1ー9

今日は家で父さんと母さんと一緒にいた。


今日の朝、イグールが父さんを起こしてから飛び立っていったらしい。


父さんが言うには今日中にノインさんが到着するらしい。


「ねえ、ノインさんってどんな人なの?」


「そうだな、変な奴かな。」


ほお、魔王を封印した勇者が変な人とな。

なかなかおもしろそうだ。


「おかしなことを結構言う人だったわ。でも、人一倍優しくて人一倍努力家だったわ。」


「何年間くらい旅したの!?勇者ってやっぱり強い!?」


やっぱり男の子だもん、ヒーローが好きだったら勇者とかも気になっちゃうじゃん。


「8年くらいだったかな、ノインは困ってる人がいると誰でも助けてしまうような人だよ。」


「すごく強いわ。剣も魔法も使えていろんな人を助けてきたわ。」


「ただ冒険し始めたころなんて言ってたかな?勇者じゃなくてひ、ヒロー?になりたかったとか?」


「ヒーローっていってなかったかしら?」


!?!?


ヒーロー!?こっちの世界の父さんと母さんからそんな言葉が出てくるとは思ってもいなかったのでびっくりした。


つまりノインさんも俺と同じもともとこっちの世界の人ではないってことか?


「ね!本当にヒーローって言ってたの!?」


「う、うん。確かに言ってたと思うわ。どういうことか全くわからなかったから意味を聞いたことがあったの。」


「あぁ、そうだ!ヒーローって言ってたんだ!聞いたことない言葉だから意味がわからなかったんだよ。」


そう話しているとイグールが帰ってきた。

ということはノインさんが!?


父さんがドアを開け外に出た。


俺も後ろに続き外に出た。


すると遠くから歩いてくる人影が二つあった。


「あれがノインさん…」


近づいてくるにつれはっきりと見えてくる。


大きな剣を持った人と魔法使いのような服装の人だ。


「やぁ、アレク。久しぶりだね。」


「アレク、だいぶ老けたわね。」


「久しぶり、ノイン、レニー。老けたのはお互い様だろ!」


「…父さん、」


「あぁ、すまない。こいつは俺の子どものカイだ。なんでも異世界転生者らしい。」


「異世界転生者だって!?」


「ノインと同じ…」


やはりというかやぱっりというか…


「まぁ、俺は異世界召喚に近いがな…」


「異世界…召喚…?」


「とりあえず入れよ!長旅で疲れたろ?」


「あぁ、そうさせてもらおうかな。カイくん、中でゆっくり話そうか。」


「はい、よろしくお願いします。」


***


「それで例のものはこれか?」


「あぁ、これが例のイヤリングだ。」


「見るからに怪しそうなイヤリングだね。」


「はい、これお茶ね。」


「あぁ、ミレア久しぶりだね。」


「ありがとう、ミレア。懐かしいわね。この四人がそろうなんて。」


「ノイン、レニー、久しぶりね。ほんと、四人そろうのは15年ぶりかしら。」


そっか、俺が今10歳。


パーティーを解散したのはその5年前ってことか…


「積もる話もあるがまず聞きたいのが…カイ君、君は異世界転生者といったね。」


「はい、前の世界は地球で住んでいたとこは日本…」


俺は自分のことをノインさんとレニーさんにすべて話した。


「なるほどね。あの神さまか…」


「ノインさんはいったいどういった経緯で?」


「それは今夜にでも話そう。あまり知られたくない過去なんだ。」


「まさかノインも異世界からなんて…」


「レニーは知っていたのか?」


「えぇ、パーティーを解散してしばらくしてから聞いたわ。」


俺は元勇者パーティーの懐かしい話をずっと聞かされた。


どうやら本題は明日くらいからになりそうだ。


仕方ない、久々の再開なのだから。


ここは子どもらしく大人の話を聞くとしよう。


勇者たちの昔話を聞くのも楽しみだったしね。

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