15.


いつの間にか買ってきたらしい布団に寝かしつけ、奴の様子を窺う。

全力で走ったかのような真っ赤な顔をし、浅い息をしているのを、目と鼻の先でいたジルヴァが、たまらずなのか、頬を舐めまくっている。


「……めんどうな……」


深いため息を吐いて、台所へと行き、だが、喉に通しやすそうなものはなく、水とおにぎりを持っていく。


「…にー…ちゃ、ん…」


薄らと目を開けている。

ちょどいい。これでも一応食っておけ。──と、言葉に出来なかった。


急に、抱きついてきた。


いきなりなんなんだ。熱で浮かされて、おかしい行動をしているのか。

離そうにも、熱を出しているとは思えない力で抵抗している。

違和感を覚えた。


「……や…、にーちゃんに、あーんしてもらわないと……離れないっ」

「……お前、ふざけているのか」

「………」


離さないと言わんばかりにさらに力を込めてくる奴に、これ以上にないため息を吐く。

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