第38話 どうでも良い話



 そしてリーダーは仲間からバカにされてでもこの俺から逃げたいらしく、あの時俺によって身体の一部を切り落とされたメンバーと共に、お互いを支え合いながらこの屋敷から逃げだしていくではないか。


 まぁ、あの身体では悪さをしようにもできないだろうし、俺が求めているのはアイツらの命でもなければ雑魚を追いかけてまで狩るような趣味は持ち合わせていない為、逃げ出した奴らに関しては無視する事にする。


 というか、ここで俺に殺された方が後々マシだったと思えるような残酷な未来がアイツ等には待っていると思うのだが、もしかしたら逃げ切れる可能性もあるので運しだいと言ったところだろうか。


 しかしながら人間の恨みというものは想像以上に怖い物である為、別の町、それこそ帝国ではないどこか他国に逃げたとしてもこいつらに殺された遺族の中には復讐できるような身体になった今の状況知ったうえで諦めるような者が何人いるのだろうか。


 むしろ地の果てまで追いかけるという者がかなりの数いるのではないだろうか? それこそ被害者達遺族の強い横の繋がりはある訳で。


 その事からもこれからは自分がしでかした行為によるツケを支払いながら生きて行く事になるだろう。


その事を理解していればこれからは常に見張られているようなストレスを感じながら安息の地など無い苦しい旅路が待っているという覚悟を持って逃げた事だろうしな……まぁ、アイツ等がそんな事を思う訳も無ければ今自分達が置かれている状況すらちゃんと把握できているのかも怪しいものなのだが、俺には関係ない事だ。


 そう、俺が被害者グループに情報を流している事も、居場所が随時分かるアイテムを渡している事も知らないのだろうが、どうでも良い話である。


「しっかし、見れば見る程可愛い女だな……オイ。これはこいつをボコった後が楽しみだぜ……っ!! オイ、良いか? 抜け駆けしたらぶち殺すからな?」

「あ? 何でお前のいう事を聞かないといけないんだよ。お前がリーダーだと認めていないんだ……は?」


 そして、バカ共のリーダーたちがこの場から逃げだして行くのを確認した仲間たちはマリエルの姿を上から下までねっとりとした視線で眺めとまるで自分の物であるかのように話すので、俺は思わず刀をストレージから出してソイツの首を切り落としてしまう。


「あぁ、すまない。俺の所有物をまるで自分の物であるかのように話していたから思わず切り殺してしまったわ。まぁ、ここから逃げずに残ったという事は俺に殺される為に残ったのだと判断しているから雑な死に方であろうがお前達にとっては本望なのだろう?」

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