第4話 屋上ランチタイム with 琴緒
【前回のあらすじ】
# ♪ ♭
降り注ぐ春の
なのに、
「レもんちゃんってば真面目なんだー。教室の掃除も隅々までやってくれるし、日誌も丁寧だって先生に褒められてたし」
「…………」
「最近は花壇のお世話までしてくれてるの。あ、そうそう、昨日も迷い込んだ子猫がすり寄ってきて大変だったんだってー」
「……そッスか」
さっきから
(
まさかの恋敵出現に、
「レもんちゃん、ホントにいい子なんだー。勉強押し付けてくること以外は」
「オ、オレは先輩に勉強しろだなんて言わないッスけどね!」
第一、勉強を教えようという行為自体
「
細められた宝石のような瞳を、両のえくぼを、独り占めしたい。
「お……オレも……ッス」
「
「はぉぐ……っ!?」
「代わりに生姜焼きもらっちゃおーっと」
ああ、こんな幸せがいつまでも続けばいいのに――
「コラァーッ! 屋上は立入禁止だぁーっ!」
ドアを蹴破る音に続いて、聴き慣れた大声が邪魔をする。
屋上の出入り口に、ジャージ姿の三十路女が仁王立ちしていた。
「ソナチネ先生、今自分大事なとこなんで――」
「黙らっしゃぁい! そこの扉を破壊したのはお前だろォ、
アンタも今蹴り入れてたろ――という言葉をすんでのところで飲み込む。
「サーセンっした……修理代は実家に請求しといてくださいッス」
「素直でよろしい。にしても『めいじや楽器店』か……お前、こう見えて社長令嬢だったっけな」
「その話はやめてくださいッス……」
「あー、分かった分かった。それよりドアぶっ壊すほど力有り余ってるなら、空手部の助っ人また頼むよ」
「それも勘弁で」
「つれない奴め。さぁて、修理業者を手配しないとな……お前らもとっとと校舎に戻れよー」
(さっきから調子狂いっぱなしじゃねーか! クッソぉおお……それもこれも
行き場を失った
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