第37話 同じ学園に通っている
「確か、クヴィスト家の嫡男と言えばお前と同い年で、同じ学園に通っているのだろう? であればいつの日か今回の負けを払拭できる機会は必ずくるさ。その時の為に鍛錬を欠かさない事だな」
「……はいっ!!」
とりあえず『次は負けないように頑張れ』という意味を込めて話すと、娘の目にはやる気が満ち、そして元気よく返事が返ってくるのであった。
◆主人side
「邪魔するぜっ!!」
「……臭いですね……早く片付けてしまいましょう。ロベルト様」
俺は冒険者ギルドを出た後、善は急げとばかりに今日絡まれた連中のアジトへと向かい、扉を蹴破って中へと入って行く。
俺とゴリラとの会話を盗み聞きをしている者は流石にいないだろうが、俺とバカ共のいざこざを見ている者はかなりの数いた。
当然そのいざこざの結末も既にかなりの範囲で広まっているだろう。
そうなればまともに戦えなくなったバカ共の拠点へ出向いて奪略行為をしようとする者、または被害者が復讐に来る可能性が高いだろう。
そいつらに獲物を奪われる前に俺がしっかりと奪わなければゴリラと面倒くさいやり取りをした労力が半分無駄になってしまうではないか。
「なっ、どうしてお前がっ!?」
「コイツですかい? リーダー?」
「こんなヒョロヒョロした小僧に負けるたぁ、リーダーも落ちたものだな」
「ご、御託は良いっ!! それと見た目には騙されるなっ!! コイツはやべぇぞっ!!」
すると、バカ共のリーダーも俺と同じことを考えていたのだろう。
襲撃される事を見込んで仲間を集めていたようである。
「とりあえず言っておくが、冒険者ギルドの中だったから命だけは奪わなかったのであって、冒険者ギルドの外で俺の命を奪おうとしたのならば、殺されても文句は言わねぇよなぁ……あぁ、死んでしまったら文句の一つも言えねぇか」
「ひぃっ!?」
とりあえず今回は、歯向かって来るのであれば殺す旨を伝えると、バカ共のリーダーは恐怖心からか腰が抜けて後ずさりをし始める。
「おいおい、ビビってんすか? リーダー」
「こんな腰抜けが俺達のリーダーだったなんてがっかりだぜ。むしろ腹も立ってきたな」
「じゃぁ、コイツをボコった後に新しいリーダーでも決めようじゃないか」
「お、それは良い考えだ」
「お、俺は知らないっ!! お前達で勝手にしろっ!! 殺されるくらいならばこんなチーム捨ててお前達にくれてやるっ!!」
「あぁ、捨てるのは良いが今回の件で使った回復薬とかしっかりと金貨で返金して貰わないとなぁ」
「あぁ、お前たちが生き残っていたらいくらでも返すっ!!」
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