第39話 証拠は燃やしてしまった方が良い
「え? は? ちが……っ」
そして俺が話しかけた相手は何か言いたそうにしていたのだが、どうせ後は死ぬだけだし、こいつ等から得られる情報などたかが知れているので、話を聞くだけ時間の無駄であると判断した俺は躊躇する事も無く相手の首を切り落とす。
「お、おいっ!! どうなってやがるっ!? なんでここから逃げ出せなくなっているんだよっ!!」
「は? 当たり前だろう? この俺を殺そうと思っている奴らを取り逃がすわけがないだろうが。それで万が一取り逃がすような事があれば、いつ襲撃を受けてしまうか分からない不安から枕を高くして寝られないからなぁ」
「は? ちょっと待ってくれよっ!! 俺はお前を殺す事には反対だだったんだよっ!! なぁ、分かるだろう? 信じてくれよっ!!」
逃げられないと悟った相手は恐怖に染まった表情で俺に命乞いをしてくるのだが、そんな見え透いたその場しのぎの言葉で選択を変えるなどとするわけがない。
どうせ俺が脅威的な存在でなければ間違いなく俺を殺していただろう事は容易に想像できるしな。
「そう言うお前は命乞いした者を殺さずに見逃した事はあるのか? やめてと泣き叫ぶ女を犯す事を止めて助けた事はあるのか?」
「そ、それは……」
「即答できない時点でアウトなんだよ」
そして俺は先程殺した奴同様に刀で首を跳ねて殺す。
「ったく、揃いも揃ってお前たちは碌なスキル一つ持っていないのかよ……。こんなゴミスキルしか持っていないのであれば魔術もたかが知れているだろうな」
そして俺が今使っている刀はスキル強奪という効果を持っている刀であり、殺した相手が所持しているスキルの中から二つ強奪する事ができるという効果を持つ刀である。
その刀で二人殺してもマシなスキルを一つも持っていなかったので溜息しか出ない。
とりあえずこんなゴミクズの相手をする時間が勿体ないのでとりあえず全員を殺し終えた後に俺はある物を探す。
「あったあった……。さて、次は……西側にある飲食店か」
すると箪笥の中の隠し引き出しを見つけたので確認してみると思った通り俺の求めていた『奴隷売買の書類』が出てくるではないか。
いやぁ……、良い仕事をギルドから奪って来たなと自画自賛したくなる。
「マリエル、このアジトに火を放っておけ」
「かしこまりました」
そして他に何かないか物色して何もない事を確認した後、俺はマリエルにこのアジトを燃やすように指示を出す。
俺がアジトを物色していた事がバレた所でどうなる事でも無いとは思うのだが、ギルド及び帝国からマイナス面で怪しまれるのは後々面倒くさい事になる可能性もあるのでそういった後ろめたい証拠は燃やしてしまった方が良いだろう。
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