10話 やっと俺の伝説にヒロインが出てきたな。

「誰ですか?」


ちょっと及び腰になっちまったな。

ていうか、この人が俺より先に倒したのか?

めっちゃ可愛らしい女性って感じだ、、、、、、、

おっと危ない。

ゲームの世界でガチ恋するところだったぜ。

ていうか、なんか言ってるくね?


「ああ、あの人がさっき言ってた人?

へえー、かっこいいじゃん。」


かっこいいじゃん?

え、、、、??

待って、く、れ、、、

女の人から俺のそんな事言われたことないぞ。。。。

待って、惚れちまいそう、、、、


「心拍数が上昇しています。」


いちいちそんな事言わなくていいぞ。

俺だってそんぐらい分かってるわ。


「赤面していますよ。」


おっと、それは恥ずかしいな。

ここはなにか話さないとな。

ジェントルメェンの風貌でな。


「こんにちは、さっきマインを倒したのはあなたですか?」


「ああ、さっきのマインって言うんですかぁ?」


何だこの人?

天然なのかな?

喋り方につられそうなんだが。


「そうですよ。

あなたも神話に参加してるんですか?」


「そうですよぉー。

もしかして、あなたってゴルゴンゾーラ斎藤さんですかぁ?」


なんで知ってんの?

ストーカー?

怖い、怖い。


「ゴルゴンゾーラ斎藤さんの頭上に名前の表記が出ております。」


そういうことね。

ここはしっかり平静を装ってな。


「そうですけど、どうかしましたか?」


「一緒にクランやりませんかぁ?」


なんだ、この喋り方は。

めっちゃこの喋り方に引っ張られそう。

ていうか、この人ってどんぐらい強いんかな?


「土龍を一人で倒してやってきたので、恐らく強いかと思われます。」


この人が?

ええ、なんか意外だな。

こんなにゆったりした話し方してるのに。

まあ、偏見か。。。。


「いいですよ。

俺のクランあるんで、一緒にやりましょう。」


「いいんですかぁ??

やったぁ!!」


「じゃあ、俺から招待しときますね。

なんて名前ですか?」


「あ、えぇっとー、シャサミですぅ。」


ササミ?

なんて言ったんだ?


「ササミですか?

ごめんなさい、聞き取れなくて、、、、」


「あ、大丈夫ですよぉ。

シャサミでぇすぅ。」


シャサミか。

へぇー。

まあ、さっさと招待送るか。


『通知 レブルにシャサミが参加しました。』


ていうか、入れたはいいけど、後で飛井に言っとかないとな。

あ、、、

ってか、待って。

クラン作成理由・裏って見られてないよな。

あれ、見れる条件何にしたか覚えてないんだよな。


「ここのクランってぇ、魔王を嫌ってるんですかぁ??」


早速バレてた。

速すぎだろ。

こんなに早くバレることなんてあんのかよ。

もしかして、こいつも俺の心読んでるのか??


「私以外はゴルゴンゾーラ斎藤さんの心を読んでいる人はいません。」


サイルか。

突然出てこないでくれよ。

ていうか、その絶対的な自信はどっから生まれてくるんだよ。


「超人工知能搭載なんで。」


それ絶対自分で言わないほうがいいやつだぞ。

わかってないのか。

やっぱりポンコツだよな。


「何がポンコォツ何ですかぁ??」


なんだろうこの喋り方。

そして、なんで心読んでるんだ?

どうしてかわかるか?サイル。


「。。。。。。。」


ああ、やべ、拗ねちゃったな。

後でなんかあげないといけないのか?

AIって何がほしいんだろうな。

わかんねえけど、一回ほっとくかな。

いや、聞きたいことあったわ。

サイル、これって二人でクエスト進行ってできるのか?


「はい、できます。

また、現段階のクエストで言うならば、ゴルゴンゾーラ斎藤さんが2冊、シャサミさんが3冊、伝地書を持っていますが、それを二人で合計することも可能です。」


いい機能あるじゃん。

これってパーティーとか作って進めたほうが早いとかあるのか?


