第49話 俺とアリシアの誓い
────その翌日の土曜日。
昨日は俺の家にアリシアのことを招いたので、今日は俺が初めてアリシアの家に行くこととなり、俺は今アリシアと一緒に黒のリムジンに乗っていた。
「……もう何度目かになるが、相変わらずリムジンには慣れないな」
「ふふ、いつまでもそのようなことを仰られていてはいけませんよ?このリムジンはもう、アレクティス様のものでもあるのですから」
「お、俺のもの!?」
高級車中の高級車であるリムジンが俺のものという驚愕すべきワードが飛び出てきたことに俺が驚くも、アリシアは頷いて言った。
「当然です、アレクティス様は私の恋人になったのですから、私の所有する全てはアレクティス様のものです」
「俺のもの、か……前世で俺は侯爵家としてたくさんのものを与えられてきたが、その時から……こんなこと、前世でも気付いていたはずなのに、どうして俺はもっと早くこの自分の気持ちに素直になれなかったんだろうな」
「アレクティス様……?」
俺が自嘲するような口調で言うと、俺の隣に座っているアリシアはそんな俺の様子に少し困惑しているようだった。
そんなアリシアのことを、俺は強く抱きしめて言う。
「アリシア……前世では伝えられなかったことを今伝えさせてもらうが、俺には本当にアリシアさえ居てくれれば十分だ……アリシアさえ居てくれるなら、こんな高級車も、他の物も何も要らない」
「アレクティス様……!」
嬉しそうな声色で俺の名前を呼ぶと、アリシアは俺のことを抱きしめてきた。
「私も、アレクティス様さえ居てくださるのでしたら、他には何も要りません……アレクティス様、アレクティス様……」
徐々に力を強めて俺のことを抱きしめてくるアリシアのことを、俺も少し力を強めて抱きしめる。
それから、俺たちが抱きしめ合い続けていると、やがて俺たちを乗せた黒のリムジンはアリシアの家へ到着したようで、俺たちは互いの体から離れるのを惜しく思いながらもそのリムジンから降りた。
すると────目の前には、とても大きな豪邸があった。
「こ、ここがアリシアの家、なのか?」
「はい、一応近くにもう一つタワーマンションの最上階のワンフロアがありますが、アレクティス様のことを初めて家に招くのであれば、階層ごとに他の方が居る場所ではなく、文字通りアレクティス様と二人きりになれる場所にお招きしたかったのです」
「そ、そうか……雰囲気は全然違うが、この広さは前世の屋敷を思い出すな」
「そうですね……私の頭には前世のアレクティス様のお屋敷の設計図が完璧に入っているので、この世界に再建してみても良いかもしれません」
「冗談だろ!?」
そんなやり取りをしながらも、俺とアリシアは二人でその豪邸の中に入る。
豪邸というだけあって、中の装飾もとてもしっかりとしており、全ての装飾がこの建物と合致していた。
そして、長い廊下を歩いていくと、アリシアは一つの部屋の前で足を止める。
「この部屋は?」
俺がそう聞くと、アリシアはドアノブに手を掛けると、頬を赤く染めてその俺の問いに答えた。
「寝室、です」
そう答えた直後、アリシアはすぐにドアを開くと、俺にその中に入ってくるよう促してきたため俺は大人しくその部屋の中に入る。
そして、ドアが閉まると俺たちは二人で同じベッドに腰掛ける。
「本来であればリビングや私の部屋にてゆっくり過ごそうと考えていたのですが、アレクティス様を前にすると昨日のことを思い出してしまい……」
……俺もしばらくはその自らの欲求を我慢するつもりだったが────アリシアの方からそんなことを言われたら、もはや俺も抑えられる気がしない。
「昨日の続きをしよう、アリシア」
「っ……!はい!アレクティス様!」
その後、俺とアリシアは互いに服を脱がせ合い一糸纏わない姿になると、今日はアリシアが俺に覆い被さる体勢となった。
そして、俺に顔を近づけてくるとアリシアは甘い声で言う。
「アレクティス様、愛しています」
「愛してる、アリシア」
そう言い合って互いに唇を重ねると、俺はアリシアのことを抱きしめる。
「アリシア……これからは本当にずっと一緒だ、今世でも、来世でも、その次の来世でも……ずっとずっと、二人で愛し合っていこう」
俺がそう伝えると、アリシアは俺のことを抱きしめ返してきて言った。
「はい、アレクティス様……!今世でも、来世でも、そのまた来世でも、私はずっとアレクティス様の身も心も深く愛することをここにお約束いたします!!」
「俺も、今世でも来世でも、そのまた来世でも、身も心もアリシアのことを深く愛し続けることをここに約束する」
その後────俺たちは、身を重ね合った。
アリシアの愛情、アリシアの温もり、それを感じることができる幸せを噛み締め、互いに愛を伝え合いながら。
────こうして俺たちは、今世でも来世でも、そのまた来世でも、未来永劫二人で愛し合い続けていくことを、身を重ね、愛を伝え合いながら誓い合った。
◇
この物語は、この話を持って最終話となります!
作者がこの物語に抱いている気持ちなどは、次エピソードで18時6分に投稿されるあとがきとして語らせていただこうと思いますので、そちらの方を続けてお読みいただけると幸いです!なので、ここでは手短に。
前世で俺のことを深く愛していた従者が、転生先の現代でも俺のことを深く愛していて社長令嬢となって迫って来る件。という物語をこの最終話まで読んでいただき、いいねや☆、作品フォローや応援コメントなどでたくさん応援してくださり本当にありがとうございました!
この物語を最後まで読んでくださったあなたが、今この物語を最後までお読みくださった上で楽しかったと感じてくださっていたら、そのお気持ちをいいねや☆、コメントや感想レビューなどの形でお教えいただけると嬉しいです!
また次エピソードに投稿されるあとがきや、別の物語でお会いできることを楽しみにしています!
この物語を最後まで応援していただき、本当にありがとうございました!
◇
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