8話 神話ガイア

重ったるい空気がずっと流れてやがる。

おいおい、どうして飛井にも挑戦権が付与されなかったんだよ?

どういうことだよ?

俺、単体で八種神に挑めってか?

無理ゲーじゃねえか?

どんくらいの強さかってことも分かってねえってのによ。

どうしろってんだよ?

第一、このくっそ気まずい状況をどうにかしないとな。


「えーっと、まあこっからどうする?」


こういう場面ってどういうこと言ったらいいのかマジでわかんねえんだよな。


「とりま、お前の神話の手伝いでもするかな。

なんかクエスト出てるでしょ?」


そんなんのあっか?

どこにでんだろ?

えーっと、ここは違う、

ここも、、、違うか。

どこだよ、うぇ。

なんか出てきたんだけど?

これか!


「えっとな、・・・・・・・・・・・。

・・・。

・・・・・・・・?」


どういうことだ?

俺、今、

「伝地書を5冊全部揃える。

だって。

なんだ伝地書って?」

って言ったよな?

声が出なかったのか?

いや、そんなことはないな。声帯が震えている感じはしたしな。

声がかき消された?誰に?なんで?

もう一回言ってみるか。


「・・・・・・・・・・・。

なんで声でな、、、、」


ッシュッッッッ


突然、目の前が光ったと思ったら、ここどこだ?

辺りを見回しても、さっぱりわからねえ。

つまり、俺はどっかに飛ばされちまった。

どういうことなんだ?

神話については、門外不出ってことか?

かといって、連続で言おうとするとよくわからないところに飛ばすなんてことあるのか?

まあ、いっか。

仕方ねえ、後でメール送っとくか。

さあ、早速進めるか。

まあ、進めることしかやることないんだけどな。

ていうかよ、これなんだ?

クエストをクリアしていくごとに次のクエストが解除されていくシステムなのか?

これってそういうことだよな。

でも、いくつクエストクリアで実際に八種神と殺りあえるんだ?

さーて、伝地書をゲットしないとな。

第一、どこにそんなものあるんだよ。

マップとかないのか?ここにあるっていう風に書いてあるマップはよ。


「こんにちは。」


「あ、こんにちは。

どうかなさいました?。。。。。」


「私、ゴルゴンゾーラ斎藤さんの案内役となりました、超人工知能搭載のAIのサイルと申します。」


超人工知能ってだっせえな。

逆にバカっぽく見えるな。

さっき話しかけてきたやつもコイツか?


「あなたっすか?

俺の頭に話しかけてきた人は。」


「はい、私は超人工知能搭載のAIのため、あなたの頭に直接干渉して、ご案内をしています。」


直接干渉ってなんかやだな。

頭ん中、覗かれてるみたいじゃん。


「神話を開始すると、あなたみたいなAIが現れるんですか?」


「あなたではなく、サイルとお呼びください。

神話を開始すると、私を含む精鋭AI8名がご案内します。」


なんだよ、こいつ。

AIのクセに、こだわりつええな。

第一、自分のこと精鋭って自負すんなよ。

激イタだぞ。

まあ、でも案内役なだけだもんな。

ずっとこんな風に話してくるわけじゃねえもんな。

まあ、なんか変な感じするけど、我慢かな。


「サイル、ここはどこなの?」


「ここは、神話ガイアの挑戦権を得た人間のみが立ち寄ることのできるエリアです。

まあ、今挑戦権を得て、ここにいるのはあなただけなんですが、本来なら他にも挑戦権を得ている人もいます。」


そうなんだ。。。。

ていうか、俺、武器屋とか行きたいんだよな。

土龍戦でまあまあルームス入ってるからな。


「武器屋に行きたいんだけど、どこにあるんだ?」


「申し訳ございませんが、神話挑戦中は他のエリアへの立ち入りが禁じられています。

なので、神話クリア、又はリタイアでここから解放というような形になっています。」


解放って。。。。

拷問でもされんのかよ。

じゃあ、次ログインしてもまたこっからのスタートなのか。

なるほどねえ。

どんぐらいでクリアできんのかな?

そんなに時間かかると思って、神話やろうとしたわけじゃないからな。

これで結構時間かかることになったら、俺の復讐が遅くなっちまう。

まあ、なんとかなるのかな?

多分、いけるよな。

ちょっと、能力値も確認しとくか。


攻撃力 16Lv 98

防御力 16Lv 83

体力  16Lv 490

幸運  16Lv 9%

スタミナ16Lv 74

俊敏  16Lv 42


なんか正直言って微妙だな。

もうもはや、疾風とスタミナブーストの2つのスキルと武器の能力値に頼って、戦って勝ち続けてるから正直これからもっと強い敵が出てきたら勝てなくなっちまうな。

かといって新しい戦い方も思いつかないからな。

正直ヤバいんだよな。

このままだと、ガイアに勝てないんだろうな。

もっと頭使わないといけないのか。

でもな、定期テスト5教科で300点のこの頭脳だと、ちょっぴし厳しそうではあるな。

まあ、そのうち考えていくか。


「で、伝地書ってやつはどこにあるんだ?」


「まあ、まず伝地書についての説明を。。。。」


なんでこいつはこんなにマイペースなんだよ。

さっさと神話クリアしたいんだよなー。

まあ、面白そうだしいっか。

とても面白い話をしてくれよ。


「じゃあ、頼む。」


「かしこまりました。

伝地書というのは、計15冊あります。

それをゲットするためには、八種神の中のガイアの手下であるマインを倒さなければなりません。

そもそもの話、ガイアとは八種神であり、大地の女神です。

八種神の中で7位に値する強さを誇っています。

8人の神の中で、7位というのはたいそう弱く見えるでしょうが、相当の実力があるので、勝てるかというのは能力値のみならず、反射神経・戦略など複数の要素が高いレベルにないと勝てる相手ではありません。」


15冊か。。。。。。

まあまあ多いな。

八種神の手下ってどんくらいの強さなんだろうな?

ていうか、途中から俺の心読んでたよな?

じゃなきゃ、俺が考えていることを説明している理由がつかない。


「はい、あなたの心を読んでいます。」


言わなくていいよ!

なんかやな感じするって言ったじゃん。

なんで読むんだよ。

いつも読んでんのか、俺の心。


「はい。」


「はい。

じゃねえよ。やめろよ。」


おっとつい、キレてしまった。

短気短気っと。


「嫌です。」


やっぱキレてもいいかな?

なんかすっごく生意気な感じがする。

感じがするってか、してる。

こんなAIと一緒に神話クリアしないといけないのか、、、、、、、、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る