第48話 ロベルト様と比べるとお前はゴミクズ



「し、知らないぞっ! いきなりそんな事を言われてもっ! むしろ強姦者であり追剥ぎで最悪人殺しにまで成りうるドクズという事くらいしか分からないだなっ!!」

「見た目は女だが、口調の汚さは流石平民であり冒険者とかいう底辺の職業についているだけの事はあるな。まるで男ではないか。だが、見た目と身体は女であればどうせ口を塞ぐのだから口調など関係ないだろう。喜べ、この俺様は公爵家嫡男であり、その現当主である男性だぞ。生憎この事が噂として広まってしまう可能性がある為家名までは言えないがな、それでも貴族、それも帝国四大公爵の一つである事は変わらないだろう。その四大公爵の内の一つである血が繋がった子供を身籠れるかもしれないのだっ! どうだっ!? この俺と一夜を共に過ごしたくなっただろう? 本来であれば大金を積まなければ妾にすらなれない程の高貴な血を身内に入れる事ができるんだ。むしろここで俺と出会った事に感謝して欲しい位だなっ!!」


 少しばかりこの女の口調の汚さが気になるものの、どうせタオルか何かで口を塞いでしまえば口の汚さなど気になる事もないだろう。

 

 遠くから見ればあまり分からなかったのだが(というか少し不細工に見えたのだが)近くで見れば俺様のストライクゾーンに入ってくるレベルには普通に可愛いではないか。


 すこし引っかかる点があるのだとすれば何処かで見た事があるような顔をしている事なのだが、そんなあやふやになってしまう記憶などは所詮どうでもいい事なのだろう。


 どうでも良くない重要な人物であればこの俺様が覚えていない訳が無いからな。しかもこれ程の顔をしている女に関しては……いや、口調が汚いからどうでも良いと思ってしまった可能性も無きにしも非ずなのだが、そこは今どうでも良い事だろう。


 コイツが誰であれ所詮冒険者業という底辺の仕事をしている以上どうせ平民で間違いないだろうし、俺が帝国四大公爵の嫡男としれば向こうから股を開いて子種を貰おうとし始める事だろう。


「何が四大公爵だっ!! 同じ公爵であればクヴィスト家の嫡男であるロベルト様と比べるとお前はゴミクズだなっ!!」

「お前、今なんと言った? まさかよりにもよってクヴィスト家の名前を出したか? しかもクヴィスト家の面汚しとして有名なあのロベルトよりも下だと言ったのか?」

「あぁ、そうだっ!! そしてお前が本当に公爵だろうが、お前みたいな奇襲という卑怯な手段でしか女を手にできないクズ野郎の血なんて要らないねっ!! どうせならば正面堂々と立ち向かって来たロベルト様の子種が欲しいくらいだっ!!」

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