4.

「わーったよ」


ダンっ! と台に金銭を叩きつけると、商品を雑に取り、友人らを置いてさっさと行ってしまった。

騒がしさとは一変し、BGMが聞こえてくるくらいの静けさに戻った途端、祥也は膝から崩れ落ちた。


あの親とは思いたくない人らと共に、自分のことを嘲笑っていた人物。

人のやることなすことに逐一何か言っては、馬鹿みたいに笑っていた。

かと言って人が目を合わせると、不機嫌な顔をする。


ああ、嫌だ。こんなこと思い出したくないのに。


息が荒くなってくる。酸っぱいものが込み上げてくる。


ダメだ。このままじゃロクに仕事が出来ない。

本当に自分はどうしようもない人間だ。


自嘲し、涙も戻すことも必死に堪え、祥也はオーナーが来るまでうずくまったままでいたのであった。

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