第16話 そ、空から豚野郎が!?
土魔法で作成した処すルーレットを作った。
候補者が多すぎるため、バカでかくなった。
豚野郎がリッチでなければ部屋いっぱいにバカデカルーレットのある狂気の部屋と化していたところだ。
「ご主人様、これは一体……」
「これは邪悪だ。滅ぶべき。貴様が気にするようなものでもない。いつも通り晩飯を用意してくれ」
「あ、はい」
通りがかったシルヴィアに問いかけられたので、処すルーレットの説明をやんわりしておく。
自分の上司がブラックリストを作成して、ルーレット式で処分する人間を決めてるなんてホラーでしかないからな。
俺はそんな光景を見たら確実に失禁する。
知らぬが仏だろう。
さて、シルヴィアも持ち場に戻ったので記念すべき一人目を決めるか。
処すルーレットを勢い良く回す。
何が出るかな♪ 何が出るかな♪ 何が出るかな♪
「処おぉぉす!」
爆殺されそうになったイライラを込めて土魔法で作成した針を投擲する。
ルーレットが止まるとブルータス・モリオンのところに刺さっているのが見えた。
一部のルートの中盤で学園の悪党の親玉として出てくる噛ませだ。
下っ端がいるので数は多いが、本人自体は強くなく、ただの好感度上げのための都合のいいキャラと言ってもいい。
そう時間もかからずやれるだろうし、夕飯が出来る前には始末できるそうだ。
何の問題もなさそうだし、早速行くか。
窓外に出て『飛行』で飛んでいく。
確か廃校舎で陣取りながら子分生徒から献上された女とグヘヘへしてるはずだ。
廃校舎は木々に遮られて、廃校舎が見えないようになっているが割と近くにある。
空から見下ろせば一発で場所が確認できた。
「そ、空から豚野郎が!?」
「あん?」
「おい! カチコミだ!」
飛んでくるこちらの姿に気づいたようで、外にいる下っ端たちが騒ぎ出した。
とりあえず魔法で吹き飛ばすか。
「「「ぎゃああああああ!!」」」
上級火魔法『紅十字』で十字状に爆発させる。
外の下っ端どもが吹っ飛び、そのまま地面に叩きつけられたり、お互いにぶつかり合ったりしている。
テロリズムは気持ちいいですね。
心が癒されます。
「飯食ってる時に何やってんだ、ゴラァ!!」
ブルータス君がびっくりして窓から顔を出していますね。
絶好のチャンスだ。
「死ね」
「うおお!? いきなり何やってんだテメエ!!」
初級火魔法の『火球』を飛ばすと、尻餅をついて避けたようで悲鳴だけが聞こえる。
尻餅をついてると、隠れてて狙えませんね。
中に入って叩いた方が早そうだ。
「「うあああああああ!!」」
窓から中へ中級光魔法の『炸裂光』──少し経つと光の閃光を放つも光球を投げかけて目をつぶしてから中に入ると割と子分たちの人数がいたので、中級風魔法『空衝撃』でブルータス君ごとまとめて吹っ飛ばす。
ブルータス君一味は壁に叩きつけられたり、地面に頭からダイブして気絶して、動かなくなった。
全員昏倒したようだ。
まだ全て完了というわけではないが、とりあえず戦闘はここで終わりだ。
あとはブルータス君が爆発物本体、もしくは爆発物を誰かから買い取った証拠を見つけるだけだ。
廃校舎の中を白み潰しに調べっていく。
中を調べている途中でデカい牢屋に女の子たちが閉じ込められているのが見えた。
めちゃくちゃ多いな。
ブルータス君もよくこんなにも相手できるな。
逆にしんどいレベルだろうこれ。
とりあえず無視すると悪評が噴出することになりそうなので、『鎌鼬』で牢の錠を破壊する。
「出て学園に避難しろ」
「ありがとうございます! スラン様!」
破壊するとワラワラとうちの学校の制服を着た女の子や村娘の姿をした女の子が出てきて、感謝の言葉を投げかけてくる。
悪評高い豚野郎に礼の言葉を言うとは牢屋生活は相当嫌だったみたいですね。
さて爆弾の方の捜索に戻るか。
女の子よりも爆弾の方が俺にとって重要なのだがなかなか見つけらないな。
これはブルータス君は白ですかね。
あの時複数個鎧に付けられたんで、いくつか余分に持ってるはずと踏んでいたが。
まあ白だとしても女の子を誘拐していた罪で豚箱行きなので結果オーライだろ。
通報は女の子がするのでそっちはいいとして、逃げない保険が欲しいので土魔法で作った鎖でグルグル巻きにしますか。
今の時間は聖女のローゼリンデがフィジカルエリートの聖騎士の護衛を伴って補講を受けている時間なので、こいつらが昏倒から回復する前に学校からすぐ駆けつけてくるとは思うので必要ないとは思うが。
「やはりあなたは英雄の器であるようですね」
土魔法で作った鎖でグルグル巻きにしていると聖女ローゼリンデが現れた。
いくら近いとはいえ、早すぎますね。
というか朝とは違ってヘイコラしてるところを見ると今は先日見せた勧誘モードらしい。
適当に切り上げてささっと帰るか。
今は強制的に反教会のシア派閥の方に属しているから、さらに教会に強制加入されてもメチャクチャな状態になるからな。
最悪シアと教会サイドから「裏切り者には死を」みたいな状態になりかねない。
「朝ぶりだな。往来の邪魔者から英雄とは出世したものだ」
「聞いていますよ。往来からの諍いから決闘をしたようですね」
会話を切り上げるために「いや朝邪魔者扱いしたくせに調子いいすねw」みたいな感じで嫌な奴な感を出して皮肉ると「いやあ誰のせいか知らないですけど、なんか頑張ってみたいすねw」みたいな感じで煽られた。
流石にライン越えですよ。
あなたが爆殺されかけることに一役買ったとご存じないんすか。
いやまあ皮肉った俺も悪いかもしれんけどね。
「おお、君があの救世主を打ち負かしたというデストン侯爵家の嫡男かね」
煽りの申し子か、この娘と思うと、黒光りする仮面をつけた長身の騎士が入ってきた。
意味深なだけの空気仮面ことファラスだ。
こんないかにもな見た目をしておいて、ゲームで最後まで特に何の活躍もしないある意味ゲーム内で一番闇の深い存在である。
いつもは主人公と聖女に部屋から指示出すだけのおっさんだが、ここにいると言うことは聖女の護衛とかもやるようだ。
ちょっと萎えてたけど、自分より酷い存在を見たことでなんか回復してきたな。
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