11話 くそったれ魔王

VRゴーグルを外す。

ああ、つっかれたぁ。

しんどいわぁ。

体を伸ばしてみたけど、相変わらず背骨がボキボキ言いやがる。

これ大丈夫なやつなのかな?

首回してもボキボキ言うけどさ。

これ絶対ヤバいんだろうけど、なんか気持ちいいからやめられねえんだよな。

仕方ない、仕方ない。

ああ、明日学校か。

めんどくせえな、マジで。

サボるっていう選択肢はねえのかな?

どうせ、親が強引に行かせてくるか、、、、

めんどいなー、マジで。

マジでマジでしか言ってねえわ。

明日もはええし、さっさと寝るか。




____________




はああ、ねっむ。

まあまあ寝れたな。

今何分だ???

やっば、もうこんな時間じゃん。

早く行かないと、遅刻する!!



はあはあ。

ゲームしかしてない人間にチャリで爆走させるなんて終わってるな、この世界。

汗止まんねえ。

マジで疲れたわ。

そうだ、忘れてたわ。

飛井にシャサミが入ったこと言わねえといけねえんだった。

授業終わりに言うか。



「飛井~!」


「なんだよ、うっせえな。」


「レブルあるじゃん。」


「レブル?

ああ、クランの名前か。

覚えにくいんだよな、あの名前。」


「うっせえ。

でさ、レブルに新しくシャサミって奴が入ったからよろしく。」


「誰だよ、シャサミ。

強いの?

その人。」


「神話に一緒に参戦してる人。

一緒に戦ったけど、馬鹿くそ強いね。

喋り方癖強だけど。」


「へえ、わかった。

じゃあ、そのササミにはまたいつか会うとして、お前どこ行ってたんだ?」


やべえ、俺もあんま理解してないけど、なんて説明しようかな。

言い訳するか、正直に言うか。

正直に言えばいっか。


「なんか、神話のための特別会場みたいなとこに飛ばされてさ、そこで神話のためのクエストやってる。

そこで、シャサミと会った。」



「ああ、なるほどな。

じゃあ、俺はどうする?

お前が神話やってる間、レベル上げしてりゃいい?」


「ああ、だな。

すまんな、さっさと終わらせてくるわ。」


「おう。

じゃ、せいぜい頑張ってくれよ。」


そう言うと、飛井はどっかに歩いて行った。

なんだ、あいつ。

てか、なんで、神話の進行中は外に出れないことを知っているかのような言い方したんだ?

どういうことなんだよ。

神話やってる間はって、なんでそういう含みのある言い方したんだ?

ますますわかんねえな。

だって、恐らくだけど、神話の話は門外不出になるような設定になってるはずじゃ??

じゃあ、どっかから流れたってことなのか??

確かに、あいつは攻略サイト見まくってるからそれなら納得だな。

まあ、家帰って、ゲーム始めた時にサイルに聞いてみるか。

ん?

なんかスマホが震えたような気がしたんだが?

なんだ、メールか。

誰からだ?

俺はメールを開いた。

待って、だっる。

切島からかよ。。。。

なんなんだよ、マジで。


【今日の昼、中庭来い】


中庭来いってなんだよ。

来てください、だろうがよ。

何の用だよ、行きたくねえな。

でも、まあ、魔王の詳細情報つかめた方が俺の復讐に使えるからな。

まあ、行くかなぁー。

めんどすぎんだけど。




_________



憂鬱な授業乗り切ったってのに、この後も憂鬱なのなんなんだよ。

意味わかんねえよ。

さっさと終わらせてえな。

めっちゃ萎えてるんだけど。

萎え過ぎなんだけど。

こんなに気分下がることなんてそんなにないだろ。


「よお。

で、なんの用なんだよ。」


「ああ、大か。

遅かったなあ。

お前だから仕方ないか。

まあ、俺は心優しいから許してやっから気にしなくていいぞ。」


マジでイラつくな、こいつ。

どうやって生きてきたら、こんな腐れ外道に成れるんだよ。

意味わかんねえよな、ホント。

まあ、こいつだもんな。

仕方ない、仕方ない。

こんな奴にキレたって気力の無駄だしな。


「黙ってろよ。

本題はなんなんだよ?」


「ああ、まあ、そんな急ぐなって。

実はな、そろそろ本格的に前俺のクランに入れようとしてるやついるって言ったじゃん。

そいつを勧誘に動こうかなって思ってさ。

そんで、お前も入れてやろうかなって思って。

入れ替えを何回かに分けるのもめんどいからな。

どうせ、お前弱いから俺いないと勝てないだろうしな。

ちょうどいいだろ?」


ちょうどいいけど、二人もいねえからな、俺。

サブ垢作るのは同一ディスプレイからは出来ないから、別のを買わないといけないしな。

それはだるいから、適当に断っておくか。


「いや、俺はせいぜい1人で頑張って進めるからいいわ。

遠慮しとく。」


「そうか、じゃあ頑張れよ、へたくそ。」


黙れよ。

へたくそじゃねえしな。

まあ、すぐに勧誘に来られる訳ねえもんな。

だって、俺はいま神話を進めてるんだからな。

まだ来ないにせよ、勧誘断ったらどうなるんだろうな?

なんか試したくなっちまったな。

これで失敗したら、俺の復讐が失敗に終わっちまうしな。

ああ、疲れたな。

そうだ、あいつのクランの噂とかないんかな??

サイトにでも載ってんのかな?

調べてみるか。

おお、あんじゃん。

見てみるか。

折角だしな。





〈レブルの実態と功績〉


レブル。

それは、フローラ・ティアマトの中で覇権を握りし、最強で最凶のクラン。

フローラ・ティアマトのプレイヤーなら、皆、その強さを理解しているだろう。

そこで、今回はレブルの実態と功績について徹底解説をしていく。


・レブルの実態

レブルには、絶対的リーダーであり、現魔王であるハゲタカが在籍している。

レブルの人事権を握るのは、そのハゲタカである。

ハゲタカは、部下に信頼をせず、クランメンバーの入れ替えも厭わない。

まさに、強さに飢えた野獣のような存在である。

そんな、ハゲタカ率いるレブルは現在、このゲームの中でも2神、魔王に次ぐ強さを誇る八種神のオシリスとエレボスを倒したという。

レブルが倒したという情報もあるが、恐らくレブルは援護として、行っただけで、実際のところハゲタカが1人で倒したと考える人が多い。

また、クランメンバーは20人までに絞っているため、入れ替えの頻度も多く、如何に実績を残せるかがクランメンバーの宿命であると言える。

クランメンバーには、PKも所属しているという情報もある為、略歴よりも実績や強さを重視したメンバー編成になっていることがうかがえる。


・レブルの実績

先ほども記述した通りの話であるが、レブルは八種神の中でも、5位のオシリスと、8位のエレボスを倒したことのあるクランでもある。

当時のメンバーと入れ替えがあったことは確かであるが、それでも当時のメンバーは複数人は所属している可能性が高いため、経験という面から見ても他のクランとは比べ物にならない強さを持っていると言えるだろう。

また、クランメンバーは各地のエリアボス20体以上討伐からが入れる条件になっているようで常人では到底到達できるレベルにあるクランではなさそうだ。


・まとめ

フローラ・ティアマト最強のクランであるレブルを解説していったが、どうだっただろうか?

今後もレブルに関する情報を追いつつ、レブルの今後の行動から目が離せない。

※ここでは掲示板に書かれていた情報も基にしているため一部真偽不確かな部分があります。ご了承ください。

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フローラ・ティアマト~魔王が嫌いな幼馴染だと分かったので、部下になって潜入し、内部崩壊させる。~ 蒼檸檬 @aoremon

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