第25話 捜索する豚野郎



 我らが救世主イクス君が失踪しました。

 ヒロインたちに事情聴取してみたところ、女子寮の懲罰房にイクスを拉致監禁するというホラー事案をしたら、脱走して消息不明になったらしいです。

 彼女たちを信じた俺が馬鹿でした。

 冤罪でボコって、挙句に拉致監禁したらそりゃ誰でも逃げますよ。

 これはほとぼりが冷めるまで戻ってこんでしょうね。

 最低でも地雷認定、最悪関係解消ってところか。

 こうなると消去法でシア様ルート一択ですかね。

 帰ってきたら自分の展開されるあまりにもハード過ぎる現実にやる気全損してそうで怖いですね。

 誰かビンタ要員を用意した方がいいかもしれません。


「どうしてここが!?」


「黙れ」


「うわあああああああ!!」


「こっちも片付いたぞ」


 今日は処すルーレットで盗みとカツアゲグループの長──ディッシュ・オーベルトが出たので、彼と一緒にいた仲間たちを暇で手伝いを買って出たリリアンとまとめてボコしています。

 やはり二人いると作業効率がいいですね。

 突入とほぼ同時に制圧できました。

 相変わらず爆弾魔の情報はゼロなのがたまに傷ですけど。


「これから人を探しに行く。戻りたければ戻っていいぞ。空振りで骨を折る可能性の方が高いからな」


 イクスが行方不明なのでロロナもどこかに探しに行ってますから、本当に手がかりなしで探さなきゃいけないですからね。

 まあその分、手分けして探すって言っていたので見つけた時に邪魔が入らずに確実に仕留めることができるんですが。


「どうせ暇だ。行かせてもらう。お前の立ち回り方は参考になるしな」


 なんだろう。

 アマゾネスに参考になる動き方をしているとなんとも言えない気持ちになるな。

 そんなワイルドな動き方はしていないと思うが。


「そうか。ではついてこい」


 ロロナは割とクズなのでイクス行方不明状態でも普通に賭博に興じる可能性もあるのでコロシアムから順繰りにロロナイベントが発生する賭博場をぐるりしてから、その周辺で立ち寄りそうな場所を探していく。

 いませんねえ、これは王都外まで捜索に行ってますかね。

 王都外に行くとなると『飛行』で飛んでいくと魔力がガス欠になるので、馬車を使う必要がある。

 前専属にした馭者おじさんに頼むか。


「君も救世主探しかね?」


 そう目算を立てていると、馬車に乗った怪しげな黒仮面──ファラスがこちらに声をかけてきた。

 救世主失踪は教会にとって一大事なので、長であるこのおっさんも捜索に出向いているようだ。


「ご察しの通りです」


「人族全体のことを思い、自ら行動してくれる君のような若者が居てくれて助かるよ。日中も王都を虱潰しに捜索したが全く見つからなくてね。我々は王都外にも捜索範囲を広げる。君たちには引き続き、王都を捜索してもらって彼が戻ってこないか見てもらっていいかな」


 王都外確定か。

 身を隠すのに気合い入ってるな。

 余程拉致監禁はショックだったようだ。

 君たちってことは今捜索してるヒロインたちにもこのお触れを出しているといったところかな。

 ならロロナは王都から出なそうだし、王都に止まった方が良さそうだな。


「わかりました。では王都を重点的に」


「ありがとう。王都の方は頼んだよ」


 そういうとファラスの馬車は聖騎士を引き連れ足早に去って行く。

 聖騎士も大変ですねえ。

 教会の使い走りみたいな感じですし。


「あの男は信用しない方がいい」


 今日はもう引き上げようかと思うとリリアンが警告してきた。

 アマゾネスの勘的にもやっぱりファラスは地雷のようだ。

 もう見た目からして怪しさムンムンだからな。


「わかっている。見るだけでも怪しいからな。今日は引き上げるぞ」


「それならいいが」


 さて帰って走り込みとか筋トレとか本格的にダイエットでもするか。

 ロロナは王都にいるのは確定なのでイクスが戻ってくるまでにバッティングできればいいが。


  ────


続きを書くモチベになるので、是非とも星⭐︎⭐︎⭐︎、フォローお願いします!


 











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る