「どちらでも進行スピードは大して変わりません。

ですが、クエスト共有をしたいのであれば、パーティーを組んだほうがいいかと思われます。」


なるほどね。

色々作り込まれてるよな。

このゲーム。

じゃあ、パーティー招待するか。


「やったぁ。

パーティー招待ありがとうございますぅ。」


さーて、サイルどこに行けば伝地書オールクリアできるんだ?


「心配しなくても、目の前にいますよ。」


なんだ、その冗談。

もっとわかりにくいような冗談言えって、、、、

振り返ると、そこにはマインがいた。

ていうか、攻撃動作始めてやがった。

回避はできねえ。


440→390


体力の回復の条件って何なんだよ。

まあ、そんな早く回復するわけないもんな。

でも、目安ぐらいわかってもよくないか?

一回そんな話ガン無視でさっさとマイン倒しちゃうか。

今回は武器使わず、重拳のレベル上げてえし、拳で行くか。


「おらああ!!!!」


適当に範囲攻撃みたいな感じで大きく振りかぶって、殴ったけど、意外と判定広いな。

今、何体倒せたんだ?


「4体です。」


じゃあ、残り6体ってとこか。


『通知 伝地書を15冊全て入手したため、次のクエストに進みました。』


え????

残りの6体は??

もうシャサミが倒したのか?

はあ??

瞬殺じゃねえか!!

どうやって倒したんだよ?

見てたか??サイル。


「すみません。見ておりませんでした。

ですが、そもそもの話、私はゴルゴンゾーラ齋藤さんと五感を共有しておりますので、ゴルゴンゾーラ齋藤さんが見えていないものは私にも見えていないことになります。」


しておりますって。。。。

勝手にしてんだろ、そっちが。

俺は別になんましてないんだぞ。

なんだよ、俺が共有を強要してるみたいに聞こえるじゃねえか。

人聞きの悪い。。。。

まあ、シャサミ本人に聞いてみりゃ早い話か。


「ほんとですよ。」


あ????

なんか不服を言っているような気がするんだけども、サイル君??


「気のせいです。」


そうか、ならよかった。

以後は、気を付けてくれよ。


「分かりました。」


さーて、シャサミになんて聞けばいいんだろうな??

学校にいるときもあんま女子と喋んないからな。

どういう感じで話を進めたらいいか分かんねえな。

勘でいっか。


「シャサミさん、強いっすね!!

いつの間に倒したんですか?」


「そんなことないですぅ。

えぇ、でもぉ、ゴルゴンゾーラ齋藤さんが他のマインを倒してくれてる間にやっとこうと思ったのでぇ、倒しちゃいましたけど、いけませんでした?」


「いや、そうじゃなくて、めっちゃ速いなって思って。

まあ、マインもあんまな感じはしたんすけどね。」


「いやぁ、でもぉ、ゴルゴンゾーラ齋藤さん、お強いですよぉ。」


やばい、なんか女の人に褒められてないから照れそう。

てか、もう、照れてるかもしんねえわ。

てか、本当に女の人なのか?


「あの、失礼なんですけど、シャサミさんって女性ですかね?」


「はい。そうですよぉ~。

どうかしましたか?

女の人が苦手とか、ですかぁ??」


「いや、そうじゃないんですけど、なんかぽいなって思ったっていうか。

なんていうか。

少し気になって。」


「ああ、そうでしたかぁ。

わかりました。

ゴルゴンゾーラさんはなんか男の人っぽいですね。」


「そうっすか。

よかったす。」


「今、何時かなぁ?

ああ、ごめんなさい。

ちょっと私、これから予定あって、また一緒にやりましょおー。」


「分かりました。

では、いってください。」


「ありがとうございます!」


あっ、普通に喋れるんだ。

普通に喋ってくれて構わなかったのにな。

ていうか、ああいうことって普通は聞いちゃダメなんだよ。

また会ったときに謝るか。

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