7話 神となる話に成る。

「んで、土龍ってのはどんなのなんだよ?」


「名前聞いただけで、ある程度は想像しろよ。

お前はホントによう。」


なんでこんなに俺を侮辱してくるんだよ、こいつは?

攻略サイト見ない縛りみたいなのやってんだよ、こっちはよ。

それの何がいけねえんだよ?

そっちの方が楽しみ増えておもしれえじゃねえかよ。


「まあ、土龍は体力少ないけど、俊敏で攻撃力が鬼高。

攻撃できるタイミング逃したら即死ぐらいの感覚だね。」


え?

鬼畜じゃね?

まあ剛覚使えばいけるっしょ!

いつも通りやれば、負ける気がしねえしな。


「てかさ、なんで、今日は土龍と戦うんだよ?」


「ああ、お前無知すぎてそんなこと言わないといけないのか。

土龍を倒すと、極稀に神話っていうストーリーを始めれるらしいからな。

それ以外、八種神と戦うための術がないしな。」


「なるほどな、俺とお前でやれば神話も一緒に行けるもんな。」


「おお、意外と察しがよろしいことで。」


やっぱ、こいつ言葉の節々に俺への侮辱を込めてるな。

なんだろう、イラつかないギリギリのラインなんだよな。

そういう言葉巧みに、今まで女子と遊んできたのか。

なるほどな、今までこいつのどこが女たらしって言われるような行動なのかってことをずっと考えてたけど、そういうことだったのか。

策士だな、こいつ。


「何?ドヤ顔してんの?

普通にキモいぞ?さ、行くぞ。」


うわ、マジか。

喜びが顔に出ちまった。

いや、喜びじゃねえな?

妬みか???

うーーーん、なんなんだろ?

ま、いっか。

さっさとやり行って、神話でも進めてみたいな。


「あ、そうだ。

お前、今日、俺の答え見ただろ?」


「何の話だよ?」


「とぼけんなって。

お前が居眠りしてて、谷に起こされた後に答えた問題。」


「なんで分かったんだよ。後ろに目でもついてんのか?

お前、俺の方見ないで、前向いてただろ?」


「お、認めたな。俺、そんなの勘で言っただけだけどな。

まんまとかかったな。雑魚乙。」


高笑いしながら、そう言う飛井。

マジでイラついたな、今の。

なんだ、マジで?

まあまあ、俺は短気にはなりたくないんで、ここらで我慢しといてやろう。






「おお、着いたぞ。

意外と断崖絶壁だな。」


そう笑いながら言ってるが、落ちたら大ダメージもんじゃねえか。

マジで暢気だな。

お、なんだ、あのちっせえ犬は?


「あ、そいつ土龍の手下みたいなやつだから」


俺が襲われるギリギリで飛井はそんなことを言ってきた。

えっ?

そう言うの早く言いません?

俺、もう攻撃されそうだよ?

何体かわかんないけど、ざっと十数匹が襲い掛かってるよ?

え、嫌がらせだよね?


『装備 漸筋』


軽く適当に目の前で漸筋を振り回してみる。

なんか全部当たって、塵になってどっかに吹いていった。

え、ちょろくね?


「あ、お前、あの犬倒しちゃった?」


「え、まあ、軽く捻っといたけど?」


「あーあ、お疲れ。

そいつら、土龍を倒すまで永遠と湧き出てくるよ。

倒したことがきっかけになってね。」


ねえ、だからそういうの早く言えって。

遅いよね。どう考えたって。

俺、お前になんかしたっけ?

なんもしてないよな?

え、俺、なんも心当たりないんだけど。。。


「まあ、その犬は俺がやっとくから土龍さっさとやっちゃって。

地面に攻撃したら出てくるから。」


まあ、流石にやってくれよ?

やらないなんていう選択肢あったと思ってる?

ないからね?

お前のせいだよ、こんなに戦いにくくなったの。

自覚なかったりする?

そんなことないよね?流石に。

ま、いいや。

あとで、しばきながらじっくり聞くことにするから。


「ほーらよ」


俺は思いっきり漸筋を地面に突き刺した。

すると、唸り声とともに地面が大きく動いた。


「ちょっと、土龍出すんだったら言ってくんねえか?

あぶねえんだけど?」


え、言ってることおかしいよね?

早く土龍やれって言ったよね?

え?記憶なかったりする?

3歩歩いたら、記憶なくなっちゃう鶏かなんかかな?

流石にヤバいよ、その頭。

あ、まあ、別に侮辱してるわけじゃないけどさ。


「出しましたー。

さっさとやっちゃうんで、もうちょい遠くに引きつけといてー」


「ああ、わかったー。」


で、土龍は体力1300。

意外と低いじゃん。


『装備 光煌剣』


剛覚発動!

これでまあ見えるっしょ。

動きはええな。

ここっしょ。


ッッシュゥッッ


空振った。

え、マジか。そんなことある?

速すぎて捉えきれなかった。

まあ、いいや。


『装備 幽水の短剣』


犬を上手いとこ誘導させて、5連撃っと。

で、必殺技、氷砕剣!


ヒット 85


氷で上手いとこ捕まえられたな。


『装備 光煌剣』


体力35献上からの必殺技の光煌爆裂!


ヒット 400


よっしゃもう一発!


ヒット 300+89


これって継続しないのかよ。

不便だな。

でも、これずっと継続して必殺技打ててたら強すぎるか。

まあ、妥当じゃねえか。

体力426まで削ったし、ラストか。

さーて、もういっちょ!

体力35献上!


ヒット 400


やべ、こいつ相打ち覚悟で攻撃仕掛けてきやがった。

これは避けれない!

くっそ、、、、、、


ドーォォオオオン


やべえ、これ俺死んだな。

今、体力何だ?

50か、、、、

50?

スタミナブーストかけて、体力上乗せしてたのに?

がちやべえな。

俺ぐらいのLvのプレイヤーがやりあう敵じゃねえじゃん。

あいつもラスト26しかないしな。最後は漸筋でいくか。


『装備 漸筋』


疾風で一気に詰めてっと。


ヒット 120+89


『撃破 土龍』


ふう、舐めすぎてたわ。

めっちゃ瀕死だわ。

一発が重すぎる。

そんなに重いんだったらもっと最初から言っといてくれよ!

いや、まあ、言われてたと言えば言われてたか。



突然、通知が鳴った。


『おめでとうございます。

神話 ガイアの挑戦権を得ました。挑戦しますか?』


「おい、これって?」


俺は思わず飛井の方を見た。


「は?どういうことだ?

お前しか挑戦権を得れなかったのか?」


「え?お前、通知で来てねえの?」


「だから、言ってんだろ。

あのサイト、嘘だったのかよ。」


嘘だろ、1人で八種神倒しか。

出来っかな?

まあ、やってみりゃわかるか。

でも、まあ、飛井は挑戦権得れなかったって結構シビアなのかな?

挑戦資格の判定。

でも、まあ妥当っちゃ妥当?

んなのわけねえな、犬があそこにいたら多分だけど100パー負けてたな。

こういうときなんて言ってやりゃいいんだろうな?

何も言わないとかが一番なのか?

まあ、とりま、セーブポイント行くか。


『セーブが完了しました。』

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