1-5

町の入口に来ると大勢の人が町から避難しようと出てきていた。


これじゃ中に入れない。


仕方ない、から行くしかない!


さっきかけた身体能力で跳躍力が高くなっているので屋根の上へジャンプした。


さらにそこから少しでも風抵抗を減らすために


ウィンドボール×2


風のボールを前へ飛ばす。


そして一気に駆け抜ける。


そしてこの騒ぎの元凶のもとへたどり着いた。


そこにいた魔物は…


キラーキャットが2匹。


大きさは現世の生き物で例えるならアフリカゾウ。


きっとさっきの子どもキラーキャットの親に違いない。


下を見下ろすとそこには父さんと母さんがいた。


父さんは2匹のキラーキャットの相手をし、母さんは父さんに身体能力魔法をかけながら町の人を救助していた。


さすがに父さんでもB級ランクの魔物2匹を相手にするのはきついのだろう。


手こずっているようにみえた。


俺はすぐに屋根から飛び降りた。


「カイ!?なぜここに来た!?早く逃げろ!」


「父さん、俺も戦うよ。でのこの二匹、討伐せずに捕獲してほしいんだ。」


「カイ!何言ってるの!それはきっと難しいわ。この2匹普通じゃないの。なんだか無理やり暴走させられてるような…」


暴走?確かになにか様子が変だ。


子どもがいないから?


いや操られているような…


よく見ると2匹とも耳にイヤリングみたいな何かがついている。


「父さんあれ!」


俺は指差し父さんに伝えた。


「わかった!カイは避難しろ!」


「父さん、見ててね。」


俺は走り出しキラーキャットの懐に飛び込んだ。


「おい!カイ!」


「痛いけどごめんね…」


挙式、3ノ型 昇波底


ドン!


キラーキャットの首に衝撃波があたる。


するとよろめき一瞬スキが生まれた。


そのチャンスを見逃さずにキラーキャットの背中に飛び乗った。


挙式、2ノ型 手刀


手刀を裏首に叩き込むとキラーキャットは意識を失いその場に倒れた。


挙式、1ノ型 正拳突き


そしてすぐさま耳についていた謎のイヤリングを壊した。


父さんと母さんは驚いた顔をしてこっちを見ていた。


もう一匹が父さんの背後から襲いかかろうとしていた。


瞬歩


俺は一瞬でキラーキャットの懐に移動し


挙式、3ノ型 昇波底


さっきと同じように首元に衝撃波をあてすぐさま背中に乗り手刀を打ち込んだ。


今度はイヤリングを粉々にしないように


腕力強化×2


両手でイヤリングを持ち引っ張った。


パキン!


綺麗に真っ二つに割れたイヤリングを見て


「ふぅ…」


これで終わった。


「カイ!大丈夫か!?」


「カイ!けがはない!?」


二人が駆け寄ってきて心配してくれた。


「大丈夫だよ。父さんと母さんこそ大丈夫?」


「私は大丈夫よ。ただ父さんがすこし怪我を…」


「なに、かすり傷さ。」


父さんの腕に切り傷があった。切り傷なんて言ってたが結構深かった。


「ちょっとじっとしててね。」


ヒール×2


回復魔法をかけると傷はみるみるふさがった。


「カイ、これは…」


「父さん、母さん、黙ってたことがいっぱいあるんだ。この騒動が収まったら家でゆっくり話そう。」


両親にこの力の、俺の隠していたことがついにばれてしまった。


でもいつか言おうと思ってたことなんだ。


荒れ果て炎が燃え上がっている町の中、俺たちノバーク家3人はそれぞれ心にひっかかたものを持ちながら立っていた。

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