1-6

町長に頼み込み二匹のキラーキャットを麻酔で眠らせ家の近くまで連れてきた。


俺だけの頼みじゃ聞いてくれなかっただろうが父さんと母さんも頼んでくれて許しを得ることができた。


あれから1か月たち、町の復興もだいぶ進みだいぶ元に戻ってきた。


キラーキャットは目を覚ましてすぐは俺たちに敵意をむき出したが子どもキラーキャットが駆け寄っていくと敵意はなくなった。


そして俺たちノバーク家も話し合いをする頃が来た。


「カイ、そろそろ話を聞いてもいいか?」


「…実は」


俺は現世での出来事、旧神さまに与えられた力のこと。


「そんなことが…」


「父さん、母さん、今まで黙っててごめんね。」


「いいんだ、お前は俺たちの息子だ。」


「ありがとう。」


その言葉を言ってくれるなんて…


俺は目に涙がたまった。


「さて、これからどうするかだな。まずカイが壊さず持ち帰ってきたこのイヤリング。あきらかに怪しいよな。」


「キラーキャットたちは小さいころから人間に慣れていれば主従関係を理解できるとはきくけど…」


「ねぇ、ノイルに相談してみない?」


ノイル、父さんと母さんと一緒に冒険し魔王を封印した勇者だ。


今は世界を歩きまわって各地で異変が起きてないかを調べているらしい。


「そうだな。手紙を送ってみよう。」


父さんは事の内容を細かく書き始めた。


それを家で放し飼いしていた鷲のような鷹のような生き物、イグールの足に巻き付けた。


「これをノインに届けてくれ。」


そういうとイグールはすぐに飛び立った。


「母さん、イグールはノインさんの場所わかるの?」


「ええ、イグールは私たちと一緒にずっと冒険した仲間よ。私たち勇者パーティーの場所は把握できるらしいの。」


へぇ、おもしろいな。


特有のスキルとかあるのかもしれない。


「さて、次にキラーキャットだな。」


現在キラーキャットの家族は俺が特訓していたあの場所に住み着いている。


人が寄り付くことはないが町で暴れまくった魔物が町の近くに住んでるとわかると反感を買うだろう。


「とりあえず落ち着くまでここにいてもらってある程度でキラーキャットの群れがいるとこへ帰す?」


「いや、それはできないな。群れがあるとこに別のやつらが入ってくるのは群れおもいなキラーキャットには厳しいだろう。」


「あの俺の特訓場に結界とか張れないかな?」


「結界か…問題はだれがどう張るかだな。」


んー…結界魔法なんて覚えてないしな…


「誰か町に張れる人はいないかな?町って基本結界張ってるんでしょ?」


「あぁ、確かに結界張りをする人はいる。ただその人が私たちに協力してくれるかどうか…」


「あなた、とりあえず相談してみましょ?それで無理なら次を考えてみない?」


「そうだな。カイ、それでいいか?」


「ありがとう!父さん、母さん!」


さて、当面のやるべきことは決まった。


ノインさんの連絡を待つ、この町の結界張りさんに相談する。


父さんも母さんの異世界転生者の俺を受け入れてくれた。


俺はこの両親のもとに生まれたことを旧神さまに心の底で感謝した。


なぜかわからないがにっこりと笑う旧神さまの顔が思い浮かんだ。

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