4話 右腕の実力

行きたかった武器屋にやっと来れた。

道中でクラン作ったりしてたせいでだいぶ時間かかっちまったな。

何買おうかな?

幽水の短剣も修理したいし、漸筋も欲しい。

でも、それ以上に強い武器もほしい。

何買おっかな。


「お前、何買うんだ?

第一、そんなにお前ルームス持ってないだろ?」


「4060ルームスあるぞ。」


「は??

お前、ガチでやばいな。

光煌剣も買えるやん。」


光煌剣かあ。

名前、そそられるな。

値段によるけど、買ってみようかな。


「光煌剣ってそんなにいいのか?」


「ああ、俺がずっと狙ってる武器だよ。

3000ルームスもするから変えねえんだよな。

俺、今2600ルームスしかないし、アルバイトはしたくないしな。」


なるほどね、まあ高いな。

でも、性能次第かもしれない。

とりあえず、幽水の短剣の修理と漸筋購入が第一。

で、次に、買えたら光煌剣かな。


「いらっしゃいませー」


「こんにちは、光煌剣ってありますかね?」


「はい、ございます。

こちらですね。」


そう言って案内されたので、付いていくとめちゃくちゃ光る剣があった。

まぶしっ。

これが光煌剣か。

性能は?


名前 光煌剣

攻撃力 300

耐久力 15

性能 近接特化の双剣で、高い攻撃速度と威力を持つ。自身の攻撃力は上乗せされない。

必殺技 光煌爆裂 双剣を高速で振り回し、周囲の敵に連続攻撃を繰り出す。通常攻撃力プラス100。

※発動条件 体力35の献上


まあまあつえぇじゃねえか。攻撃力の上乗せないのは辛いけど。

ただな、買えないな。

幽水の短剣の修理もしたいしな。


「あの幽水の短剣の修理をお願いしたいのですが、どのくらいかかりますかね?」


「すぐに修理できますよ。費用は500ルームスと少しお高いですが、買うよりは安いですからね。」


修理で500ルームス?

高くねえか?

頭悪すぎんだろ。

そんなにアルバイトさせたいゲームあんのかよ。

仕方ねえ、アルバイトするかな。

めっちゃ嫌なんだけどな。

ついでに飛井も誘っておくか。


「俺、アルバイト1時間だけするけど、お前やるか?」


「ガチでやんの?

じゃあ、俺もやろうかな。

一緒に光煌剣買おうぜ。」


1時間必死に働いた。

頭おかしくなるって。

ほんとに。

辛すぎるって。

なんで俺こんなことしてんだっけ?

マジで一瞬わかんなくなりかけたわ。

おそろしっ、このゲーム。

でも、これでやりたいこと全部できるわ。


『漸筋と光煌剣を入手』

『幽水の短剣の修理完了』


でも、なんでこんなにかかるんだよ。

金ねえんだよな。

なんで現実でも、ゲームでも金欠にならなきゃいけねえんだよ。

おかしいってこのゲーム。

でも、おかげで大分強くなった。

まあ、あんな頑張ったのに160ルームスしかねえけど、、、、

終わってんな、マジで。

フル装備でどいつを倒してやろうかな?


「なあ、飛井。

どいつ殺りに行く?」


「まあ、じゃあさ。お前もいることだし、ちょっと遠方にいる中級者用のエリアボス戦でも行こうぜ。」


「いいな。しっかりやれよ。」


「任せろ。あとさ、お前、ここでは俺を鳥リンガルと呼べ。身バレしちゃうだろ?」


そんなこと考えるやつだったかな、こいつ。

まあいっか、確かにコイツが身バレして俺にメリットないしな。

やめてやるか。

でも、鳥リンガルって長くて呼ぶのめんどいんだよな。

我慢しないといけないかな?

俺等はせかせかと移動を始めた。

、、、、、、、、、、、、、

ただ、少し気になることがある。

鳥リンガルと歩いてると、妙に視線を感じる気がする。

鳥リンガルと、じゃなくても。

ゲーム始めて初日でレオを倒したせいで名前とか諸々知れ渡っちゃってるのかな?

すっごい嫌なんだけども。。。。

装備とか変えたら、バレなくなるもんなのかな?

でも、装備も買わないとだけど、俺金ねぇんだよな。

アルバイトシミュレーターゲームのせいでよ。


「おい、鳥リンガル。

ちょっと、人気ないところ通ろうぜ。

人目がしんどすぎる。」


「ふっ、有名人は違うな。

いいぞ、ついでに、そっちで俺等が今から戦うエリアボスの説明もするわ。

俺等がどこ行くかバレちゃうのも駄目だからな。」


俺等は急いで茂みのようなところに隠れた。

こういうところが1番敵が出てきそうだな。

突然出てこられたら、心臓止まるぞ。


「えーっと、まず、俺等が戦うのはヴァンパイア。

名前のごとく、吸血鬼だ。

吸血鬼は本来夜行性だが、あいつがいるのは洞窟。

要は、暗闇の中だから、外がいくら昼間だろうが、あいつには関係してこない。

で、あいつは俺等から血を吸う、まあ、体力を吸われるってことだ。」


なるほどな。

でもなんでこいつはこんなにも詳しいんだ?

そんなに情報出回ってるもんなのか?


「なるほどな。

で、なんでお前そんな物知りなんだ?

もう戦ってある、とか?」


「なわけねえだろ。

ただ、攻略サイトとかに大分出回ってたからそれ読み漁って覚えただけ。」


ふっ、意外だな。

こいつ、そんな真面目なやつじゃなかっただろ。

でも、まともにわかっとかないとな戦えるもんも戦えねえからな。

敵を知り、己を知 れば百戦危うからずってやつか。


「そいつの弱点とかもわかってるんだろ?」


「ああ、勿論な。

全部書いてあったから、なんでもわかるぜ。

あいつは、体力が最初は500と少ない。

けど、俊敏の動きから俺等の体力を吸い取ってくる。

で、そこから最大4000は行くというデータはあるらしい。

それ以上行くのかもしれないが、データがないからよくわかっていないらしい。

で、あいつは攻撃自体はない。

つまり、吸血自体が、攻撃であり、防御であり、回復でもあるんだ。」


結構厄介だな。

これこそ、剛覚の出番だな。

でも、こいつは一撃必殺で殺れればなんとかなりそうだな。

連携技で。

でも、そうもいかないものなのか?


「ヴァンパイアの弱点は?」


「長い牙。あいつはそれがなくなると死んでいく。

だから、体力回復されまくったら、牙を狙うしかない。

それか先手必勝。

それ以外は正味勝機はないね。

あいつはなにより動きが速い。

速すぎる。

見えないらしい。」


へえ、おもしろい相手になりそうだな。

いい経験値とルームス、寄越してくれよ。


『ビンガ・ソマス エリアボス』

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