第124話 弟よ、お前は才能があるぞ
ちなみに、ここでシュバルツが俺の側に寝返った瞬間に家族が襲われる(シュバルツの反応からその可能性は低そうなのだが)可能性もゼロでは無いと判断した俺は、ダークエルフの姉妹にシュバルツの家族に害をなす前に仕留めてしまうように、事前にメール機能で指示を出しているので、シュバルツの家族はまず安全であろう。
一応その事をシュバルツに伝えると、一瞬だけ緊張感が抜けたような表情をした後、すぐさま元に戻ると俺へ感謝の言葉を告げる。
その事からも、大丈夫とは思いつつもやはり不安を感じていたのであろう。
そしてシュバルツとは契約書を交わして正式に俺の仲間になって貰った。
シュバルツがどれほどの能力を秘めているのかは未知数ではあるのだが、俺の下に集まってくれている者達の良い
ここ最近俺の下に集まってくれた者達が勝手に行動し始めているので、それをある程度把握しコントロールでき、それらを纏めて俺へ報告及び相談を提示できる者がいるといないのとでは俺の心労という点でもかなり楽になる事だろう。
今までは常に気を張って監視し、バカな事をしていないか把握し続けなければならなかったのが、シュバルツを仲間に引き入れる事によって常に監視する必要が無くなるのはかなり大きい。
とりあえずシュバルツには俺の思想と理念を叩き込まないとな。
そんな事を思いながら俺は黒衣の英雄として与えられた更衣室へ向かうと、今度はロベルトとして部屋を出ると、クヴィスト家に用意された休憩室へと向かう。
「流石我が息子だな。父さんはロベルトがここまで大きくなって誇らしいぞっ!!」
「私もよ、ロベルト……っ!!」
「そうだぞっ!! 母さんなんかロベルトが黒衣の英雄として皇帝陛下から賞与される時なんか堪え切れずに泣いていたからなっ!! こちらとしては、バレはしないまでも黒衣の英雄と関係が繋がっていると他の貴族達に疑われてしまうのではないかとハラハラしていたほど──痛っ!!」
「お父さん、それ以上は黙ってくれるかしら?」
「さすがわたくしのお兄様ですわっ!! 正直な話しをするとお友達に『実は黒衣の英雄はわたくしのお兄様ですのよ』と自慢して周りたいくらいですわっ!!」
「僕も将来お兄様のような、かっこいい存在になりたいですっ!! 特に正体を隠した上で評価をされるというのがたまらなくカッコイイですっ!!」
すると両親が、俺が来るのを部屋の中で待っていてくれたようで、入るや否や出迎えてくれ、妹と弟は目をキラキラさせながら俺の下へと駆け寄って来る。
そして弟よ、お前は才能があるぞ。
──────────────────────────────────────────
近況報告サポーター限定にて131話まで先行配信しております(*'▽')ノ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます