第26話 ちょっ、待てよっ!!
そうバカどもに言うとマリエルは俺のところまで『とてて』と足取り軽くやって来て、何かを強請るように上目遣いで見つめてくる。
「ロベルト様、このバカどものせいでご迷惑をおかけして申し訳ごさいません。お手数をおかけしますが今一度私の事をロベルト様の奴隷にしてください」
「ああ、分かった。それに俺は迷惑だなんて思っていない。むしろ再度俺に隷属される事を選んだマリエルの忠誠心の高さを知れた良いキッカケになった。お前たちも俺とマリエルの絆の硬さを確かめる切っ掛けを作ってくれた事に関しては褒めておこう」
「ロ、ロベルト様……っ!」
とりあえず俺はそうマリエルへ返事を変えしながら再度隷属契約を結ぶと、バカどもに対して適当に褒めておく。
「ちょっ、待てよっ!!」
とりあえず面倒事はこれで終わりとばかり俺はマリエルを連れて当初の目的である冒険者ギルドへと向かおうとするのだが、バカの一人がなんかのドラマで聞いた事あるような言い方で俺を呼び止めるではないか。
「あ? 何だよ。マリエルは自分の意思で俺の奴隷になる事を望んでいたっていう事が分かったんだからそれで良いだろう? 他になにかあるのか?」
「他に何かあるのか…………だと? この俺たちをここまでバカにしておいて『はいコレでおしまい』と行くわけがないだろう?」
「僕たちが怖いからってさりげなくこの場から離れようとしたみたいだけど、そんな浅知恵がこの僕に通用する訳がないじゃぁないかっ!!」
「流石にここまでコケにされたんだ。このツケはお前の体で払って貰わないとね」
「まさかこの成績優秀かつ将来魔術として有望であり、いずれ宮廷魔術師になる予定のこの私に、底辺のゴミクズであるお前如きに見下されるなど、許されるとでも思っているのならばその認識を改めさせる為に今後の為にもしっかりと躾をしなければいけないですねぇっ!」
呼び止めるのならばまだしも、そこから各俺が何も言い返さないからと顔を真っ赤にしたり青筋を立てたり明らかに見下した事前を向けながら俺に向かって言いたいことを言い始めるでは無いか。
「それで、だからどうしたいんだ? 俺はさっきから言っているが喧嘩を売るのであれば買うぞ?」
「ちょ、調子に乗ってんじゃねぇぞゴミクズ風情…………は? え? ガッ!?」
さっそく殴りかかってきたバカに向かってとりあえず炎魔術を無詠唱で行使してやると、そのバカは驚いた表情のまま固まり、そのまま何の対抗もすること無くそのままモロに喰らって吹き飛んでいく。
────────────────
近況ノート(限定)にて34話(ストック分)まで更新いたしました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます