2-4
俺はキルにまたがり探知魔法で先ほどの悲鳴の主を追っていた。
何かに乗っているのかなかなか距離が縮まらない。
「キル、もう少しスピード出せるか?」
そういうとキルは余裕と言わんばかりにスピードを上げる。
するとどんどんターゲットに近づいてくる。
最初に見えたのは三人の男が馬に乗って前の馬を追いかけている。
俺たちはすぐに三人を追い抜き前の馬に追いつく。
そこに乗っていたのはフードをかぶっていた女性だった。
「どうしましたか!?」
「後ろ!追われて!助けて!」
…とりあえずこの子を助けよう!
「キル!後ろのやつらをやっつける!」
急ストップし後ろを振り向く。
追ってきた男たちも止まり馬を降りた。
「なんだ?俺たちの邪魔をしようってのか?」
「さっきの嬢ちゃんをとらえないといけないんだ。どけ。」
「今なら許してやるよ。」
怖い顔でこちらを睨みつけてくる。
三人相手か…
さて、どこまでやれるかな…
「悪いな、俺は困ってる人がいると見捨てれないんだ。」
「俺たちも困ってんだけどなぁ…」
「そうか、だがお前たちの言葉を聞く必要はなさそうだ。」
あからさまに悪い人たちがいうセリフに行動。
そしてこの三人から逃げる女性。
いくぜ!
「かかれ!3人で一斉にかかれば余裕だ!」
身体強化×2
魔法耐久×2
ファイアボール×2
俺はファイアボールを拳にまとい戦闘態勢に入った。
男たちはナイフで三人同時に飛び掛かってきた。
俺は一瞬で3人の後ろに回り込み一人一発ずつ殴った。
「ぐはっ!」
「あだっ!」
「ぐふっ!」
さてさて、1件落着かな?
「いってーな、やるじゃねーか。」
一人だけ立ち上がった。
ほう、こいつだけ強いな。
「なぜあの人を狙う?」
「聞いてもなにも変わらんだろ。それにやられるのはお前だ。」
「ならやっつけるまでだ。」
拳攻撃力強化×2
「いくぜ。」
俺は相手の懐に入ろうとする。
しかし簡単によけられてしまう。
俺のスピードが間に合ってない!?
なら…
脚力強化×2
魔法をかけてさらに早くする。
これで懐に入ってやる!
一瞬で相手の懐に潜り込む。
そして
挙式、4ノ型
綺麗に顎に決まる。
さすがにこれで起き上がれるはずもなく…
「うんうん、さすがに気を失ってるよね。さてと…キル!」
キルを呼びさっきの女の人を探す。
探知魔法×2
…いた。
どうやら止まってるらしい。
急いで向かう。
***
「俺はカイ・ノバークです。もう大丈夫ですよ。さっきのやつらはやっつけました。」
「そうですか…ありがとうございます。」
「一度俺が張ってあるテントを回収し行きます。それから少し離れたところへ行きお話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」
「…はい、わかりました。」
俺はテントを回収し、この場から撤退した。
次は少し離れた川沿いに移動してきた。
「…それでどうして追われてたんですか?」
しばらく反応がなかったが女性は黙ってフードを脱ぎだした。
まず目に入ったのはキレイに整っている顔と銀髪の髪、そして次に…
「猫耳…?」
「私はリン。亜人、魔物と人間の血を引いた一族です。」
本で読んだことがある。
昔、魔物と人間から子供が生まれたと。
その子は人間の姿をしているが体のどこか一部が魔物の特徴を持っている。
以降、そのものの血を引いてるものは亜人と呼ばれ体の一部に魔物の特徴をもつ種族になったとか。
珍しい存在でひっそりと暮らしていると…。
「私は亜人の村に住んでました。しかし、あの3人に襲われて村は壊滅。私は急いで逃げてきたのです。」
「そうだったんですか…これからどうする予定ですか?」
「わかりません…」
リンさんはもう帰る場所もない…
俺にできることは…
「俺は旅をしているのですが今、近くの街、アリジャスに向かってます。一緒に向かいますか?」
「…そうですね、私も向かいます。」
こうして俺はリンさんと一緒にアリジャスに向かうことになった。
ただ、さっきの戦い…あの強い人だけすこし手こずった。
もっと強くならないとな。
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