第102話 黒衣の英雄
スタンピードも無事に対処する事ができ、奇跡的に死者も出なかったので俺は実家でのんびりと両脇に美少女たちを侍らせて怠惰を貪っていた。
因みにマリエルとサーシャにダークエルフの姉妹を隷属してしまった事を報告すると納得してくれたみたいで一安心……といきたい所なのだが、逆にスムーズにいきすぎて逆に怖いと思ってしまう。
ライトノベルでのロベルトとマリエル、そして今現在と俺とマリエルとの関係で何が違うのか……あれか? 大人の関係になったらヤンデレ化してしまい、他の女性(ストーリー上のヒロインであるオリヴィア)に手を出そうとしたから殺されたとか……いや、流石にそれは考え過ぎか?
とは思うものの違うと言い切れずにモヤモヤとしてしまう。
これは、俺の周りにいる美しい果実に手をつける事ができないという事なのか?
確かに、この状況で誰かを妊娠させると跡取りだのなんだので面倒くさい事になる為、現時点では手を出すつもりは毛頭ないのだが『死亡フラグが立つかもしれないので手を出すのは止めた方が良い』と言われると性的欲求の他に好奇心が加わってしまうのは何故だろうか?
駄目と言われたものほどやりたくなるアレだろうか。
しかしながら、巨大なベッドで寝ころび美女四人に囲まれる今の状況を客観的に見れば、悪役にしか見えないだろう。
それはそれで恐怖しつつもこの状況を楽しんでいたその時。ギルドから使者を送られ『ギルド本部に来るように』とギルドマスターであるガーランドからの熱いデートのお誘いを受けては行かざるを得ないだろう。
というか、大体の内容は予想できているし、こういう物は先に潰しておいた方が良いだろう。面倒くさいからと後に回すと、何故か更に面倒くさくなるしな。
そして今に至る訳である。
まぁ、美少女四人にベッドの上で囲まれて理性を保ち続ける自身も無かったというのも大きいのは秘密である。
もしマリエル達にバレたりでもしたらと想像するだけで恐ろしい。
「ここへロベルト様を呼んだ理由は薄々気付いているのではないですか」
「……今さら敬語を使ったところで今さら取り繕う事などできないだろう? 普段の口調で構わん。それと、呼んだ理由を擦り合わせる為にも来たのだから質問を質問で返すのは二度手間だから辞めろ」
「……分かった。それでロベルト様をここへ呼んだ理由なのだが、どうやら今回のスタンピードを止めた黒衣の男性がいるという噂が既に皇族の耳にまで入っており、数日後に開かれるパーティーにスタンピードを止めた黒衣の英雄を呼んで来いというお達しがあった」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます