第9話 鉄仮面のデカ女にケンカ売られたんだが!?
【前回のあらすじ】
マキナ「建設現場で悪魔発見だ。頼むよ、
# ♪ ♭
リーゼントの男が資材置き場にしゃがみ込んでいた。
「金属
マキナの呼びかけに、特攻服の肩がびくりと震える。
「女よ、警察など呼ん――」
「呼ばないさ。悪魔を裁く法なんて人の世にはないからね」
振り向きざまに
「話が早い! 我が名はルバト! 三十六の軍団を率いる統領なり!」
「キミの罪状は……
少し遅れて登場するぐらいがヒーローにはお似合いだ。
「オラァ! 現行犯で処刑だぁーっ!」
「せめて逮捕ぅゔぉおおぁ――――っ!!」
飛び蹴りの直撃を受けた悪魔は粉々になり、マキナの小瓶へと吸い込まれていった。
「今日も一撃必殺だぜ」
「はっはっは。もう統領クラスではキミの相手は務まらないねぇ」
悪魔は地位によって強さに差があるのは勿論のこと、回収できる霊質とやらの量も変わるらしい。
たった今倒した敵は、野良の悪魔としては強い部類だ。それでも、レもんたち伯爵級よりはワンランク下である。
「いっそ、こないだみたいに儀式で呼び出すのはどうだ?」
「
そういうものかと
マキナ
「オレらはもうマークされてるし、わざわざ呼び立てるまでもねぇってことか」
「そのとおりさ。ワタシの見立てだと、そろそろ次が姿を見せてもいい頃なんだが……」
縁起でもないことを――マキナをたしなめようとした
刹那、響き渡る轟音。
ブロック塀を突き崩して現れたのは、鉄仮面を被った筋骨隆々の巨漢であった。
いや――
「ルバトを倒したのはどっちだ?」
仮面越しだが、確かに女の声だ。口ぶりからして悪魔に間違いない。
「オレだ!」
返事と同時、
みぞおちを狙った
(
「なるほど、悪くはねえ――が」
鉄仮面は
(馬鹿力が……っ!)
「ぐぇ……っ!」
「俺様の相手にゃまだ不足だなァ」
こもった笑いが
「んだとォ……!?」
「いいねえ。見せてみな、アンタの本気ってやつをよ」
「上等だ!」
すかさず跳ね起きた
パンチ、キック、膝蹴り、肘打ち……かつてここまで遠慮なしに力を振るった経験があっただろうか。
鉄仮面のガードはいささかも揺らがない。攻撃が通じるビジョンが見えなかった。
まさに鉄壁。
「テメェ……バケモンかよ!!」
「失礼だなァ、悪魔だよ。分かったらもう終わりにしようぜ」
鉄仮面が攻勢に転じる――待っていた、無防備を
(全力で一点突破してやる――ッ!)
一体、自分の身に何が起こったのか。
(やべぇ……っ!)
「〈
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