第11話 舞魚先輩と約束するッス!
【前回のあらすじ】
# ♪ ♭
レもんは渋々といった様子で。
「……こうなったら黙っていても仕方ない。中間テストの結果だが、
「びぇええええ~っ!!」
泣きじゃくる
「う、嘘だ……先輩は海外『留学』までした天才美少女のはず……」
「どこの噂だ?
レもんの言葉を
(そんな……憧れの
「うわぁああ~ん!! 勉強したくなぁああ~い!!」
泣き
(二十歳にもなって自分のダメな生き方を何一つ正そうとしない、
「
レもんに顔を覗き込まれて、
「そ、そうだ。オレがしっかりしないと……
「ヤダヤダぁ!! 卒業なんてしたくないもぉ~ん!!」
「そんなこと言わずに勉きょ……」
もっとも、それは程なく本人の口から明かされた。
「卒業しちゃったら……
「せ……先輩……」
胸を満たす万感の想いに、言葉が
いっそのこと、このまま抱きしめてしまおうか。
でも、すぐそこにレもんがいるし――と思って横目で
何だか
「オレ、先輩が卒業しても毎日会いに行きますよ。一緒に音楽やってる仲じゃないスか」
「でも……バンド……」
「メンバー本気で探しましょう。部活がなくてもオレたちだけで音楽続けられるように」
勢い任せの提案だったが、
「先輩が補習受け終わったらオレ、スペシャル弁当作ってきます! 先輩の大好きな唐揚げ大盛りで!」
「唐揚げ……!」
「そうッス! 唐揚げをおかずに唐揚げ食いまくりましょう!」
「うん! 私、補習がんばるね!」
すっかり普段の元気を取り戻した
「レもん、先輩のこと頼んだぜ」
「ああ。勉強ならあーしに任せておけ」
心強い返事だった。
「恩に着る」
「別に
尖らせた唇と、伏し目がちな
*
2年G組、朝のホームルームが始まろうとしていた。
ひっつめ髪にジャージ姿の担任・
「お前ら、聞いて驚くなよー。今日から新しいクラスメイトが仲間入りだ!」
生徒たちの間から口々に「転校生」の声が上がった。
(このタイミングで転入生かよ。まさか……な)
答え合わせはあっという間だった。
教室の扉を窮屈そうにくぐって来たのは、身の丈二メートルはあろうかという女子生徒であった。
「よう。俺様は
聞き憶えのある――仮面越しではない――声。
制服がはち切れんばかりにパンプアップした、屈強な巨体。
極度に発達した僧帽筋の上にちょこんと載った、ボブカットの可憐な少女の顔。
(アンバランスすぎんだろ……!!)
「隣に座っても構わねえよな?
「……好きにしやがれ」
動揺を見せたら負けだ――
(堂々と名前呼びやがって……初対面じゃねーのバレんだろうが……!)
「きゃっ! 運命の出会いを感じるわ……!」
「訳ありでござろうか? 考察が
勝手に盛り上がる生徒たちをたしなめるでもなく、
「お前ら知り合いかー。ちょうどいい。
「ソナチネ先生! オレにそんな義理は……」
「いいですよ、入部しても。ただし――
「
あからさまな挑発にもかかわらず、
降って湧いた見世物に教室が沸き立つ。きっと軽い気持ちで提案したに違いない
「よぉし、決まりだな。日時はどうしようか?」
「俺様が挑んだ勝負です。
どこまでも上からな
「来週の水曜日……その日がお前の命日だッ!! 憶えとけッ!!」
「こらこら、
事情を知らない
「俺様ァこの学校のことよく知らねえんで頼みますよォ、
「いいぜ……まずはスコップの置き場所から教えといてやるよ。テメェで墓穴用意しておけるようになぁ!!」
あ、これ悪役チンピラのセリフじゃん――と
(くそぅ……オレが正義のヒーローだってこと、実力で
# ♪ ♭
★
https://kakuyomu.jp/users/mano_uwowo/news/16818093083672220865
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