6話 白璧の微瑕

息を切らしながら、這いつくばっている俺と鳥。


「ああ、マジでしんどいわ。」


そう言うと、鳥は


「ほんとか?

余裕そうにしか見えねえんだけどな。」


ほんとこいつは何いってんだか、、、、

俺だって人だから疲れるとかってことあるんだよ。

サイボーグじゃねえんだ。

経験値とか諸々でも確認しとくか。


攻撃力 13Lv 89

防御力 13Lv 74

体力  13Lv 445

幸運  13Lv 6.5%

スタミナ13Lv 62

俊敏  13Lv 36


3Lvしか上がってないのか、思ったよりもシビアな世界だな。

まあ手こずったのはレオの方だったし、妥当なのか?

よくわかんねえな。

あ、そうだ、ルームスはどうなった?

結構入ってるよな?

3660、、、、?

レオのとき、4000ルームスも入ったのに、ヴァンパイアは3500ルームスなのか?

なんか強さの基準がわかんねえな。

どうなってんだよ、これ。

これってそんなにアルバイトさせたいゲームだったっけな。

ゲームの紹介文にそんなの書いてなかったぞ。

騙されたな。

まあ、いいけど。

ちょっと買う気ないし、武器買わないでおくかな。

とりあえず、今日はこんなもんでいいか。


『セーブが完了しました。』



_________


俺は、VRゴーグルを外した。

はあ、ねっむ。

今何時だよ?

俺は近くにおいてある時計を見てみると、時計は25時を指していた。

はあ、さすがに寝るか。

明日も学校だしな。

でも、6時間しか寝れねえな。

仕方ねえな。






ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ

うっるせえな、アラーム黙れよ。

もう7時か。

用意して、早く行くか。

手っ取り早く用意して、自転車を思いっきり飛ばしていく。

学校に着き、クソみたいな授業が始まる。

今日5教科全部あるのかよ、だるすぎだな。

そんなことを考えていると、あくびが出てしまった。



「おーい、山羽ー。」


そんな声で目が覚めた。

目を開けて、前を見ると、数学科の谷がいた。

やべえ、居眠りしてたわ。

クラス中から笑い声聞こえてくるな。

恥ずかしすぎだろ。


「居眠りすんなよ。

じゃあ、あの問題答えてみろ。」


寝起きでぼやけている目をしっかりこすってから、黒板を見ると、やったことないような公式が書かれていた。

しれっと、前の席の飛井のノートを見て、答えを確認してから答えると、


「できんじゃん。寝るんじゃないぞ。」


そう言って、教卓に帰っていった。

あぶな、生きながらえたわ。

谷が戻っていくとき、飛井がこっちを見てきた。


「ゲームしすぎだろ。

昨日のやつ、そんなに疲れたか?」


こいつリアルの方のスタミナバケモンだろ。

どうやったらあんな深夜までやって翌日までピンピンしていられんだよ。

ガチで頭おかしいだろ。

何したらそんなにスタミナ付くんだよ。

第一、お前帰宅部だろ?

そんなの一種の変態だろ。


キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。


聞きなれたチャイムが鳴る。

このチャイム、正直聞き飽きたんだよな。

そろそろ違うのに変えるみたいなのないかな?

まあないよな。

てか、待てよ。

今日、俺、切島と帰んないといけない日なのか?

ああ、もうだっる。

ふざけんなよ。

ああ、来やがったよ。なんでそんなに帰る気満々なんだよ?

意味わかんねえ、さっさと帰ってティアマトやりてえのに。


「大ー、早く帰ろうぜえ」


言われなくなったって、元々早く帰ろうとしてたんだわ。

うっせえやつだな、マジで。


「あ、そうだ。

俺、ティアマトで魔王やってるじゃん?」


なんで疑問形なんだよ。

それ知ってんのお前だろ?馬鹿なの?


「あぁ、そんで?」


「なんか俺が初めて2日とかで倒したエリアボスを初日で倒したっていう猛者出たらしいの。」


おお、知られてるか。

現魔王さんによ。

これは意外と良いんじゃねえか、俺の作戦がうまくいきそうだな。


「へえ、何?

その人が知り合いだったとか?」


知らないふりを探りを入れてみる。

上手いこと誘導できたらいいな。


「いや、全然そんなことない。

知り合いでもそれを知るすべがないからさ。

で、そいつを俺は同じクランに入れたいってわけ。」


ほう。上手いこと行ったな、意外と。

こいつめっちゃ単純じゃん。

復讐なんて、めっちゃ簡単じゃね?

あとは、俺の戦闘力とこいつの強さ次第ではあるけどな。


「へえ、いいんじゃね?

でも、そんな都合よくいくの?

相手の方も、クラン入ってるとかはないの?」


ちょっとばかり揺さぶってみるか。

俺がゴルゴンゾーラ齋藤だってバレちまわないようにな。


「お前、ティアマト買ったんだろ?

こんぐらい覚えとけよ。

クランは複数加入が出来んだよ。

だから、入ってても誘って入ってくれれば問題ないんだよ。」


あ、なんかイラつく。

なんかってかめっちゃ明確に侮辱されたんだが?

なんでこんなやつに俺がこんなに言われないといけねえんだよ?

意味わかんねえな。

すっごいウザイ。一発ぶん殴りたい気分だぜ。


「へえ、そうなんだ。

まあ、そんなに都合よくいかねえだろ。

お前のクラン、どんなとこなの?」


「俺のクランは、マルムって言ってさ、2神に対抗するために作った。

数は多いけど、みんな強いやつ選抜してって、20人までに絞ってるからその猛者プレイヤー入れたら、誰か蹴落とさないとなんだよな。

まあ、別にいっか。」


くそったれだな、こいつは本当に。

クランメンバーをもっと大事にしてやれよ。


「ああ、まあ、頑張って。じゃあな。」


そう言って、俺は玄関の扉を開けた。

マジで、なんだよあいつ。

自慢癖あり過ぎだろ。きっめえな。

あ、そうだ。上手いこと行きそうだし、一応飛井にも報告しとくか。


【切島、俺をクランに誘うってよw】


送ると、すぐに返信が返ってきた。

なんだよ、こいつ。暇すぎだろ。なんでこんなに返信速いんだよ。


【ガチか?

お前作戦通りじゃんw天才かよww】


言われれば言われるだけ、そうだなって思っちまうな。

なんかものが上手いこと進み過ぎている。

なんかおかしいよな。

こんなに都合よくいく話があるか?

まあ、考えすぎか。

そんないいことあったって、時には別に良いだろ。


【じゃ、さっさとティアマトやろうぜ】


【おう】


俺は、早速VRゴーグルをつけた。

さーて、今日は何しようかな?


「よお、鳥。

今日はどこ行く?」


「テーラにある崖。

そこにいる土龍をやりにいくぞ。」


楽しみだな、そりゃあ。

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