査定会③
「次は
「『
「元々は暴走族チームだったらしいが、『
「それでも他の家系に属さず、勧誘に来た術師を返り討ちにしている」
「少なくとも、術師として覚醒したのならば、流脈を求め術師統一を目指すべきだろうが、この様な輩に評価は出せん」
「しかし、単純な術理ではあるが、億越えの術師を容易に倒して見せた、それも一対一でだ、少なくとも、億越えの評価は与えてやりたい所だがな」
「族のチームを術師の家系と見れば、奴らは決められた道路しか疾走しない、道路を領土と見れば、それ以外の場所を侵害している所も無い、それに、どの暴力事件も、最初は術師から手を出している、一応は大義名分と言うものがあるだろう、純粋な強さならば、評価をしたいな」
「最低でも十一人、その内、多勢で仕掛けた術師に対し、一人で対処をした、実に男気に溢れる、その点は評価したいぞ、儂は」
「では、各々が評価を下した所で…機士杖祿謳、その総額は『七億五千六百万』の存在価値とする」
議題は進んでいく。
そして、話の話題は、当然、この数か月で飛躍的成長と評価を持つ男に焦点を当てられた。
「そして…ほっほ、これこれ、一番の問題児、屍河狗威」
「幽刻一族を滅ぼした後、その術理を乗せた臓器を移植された少年、か」
「厄しか感じんぞ、この男は…」
「幽刻一族の滅亡に始まり、阿散花家の将を敗北させ、七家の奇襲では返り討ち、果てには創痍修家の助太刀として、土塊紅家に侵攻…」
「形式上では創痍修略摩が土塊紅家を討取ったとされるが、あの男では土塊紅佰怜を斃す事は不可能だろう」
「助太刀として参戦した屍河狗威、この男は凄まじい勢いで功績を立てている」
「何を言っている、邪悪しか感じんぞ、この男は…、下手をすれば、我々にですら牙を剥く可能性がある」
「『幽刻一族』を単騎で殲滅、それも術師では無く一般人としての凶行、其処から跳ね上がり、『阿散花家』との戦いでは将號術師を斃し、更に複数の当主を制限がありながらも五人、討取った…」
「儂が評価するのは一番最初、幽刻一族だ、元一般人が、極悪にして非道たる時間操作系術師を斃したなど、滑稽な事だ」
「更に加えて奇襲の件、当主らの平均総額は十五億程と聞いておる、例え術理に制限が掛かっていようとも…それを下す勢いは類を見んだろう」
「この男の命、存在価値は、億に一桁だけでは勿体無い」
各々が硬貨を投げつける。
それを搔き集め、彼の存在価値を定める。
元一般人からすれば、この額は史上初めての事だろう。
「各々、宜しいかな?…では、これで決まりだ」
「屍河狗威、二十一老衆の査定により、総額『二七億四千万』の存在価値とする」
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