第48話 アリシアと愛し合う③

 長く続いた行為の後、俺たちは一つのベッドの上で、服も着ずにそのまま布団を被ると、恋人繋ぎをしたまま眠りへと落ちた────その数時間後。

 目を覚ますと、俺はゆっくりと体を起こしてぼんやりと呟く。


「今……何時だ?」


 俺のそんな呟きに対して、同じく目を覚ましたらしいアリシアが体を起こして言う。


「時計によると、時刻は19時頃のようです」

「もうそんな時間か……」


 そう返事をしてふとアリシアの方を向くと────そこには、何も纏われていない正真正銘のアリシアの上半身の体があった。

 ────それを見た瞬間、一瞬変な声を上げそうになった俺だったが、すぐに現状を思い出してその声を抑える。

 ……それにしても、本当に綺麗な体だ。

 色白で滑らかで、くびれもあって、形の整っている大きな胸……さっきまで俺は、こんな体に触れ────


「アレクティス様?いかがなされましたか?」

「っ!?な、なんでもない!」


 俺がアリシアの体をずっと見ていたことに疑問を抱いたのか、アリシアがそう聞いてきたため俺は思わずアリシアから目を背ける。

 すると、そんな俺のことを見てアリシアは俺と恋人繋ぎをしている手に少し力を入れると甘い声で言った。


「もしや、私の体を見て、また行為を行いたくなってしまいましたか?」

「っ!そ、そういうわけじゃない!俺はただ、アリシアの体が綺麗で、さっきまでその体に触れてたっていうのが、とても信じられないだけで……」


 俺がそう言うと、アリシアは俺の片手を取ると、その手を自らの胸に押し当てて言った。


「この身は前世より、アレクティス様のための身です……ですから今後も、アレクティス様のお好きなようになされてください……ですが────」


 アリシアは、俺のことを両腕で抱きしめてくると続けて言った。


「前世とは違い今は恋人関係ですので、アレクティス様が私の身をお好きに……だけでなく、私もアレクティス様のことを好きにさせていただくことをお許しください」


 そう言ってくるアリシアに対し、俺は少し口角を上げてから抱きしめ返すとそれに返事をする。


「もちろんだ、アリシア……これからも、二人で愛し合おう」

「っ!はい、アレクティス様!」


 それから、しばらくの間抱きしめ合い、やがて自然に抱きしめ合う腕を互いに離すと、アリシアは少し間を空けてから言った。


「ところで、アレクティス様……先ほど行為を行いたいわけではないと仰っておられましたが、あれは本当なのでしょうか?」

「あ……あぁ、もちろんだ」

「……お体の方はそう仰られていないようですが」

「……え?」


 アリシアが、布団の中に視線を送ってそう言ったため俺も布団の中に視線を送ると────確かに、俺の体はそうは言っていなかった。


「こ、こ、これは!その……悪い」

「どうして謝られるのですか?私はアレクティス様のお体が、私に対してそのような反応を示してくださることを、とても嬉しく思います」

「そ、そうか……だが、今日これ以上すると明日以降に何か影響を及ぼすかもしれないから、やめておいた方がいいかもしれない」

「……そうですね、では、それはまた今度のお楽しみ────ですが……このくらいでしたら、よろしいですよね」


 そう言ったアリシアは、俺に顔を近づけてくると────そのまま、俺と自らの唇を重ねてきた。

 それから唇を離すと、アリシアが甘い声で言った。


「アレクティス様……愛しています」

「俺もだ……アリシア」


 そして、今度は俺の方からアリシアと唇を重ねる。

 それから、俺とアリシアは何度か唇を重ね合うと、俺はどうにかこのアリシアへの感情を抑えてベッドから降りる。

 その後、互いに服を着て俺の家のリビングに行くと、俺たちはアリシアの作ってくれた料理を二人で楽しく食べて過ごした。

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