第43話 悪役ムーブがより一層捗る
しかしながら、これはこれでどうしたものかと少しだけ考えるのだが、悪役と言えばやはり女性を侍らせてこそだろう。
クズどもが商品になると拉致した者達だ。
性格に関しては出会ったばかりなので分からないのだが見た目だけで言えばみすぼらしい格好をしているものの、それでもこの者たちが美人であるいうのが分かる。
そして、帰る場所が無いという事はここで俺がこの者たちの要望を拒否した場合は、大半の者が身体で稼ぐようになるのが目に見えている訳で……。
逆にここでこの者たちを受け入れた場合は、この者たちを救いつつも俺の周りに美少女が増え悪役ムーブがより一層捗るという、まさに一石二鳥ではないか。
そこまで考えたろ頃で断る理由も無いため、断る理由も無いだろう。
そう思い、この提案を受け入れようと彼女達を見るのだが、俺の返答が遅かったのか不安気な表情で俺を見る者、俺に向かって祈る者が出始めているではないか。
流石にこれ以上待たせるのも可哀そうだと思った俺は早速受け入れる旨の返事をする事にする。
「……よかろう。お前達を受け入れてやっても良いが、一つだけ条件がある」
しかしながら、流石に無条件で受け入れるというのは、信頼関係が構築できていない今はリスクしかない為俺は彼女達に条件を提示する。
「じょ、条件ですか……」
「あぁ、そうだ。さすがに見ず知らずの者を引き入れるというのはリスクがある。だから俺と俺の家について見聞きした全てを生涯にわたって第三者に対してどんな方法で持っても、その情報を流す事は出来ないという内容が書かれた契約書にサインをしてもらう事だ。勿論、その契約には魔術式が組み込まれている為、もしその契約を破ろうとした者はそれ相応の罰が下る。それでも良ければお前達を受け入れてやっても構わない。どうする? もし悩むのであれば少しばかり時間を与えてやっても──」
「その必要はございません。その程度のものでしたら私たちは喜んでその契約書にサインをして、貴方様の元へと行きましょう」
その条件を説明すると、リーダー的な女性が間髪入れずに了承する旨の返答するではないか。
彼女の後ろに居る他の面々に至っては嬉し泣きをする者もいる始末である。
「そうか。では一度屋敷に戻りお父様にこの旨を伝えるとしよう。俺は他にやる事があるので後の事はメイド長から聞いてくれ」
「かしこまりました、ご主人様」
そして俺は彼女たちを一度屋敷へと連れ帰るのであった。
◆
「お前が複数人の女性を連れ込んできたことにはビックリなのだが、それ以外に別件で本題があると言っていたな?」
「はい、お父様」
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近況ノート(限定)にて51話(ストック分)まで更新いたしました。
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