待ち望んだご褒美③



日が昇る前。

盛り終えた獣は一時、人として理性を取り戻した。

土と愛に汚れ、二人は共に、屋敷の湯に浸かっていた。


「どの女が一番良かったかの?」


屍河狗威の手に抱かれる妃龍院憂媚はそう質問した。

彼は冷静を保つ表情をするが、内心では逆の事を思い浮かべている。


「(…龍神様にこういう事を思ってしまうのはあれだけど…面倒臭ェ事言い出したな)」


女絡み。

こういう話題には常に頭を悩ませる。

普通ならばばっさりと断ち切るが。

屍河狗威は彼女の面目の為に言い放つ。


「そりゃ勿論、龍神様ですよ」


そう言った。

すると彼女は指で輪っかを作る。

舌を伸ばして、指を上下に動かした。


「口もかえ?」


淫靡な動作だった。

屍河狗威は押し黙る。


「…はい」


数秒の沈黙の末に言う。


「…なんじゃその含みは、妾よりも良いのが居ったとでも?」


言える筈が無い。

複数の女性と行為を重ねて来た。

優劣をつけるのならば、一番は経験豊富な女性に分配が上がる。


「(…緋奈燐さんが一番上手かったな、ああいう小技って奴は)」


創痍修緋奈燐。

根っからの性欲魔。

彼女の技術は類を見ない。

他とは比べられないものがあった。


「じゃあ、胸はどうじゃ?」


湯に浮かぶ谷間を手で押し上げる。

若々しい肉体を持つ妃龍院憂媚。

その肉体は年上としての柔らかさがあった。

しかし、脳裏に浮かぶのは別の女性。

彼女の娘の事を思い浮かべていた。


「…そりゃ」


答えるよりも早く。


「紫藍かの?」


妃龍院憂媚は自らの娘の名前を口にした。

否定する事も出来ず、屍河狗威は押し黙った。


「(図星を突かれた)」


それが彼女にとってつまらない事だった。

ゆっくりと、屍河狗威の上に跨ると、胸元に細長い爪を突き立てる。


「妾よりも良いものなど…許せぬ、常に坊の心に妾さえ居れば良い…」


妃龍院憂媚は嫉妬している。

恐らくは、これまで愛した男よりも、執着していた。


「イヌにはそう、躾けなければの?」


口を開き舌先を伸ばす。

薄桜色の唇が、屍河狗威の唇に触れた。















どう、じゃッ

これで…もうっ、他の女なんぞ、目にも留めさせんッ


妾の為に、全てを尽せ、さすれば、子を、坊の子を孕んでやるっ


ほぅれ…んあッ…はッ…まだ、終わらせぬぞ


枯れ果てるまで、絞り尽くしてやろう…くふッ


泣き叫んでも、絶対に…止めてやらぬからのッ
















まい、っまいった、ぁっわれ、っわれの敗けじゃっ

んぁッ はっ あッ ぃッ おッ~~~~ッ


ひッ、はッ…はッ…~~~~ぁッ ぼ、ぼんっ こ、はらぃ…はら、ッ


はッあ?!  、ッんぁッはッ~~ッんッ


ふッ…ぁっ! ッふーッ!ぅ、あッ で、とる…な、なごぅ…でて、おるぅ…ッ


坊…ぼお、ん…っ!































ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

最近では思わぬアクシデントによってモチベーションがダダ下がりで正直もう投げ出したい気持ちになってましたが、励ましや応援など感想コメントなど頂き有難い気持ちでいっぱいです。


ようやく龍神様との絡みが出来たので満足しています。

それと沢山のフォロー、星評価などありがとうございます。

現時点ではこの作品が作者の中で一番のフォロー数を誇る代表作となりました。

この調子でどうにかファンタジーコンテストでも良い結果を出せたらなと思っております。




もしこの作品を応援したい、続きが読みたいと思って下さるのならば、フォロー、または星評価での応援を宜しくお願い致します。


それが作者のモチベーションに繋がりますので、どうぞよしなに。



許される限り、叡智の境界線をなぞっていきます!



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