!!」




・・・お?




意気揚々と店に入ったはいいが、なんじゃこの空気は。


カウンターに突っ伏して泣いている・・・ビーストの娘がおるな。


狼のような大きな耳が付いておる。




「あらぁ?初めての顔ねぇ?」




うおっ!?


天井からスルスルと糸を伝って女が下りてきよった。




上半身はすこぶる色気のある黒髪の女性の姿。


下半身は・・・なるほど、この女がここの店主か。


・・・立派な蜘蛛の足じゃ。


たしか、『アルラウネ』…いや『アラクネ』という種族じゃったか。




「ほう、来て早々大美人に御目にかかれるとは・・・一杯付き合ってくれぬか?」




「あらぁ、人族なのにお目が高いわねぇ?」




「美人に人族もアラクネもあるまいよ、のう?」




わしの首に回された脚をついと撫でつつ、顔を覗き込む。


額に2対あるのは、宝石ではなく眼か。


複眼というやつじゃな。


色とりどりに光って・・・なんと美しい。




「お、お客さん、本気ィ?」




目を逸らさぬわしに驚いたのか、若干顔を赤らめつつ女主人が問いかけてくる。




「十兵衛と申す。麗しのお嬢さん、おぬしの名前を教えてくれぬか?」




「・・・ミリィよ、ジュウベエさん。・・・うれしいわ、でも今日は帰って?お店がこの様子じゃねぇ・・・」




ミリィ嬢はそう言って泣いているビーストを指差す。




「ふむ・・・一体全体、何があったんじゃ?」




「あの子ねぇ・・・悪い男に騙されちゃったのよ。散々貢がされてポイ捨てってわけ」




「ふぅむ・・・なんとも、男の風上にも置けぬ奴じゃな」




泣いているビーストを、羊のような角の生えたビーストが慰めておる。




「だからさー、傭兵の言うことなんて真に受けちゃ駄目なんだって・・・元気出しなよぉ」




「だってぇ、だってえ・・・!」




ぬ、傭兵とな。


それは居心地が悪いのう。


・・・女を食い物にするとは、許せぬ。




「のう、そこのお嬢ちゃん。わしも傭兵じゃが・・・そいつはどんな奴じゃ?探してここまで引きずってきてやろうか?半殺しにでもして」




「あらぁ、強そうだと思ってたけど、あなたも傭兵なのねぇ。・・・リーノ、どうするぅ?」




ミリィ嬢が声を掛けると、泣いていたビースト・・・リーノ嬢がこちらを見た。


ほう、中々・・・いやかなりの別嬪さんではないか。


ますます許せぬのう。




「うう・・・半殺しはとにかく、貸してたお金だけでも返してほしいぃ・・・」




中々強かじゃのう。


夜の女は転んでもただでは起きぬというわけか。




「よかろう、利子を付けてふんだくってやろうではないか。名前や背格好を教えてくれると助かるのじゃが・・・」




ぽつりぽつりと話し始めたリーノ嬢。


うむ?何やら聞いたことがあるような・・・


むう・・・これは・・・まさか・・・




「・・・もしやそやつ、右頬に交差した蛇の入れ墨かなにか入れておらぬか・・・?獲物は紫色の穂先をした槍で・・・」




「そうっ!そうそう!知ってるの!?」




おおう・・・


これは、なんとしたことか。




昼間とっ捕まえた3人のうちの1人ではないか・・・!!




正直に話した方がいいじゃろうな・・・




「・・・申し訳ない!!」




わしは素早く土下座しつつ、昼の顛末を話した。








「あはははは!!鉱山奴隷だってぇ!!!!あはははは!!!ざまぁみろってなもんよ!!!!」




先程の泣き顔はどこへやら、目の前のリーノ嬢は酒を恐ろしい勢いで飲みながら爆笑しておる。


片腕はわしの首へ回されており、腕には中々の重さを持った胸がぐいぐいと押し付けられている。


・・・素晴らしい!!善行はしておくもんじゃのう!!!




「こーら、リーノ。嬉しいのはわかるけどぉ、ジュウベエさんよりあなたが飲んでどうするのよぉ?きちんとお相手しなさい」




「ぅあっ!ごめんなさいママ!・・・ジュウベエさまぁ?果物いかがぁ?はい、あ~ん」




「うむ、いただこう・・・うまい!美人が食べさせてくれると極上じゃのう!」




「あう・・・」




「リーノ、あなたが照れてどうするのぉ?生娘じゃあるまいし・・・」




差し出されたサクランボによく似た果物をほおばる。


うむ、サクランボじゃなこれ。




・・・この店はこうして気に入った娘と酒を飲み、お互いの了承があれば2階の個室でまあ、その、『仲良く』する店じゃ。


だがのう・・・今日はそんな気にはなれぬな。


リーノ嬢の態度には空元気も含まれておるのじゃろう。


誘えば先程の恩もあるじゃろうし、まあ断られることはないと思うが・・・


女を弱みに付け込んで抱くのは、なんというか性に合わんしのう・・・




この店に足が生えて逃げるわけではないし、また来ればよいか。


主人からして綺麗どころが揃っておるし、酒も美味い。


・・・いい店を見つけたのう。


あの3人組には感謝じゃな。


今度会ったら少し優しくしてやろう。




楽しく酒を飲み、今晩は帰ることにした。




「ジュウベエさまぁ!また来てくださいねえ!待ってますからっ!!」




リーノ嬢のフサフサした尻尾が、ちぎれる程振られている。


昔、道場で飼っておった犬を思い出すのう・・・




「おう、稼いでまた来るわ。おぬしもあのような男は早く忘れてじゃんじゃん男どもを手玉に取るんじゃな」




「わぅう・・・っはぁい!!」




頭を撫でると、さらに尻尾の勢いが強くなった。


・・・わかりやすいのう。




「じゃあの、ミリィ嬢。今度はゆっくり飲みたいものじゃ」




「ふふ・・・お待ちしておりますわぁ、ジュウベエさん。きっと来てねぇ」




「家訓でのう、美人との約束は断らぬよ」




嫣然とほほ笑むミリィ嬢に見送られながら、店を後にした。


・・・結構な値段じゃったが、あれほどの美人たちと飲めたので惜しくはないのう。


もっと稼がねばならぬな。








『じゅうべー、こうびした?』『した?』『がったい?』




「おぬしら、意外と下品じゃのう・・・」


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