待ち望んだご褒美②

彼の手を引いて庭の茂みへと来させたのは、妃龍院家の当主、妃龍院憂媚であった。

彼女の顔を見て、屍河狗威は小さく声を出した。


「龍神サマ」


既に彼女は酒を摂取していた。

顔は赤く、目は蕩けた状態。

舌なめずりをして、色気が混ざった香水の匂いを発している。


「くふ…ようやく、待たせたの…」


指先が、屍河狗威の体をなぞった。

どうやら、前から言っていた褒美を、与えようとしているらしい。


「部屋の中じゃと、他の者の声が五月蠅いのでな…」


何かと注視される存在である妃龍院憂媚。

屍河狗威と一線を越えない様に見ているのだろう。

何とか、監視の目から抜け出して、こうして誘っていた。


「坊さえ良ければ…このまま、庭の片隅で、人の目につかずに…」


屍河狗威にとって願っても無い話だった。


「マジすか、…いや、一つ聞きますけど…マジで良いんすか?」


行為を行う前に事前に確認する屍河狗威。


「確認せずとも…ほれ」


屍河狗威の手を掴む。

そしてそのまま、肩まで出した着物の隙間へと滑らせる。

淫靡な肉体美をする彼女の豊満な胸元に、屍河狗威の手を押し付けて妃龍院憂媚は声を漏らした。


「くふ…熱う、なっておるじゃろう?…これでも、坊にはずっと、感謝しておる、その気持ちを、身体で返したいと」


目を細める。

屍河狗威の正体を知る彼女。


「さすれば…それが、坊にとっての力にもなるからの」


そう言われて、屍河狗威は声を漏らす。

既に、屍河狗威は彼女の気持ちに答える気概だった。


「…龍神様」


首を横に振る妃龍院憂媚。


「今だけは…妾の名を、憂媚と」


彼の首に手を回す。


「娘の母ではなく、坊の主ではなく、一介の女として…」


甘えた声。

それに反応し、屍河狗威は、彼女を強く抱き締めた。


「憂媚さん…っ」















んぁ…そんなにも…妾と…夜伽をしたかったのかえ?

まるで…赤子の、よう…じゃの…っん


くふ…どうかえ?妾の肉質は

やわらかで、娘とはまた違うであろう?

若くなくとも…熟れた果実もまた、味わいのあるものと…んっ


本当のイヌのようじゃの…こんなにもべたべたにしおって…


愛い愛い…今はただ、たがいに獣の如く、まぐわう事のみを考えて…蕩け合おうぞ…あー…れぅ…ちゅっ…ちぅ…ッ




はっ…ぁっ…つっ、がったまま、ま、まてッそんな、動いたら…っあうッ


ふっ…いや、じゃっそんな…なんどもっ…われ、ッよわい、とこばかりっ…ぁぅッ、イッ…ッ!


愛い…愛いッ…もっと…もっとぉ…妾、をッ…おんなにッ…んぁッ!!


ちゅっ…じゅるっ…んぁ…はっ…ぢゅむっ…ちゅっ…ぷはっ…はっ…ぁ…




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