第30話 じっくりねっとりと
「それがお前の答えか。お前達もコイツの答えに賛成なのか?」
件の男性は俺の出した案から一つ選ぶでもなく、逆に俺に対してマリエルを渡して謝罪をするか、マリエルを渡してボコられ投げ捨てられるけど謝罪はしないか選べと迫ってくるではないか。
この態度に俺は、コイツは謝罪をするつもりは無いし列の順番を守るつもりは無いと判断して、他の仲間たちにもコイツと同じ考えなのかと問う。
「ぎゃはははははははっ!! コイツまだイキッてやがるぞっ!!」
「ここまで来ればバカだろっ!!」
「一発殴らなければ分からないようだから、優しい俺達が殴って分からせてやるよっ!!」
「まぁ、その前にこの女は貰うんだがな……はえ?」
「その汚い手で触らないでください。それに、私の身体を触って良いのはロベルト様だけです」
すると男の仲間たちは俺をバカにするような表情で見ながら、腹を抱えて笑い始めるではないか。
という事は、こいつらも件の男と同じ意見という事なのだろう。
そう判断した俺はこいつらを、冒険者業をできないレベルでボコろうとしたその時、バカ共の一人がマリエルの方に手を置いた瞬間『ボトッ』という、何かが落ちる音が聞こえてくる。
「ぎゃぁぁあああああああっ!? お、俺の腕がぁぁあああっ!!」
「何叫んでいるのですか? どうせこの後ロベルト様によって冒険者業ができない身体になるまで分からされるのでしょう? そして、その選択肢をあなた達は選んだのですよね? ならば腕の一本くらい切り落とされる事は想定の範囲内でしょう。ロベルト様ではなく私が切り落としたところで何が変わるというのですか。そんなに叫んでみっともない」
どうやらマリエルが、マリエルを触った手を二の腕部分から切り落としたようである。
「すまんな、マリエル。後でこいつに触られた部分は消毒してやる。その前に俺がこいつらに分からせてあげないとなぁ」
流石にこのままマリエルにやらせるのは、カッコイイ悪役としてどうなんだと思った俺はマリエルを俺の後ろへと移動させるとストレージから漆黒の刀を取り出す。
勝手なイメージなのだが、ここで自分の取り巻き達にやらせるのは三下の悪党のイメージがある。
やはり自分で有象無象をねじ伏せてこそだろう。
「消毒したうえでロベルト様が直に触っていただき上書きしていただければ……なんならそこからもっと身体の細部をじっくりねっとりと触っていただきたい……んんっ、ロベルト様が消毒してくれるのをお待ちしております」
マリエルが何か言いかけていたのだが、とりあえず今はバカ共を分からせる事が優先だろう。
早くしないとギルド職員が止めに入るかもしれないからな。
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