6.

「あ〜! ポイが破れたぁー!」と嘆いていたり、あともう少しというところで、金魚がポイから逃げ、頭を抱えていたり、何を血迷ったか、一回り大きい金魚を掬おうとして、呆気なく破いてしまったりしていた。


「……全然取れてないが」

「わう」

「うっせー! だったら、兄貴がやってみろよ!」


ジルヴァを取られた隙に、残りのポイと水の入った入れ物を持たされた。

初めてと言っても等しい手に取ったものに困惑しつつも、見よう見まねでやってみるが。

金魚の後を追いかけていたら、簡単に破れてしまった。


「あっ……」

「あー、もう! 基本的な失敗をすんなって!」

「……お前もしていただろう」

「それはそれ! これはこれ!」

「まあまあ、兄ちゃん達! おまけに一匹ずつくれてやるから、仲直りしろよ!」


陽気な金魚すくいのおじさんがそう言って、金魚を一匹ずつ袋に詰めて渡してくれた。


「「…………」」


「ありがとよー!」と言う声を背に、並んで歩き出す。

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