第71話 俺様にだけメリットがある
「ほう……そこまで言うという事は逆にお前たちはこれから儂の援助も威光を借りて威張る事も出来なくなるという事だと認識しておるのじゃろうな? それこそお前が先程言ったように、その重要性に気付いて泣きついて来るでないぞ?」
「何言ってんだ? 老いぼれ。表舞台から降りた癖にまるでまだ自分が主役であるかの如くしゃしゃり出てはかき回し、かき回した分働く訳でもツケを支払う訳でもなく、面倒くさいから後はお前らで勝手にやってくれという態度を取り、いざそれを孫と息子に指摘されたら逆上して逆切れするような老害の手など、邪魔だと思えど必要だとは思う訳がねぇだろうがよ。というかそんな戯言をうだうだ言っていないでさっさとやろうぜ。俺は優しいからな、老人は体術は厳しいだろうし魔術で良いぞ? それにどうせ負けたくないから初めから体術は禁止魔術だけのルールで分からせるつもりだったんだろうしな」
「わ、儂がそんなせこい手段を取る訳がないだろうっ!!」
「じゃぁ体術ありに変えるか?」
「…………ぐぬっ」
「プライドだけで喋っているからそうやって孫にすら口論で負けるんだよ。まぁ良い。俺は魔術だけであろうともこんな老いぼれに負けるなどあり得ないからな」
そして俺はグダグダと口論をして、煽るだけ煽る事ができてかなりストレスも発散できたので後はボコボコにするだけだと判断して糞ジジイを連れて家の裏にある開けたスペースへと向かう。
下ごしらえは済んだので後は調理するだけだ。
「審判は儂のメイドにさせる。お前達側の者に審判をさせたら誤審をされまくりそうだからな」
「それで良いならそれで良いぞ。ただ、身内の審判をすると宣言した上で負けると言い訳のしようも無くなるのだが、それで良いのか? 糞ジジイ」
「フン。要らぬお世話じゃ。むしろお前は負けても審判のせいにできるから良かったではないか」
どうせ糞ジジイ有利の判定をしまくるのだろうが、逆にそれは言い換えると簡単に負けるような事はさせないという事なので、ちゃんとした審判をつけるよりも、より長くこの糞ジジイをボコボコにすることができるという事でもある。
そういう点で言うとお互いにメリットがある……いや、俺様にだけメリットがあるので断る理由もないだろう。
「始める前に一つ確認したいのだが、召喚魔術は使っても良いのか?」
しかしながら折角こういう機会を設けたのだから少しでも有意義に使いたいと思った俺は糞ジジイに召喚魔術は使っても良いか確認を取る事にする。
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