第93話 まさに裏組織のボス

 さて、煽る事もしたし後は前線を持ちこたえている冒険者たちが潰れてしまう前にこの魔獣たちを殲滅するか。


「我が従者よ、この躾のなっていない魔獣たちを殲滅せよっ!!」

「かしこまりました」

「了解したぜっ!!」


 しかしながら流石にこの数をどうにかするのは面倒くさいので、メールでも血気盛んだった二人に率先して魔獣たちの殲滅は任せるとしよう。


 自分は動かず偉そうな態度を取りながら部下に丸投げする……。


 まさに裏組織のボスといった感じで良いではないか。


 それはさておき俺も少しばかり身体を動かしたいと思っているのと、折角テイムした魔獣たちのレベルも上げたいのでこのスタンピードを使わない手は無いだろう。


 という事で俺はテイムしている魔獣たちを一気に召喚して、スタンピードを制圧するように命令する。


 因みに俺の魔獣たちは、その魔獣に合った防具を装着しているので防具も何も装着していない魔獣と比べて、どれが俺様の魔獣でどれがスタンピードの魔獣であるかは一目瞭然である。


 それだけではなく、防具を装備しているという事は当然能力も大幅に向上している為、まさに蹂躙という言葉が相応しいと思えるほどスタンピード側の魔獣を潰していく。


「魔獣の数をただ揃えるだけでは程度が知れるというものだな。そして集めている魔獣もセンスがない。全てにおいてレベルが低すぎる」


 スタンピード側の魔獣を見てみるとゴブリン上位種、オーク上位種、トロール上位種、等々、見た目が醜く一般的に臭いもキツイとされる魔獣ばかりではないか。


 ハッキリ言って俺であれば絶対に集めない魔獣ばかりである。


 というか現段階で風で流れてくる臭いが既にキツイ。


 そして俺の魔獣たちはドラゴン種、ワイバーン種、虎、狼、猛禽類型の魔獣等々、見た目がカッコ良くて各種ステータスや覚える技も優秀な魔獣たちを厳選して揃えている。


 その上で防具も装着しているのでどう抗っても俺の育てた魔獣たちに勝てる訳がないのである。


 しかも、レベルを上げ切る前にしっかりと努力値配分もし終わっているので後はレベルを上げるだけの単純作業という状態までにしてあるので、ここの魔獣たちが一番強いと言える無駄のない努力値配分がステータスに反映されているのだ。


 因みにテイムした魔獣たちは人物キャラクターと違いスフィアツリーではなく単純に倒した魔獣から得られる努力値とレベル上げで能力が上昇していく仕組みである。


 これに関しては某ポケットのアレと同じ仕組みだ。


 俺が召喚した魔獣たちがただスタンピードの為だけに寄せ集めた魔獣たちに負ける事はまずない。


「フハハハハハハハハハッ!! 弱いっ!! あまりにも弱すぎるっ!!」


 やはり、愛情込めて育てた魔獣たちが蹂躙する光景は見ていて気持ちが良いものだなっ!!

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