第26話 自然発生する豚野郎親衛隊


 あれから4日ほど立つがまったく爆弾魔とのロロナともバッティングしない。

 ロロナについてはあちこち行ってるのでしょうがないにしても爆弾魔については学内にいるのならそろそろ良くないですかね。

 学内以外の人間であることも考えた方がいいかもしれないな。

 盗賊とか傭兵とかは金渡せばそう言うことやりそうだしな。

 ダイエットの方も飯減量、ダッシュは死にかけるので妥協してウォーキング、筋トレをしているが中々痩せない。

 あっちの世界ではこれくらいやれば数日で見るからに痩せていたものだが、豚野郎の体質が痩せにくいものなのかもしれない。

 天性のレスラー体質といったところか。

 動いて死にかけることを避けるためにダイエットしているので、痩せにくいと言うなら痩せて軽重量ボディにして体力消費を減らすほうではなく、筋力と体力を純粋に増やす方にいった方がいいかもしれない。

 まあ本格的に始めて数日しか経ってないので痩せる方を捨てる判断するのはまだ早いが。


「スラン様おはようございます」


「スラン様先日助けて頂いたものです」


「おはよう」


 それにしても最近はゾロゾロと人が豚野郎の周りに集まり始めている。

 どうやら様子から見るに爆弾魔の捜索中に処したチンピラどもの被害者らしい。


「スラン様おはようございます」


「先日はありがとうございました」


「スラン様」「スラン様!」スラン様ぁ!」「スラン様に忠誠を!」「我が王!」「我ら親衛隊に命令をスラン様!」


「おはよう」


 数が多いな。

 ターゲット一人当たり、手下が十〜三十、それで被害者が手下一人に対して一〜二人だとすればこれくらいにはなるか。

 モブ娘が親衛隊とか言ってまとめて往来の隅に被害者集団を寄せているが道の大半を占めて非常に邪魔だ。

 なんとかして散らせんものだろうか。

 側から見たら不良漫画の敵対高校のカチコミシーンにしか見えんからな。


「スラン君、イクス見かけたかな?」


 この連中をどうするか考えているとエーデを筆頭にヒロインたちが現れた。

 他の四人については割と元気そうだが、エーデはこのごろ痩せて見えるな。

 世話焼きなので、心配のしすぎで負担がかかっているのかもしれない。


「見ていないな」


「頼りぱなしでごめんね。本当はすぐお礼したかったんだけど。まだイクスのことでゴタゴタしてるから。終わったらちゃんとお礼するから」


「礼などいらん。貴様らには迷惑をかけたからな」


 というよりも捜索もロロナのついでだしな。

 いいこと思いつきました。

 この膨れ上がった被害者集団を散らせるためにイクス捜索に向かわせるか。


「それに俺にもイクスが失踪する一旦を担っていたからな。善意で協力しているわけでもない。俺は俺のために動いてるだけだ。おい、貴様ら、今日からイクスの捜索に協力しろ」


「スラン様、かしこまりました」「我が王、仰せのままに」「お力添えしますぞ」「ありがたき幸せ」


 捜索に協力するように被害者集団に言い渡すと登校中だというのに四方八方に散ってイクスを捜索に向かった。

 授業放棄してまでしろと言ったわけではないがまあいいか。


「スラン君、ありがとう。ここまでしてくれて」


 自分の身内のための沢山の人間が動く様子に感動したのか、感極まったようにエーデが涙ぐみ始めた。

 本当に一欠片の善意もなくやっていることなので、罪悪感に駆られますね。


「やるじゃない豚!」「人望がある人間がいると心強いね」「貴方の意思で人は喜び動く。やはり英雄の素質が」「非常に効率のいい方法だ。賞賛に値する」


 後ろにいるヒロインたちも気分を良くしたようでヘイコラしてくる。

 俺は何もしていないんですが良いことをしたような気分になってきます。

 まあ多分これだけ送ってもイクスは大攻勢がある日までは姿を晒さんと思うがな。

 それこそヒロインたちがおいそれと捜索出来ない王都外に行って身を隠してると考えたほうがいいだろう。


 ──


 授業を終えて放課後になると今日は処すリストのローラーは行わずに荷造りをすることにした。

 明日の朝には大攻勢の場所に向かわなきゃならないからだ。

 大攻勢自体は俺の到着予定日の一日後だがその前にシアのところで対救世主聖女用に作った鎧を試運転を兼ねて受け取る手筈になっている。


「ご主人様、マッサージ用のオイルはどうなさいましょうか?」


「いらん」


 豚野郎の好みに応じてシルヴィアが必要なものについて聞いてくるのでほぼ全て却下する。

 エロゲと豚野郎ゲスなこともあってやらしいグッズばっかだが、敵の空襲とか急襲とかある場所でとてもじゃないがオチオチやらしいこともできんからな。

 できるとすれば歴史漫画の孟武将くらいだろう。

 それよりもいざとなった時に渡されている回復アイテムを必要十分以上に持っていく方がいい。


「私も行こう。『獅子王』も土のマナを取り込んで完全に回復したし、何よりお前に何かあっては約束が果たされ無くなるからな」


 エンドコンテンツ担当が来てくれるとは心強いですね。

 精霊鎧も万端みたいですし。

 放っておいても再生するっていう設定があるのは知ってたけどあんだけぶっ壊れても1週間以内に再生できるんですね。


「心強いな。貴様の腕には期待しておこう」


 普通にやってれば死ぬ確率は減りそうだな。

 新しい鎧の感じと状況次第ではあるが。

 専用鎧がどんなものかワクドキですね。

 ゲテモノとかキワモノではないことを祈ります。


  ────


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