第3話「彗星は落ち乱算する追憶」

「先生、朝です」

「お、おう、ではわかるな?」

「いえ何も」

「長い付き合いだろ、私の朝を知りたいなら1話へ飛んでくれ」

「何言ってるんですか?」

「いや最近、変な本があったんだよ」

「それはどういう?」

「まるで私たちの人生をのぞき見して、描写されてる本を見たんだ」

「はぁー・・・?」

「つまりな、私たちは監視されている!!」

「また脈略のないことを言って、気が緩んでますね」

「いやいや、私は至って真面目だよ、私たちは、どうやら食い物にされてるんだ」

「しかし、それが本当だとして、心当たりはあるのですか?」

「そうだな、その本が日本語であったことと、作者名が中二病的だったとまでは覚えている」

「では、出版社に問合せてみますか」

「そうだな」


ーこちらコールセンターです

>あの、廃人の書斎を書いている者はおられますか?

ーこちらはコールセンターです

>あの?

ーこちらはコールセンターです

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥


「こわ!!!!」

「どうしました?」

「それが問い合わせても、言葉が通じないんだ」

「そうですか、では先生、直接、本社へ行きましょう」

「分かった」


ぶおおおおおおおおおおおおお


「ななななんだ!!!!!!!!!!!!」

「風ですよ」

「何か邪気を感じるな」

「確かにこの風当たり、尋常ではありませんね」

「まるで運命が妨害しているみたいだ」

「ええ、見てくださいあれを」

「あ。。。あれは、、一体」

「たぶん流星です」

「って、待て待て、あれ落ちてくるんじゃ」


>こちら角川町市民会館です

 彗星の落下に伴い避難勧告を発令します

 市民の皆さんは、誘導員の指示に従い避難してください

 災害レベルは5。要避難です。

 繰り返します>...こちら...


「おいおいどうなってるんだよコレ」

「もしや私たちはパンドラの箱を開けてしまったのでは?」

「おいおい、作者を突き止めようとした事と関係が?」

「無くもありませんね。。。」

「家へ帰って、日常を送ろう」

「いやいや先生、災害勧告聞いたでしょ、死にますって、ここ吹き飛びますって」

「え、ええええ」

「行きますよ」

「分かった、すみません、中二病的とか言って、それと、それと、」

「先生、なんで拝んでるんですか、」

「いや、きっと私の言動が、世界を変えてしまったんだよ」

「なに言ってるんですか、とにかく走ってください」

「おい、看板が落ちてくるぞ!!!」

「え?先生、何を、?」

「生きろ、助手、お前は、この世界を最後まで見届けてくれ」

「え?先生。足が」

「なぁ助手、人はいつか死ぬ、だが生きることを迷うな、生きて生きて生き抜け」

「せんせーい、そんな、血が」

「早くいけ、彗星が落ちるぞ」

「先生を見捨てる事など出来ません、」

「はは、その言葉だけで十分だよ、君は生きろ、生きるんだ、さぁ」

「せんせぇええええ」

「なぁ助手、最後に君の名を呼んでいいか」

「最期なんて言わないでください」

「ハーメルン・・・ハーメルン・・・・」

「本当にあなたは馬鹿です、馬鹿ですよ、私にしか分からないじゃないですか」

「なぁハーメルン、君と出会えて幸せだった、これを授ける」

「これは?」

「黙示録のラッパだ、終わらせるんだ、この物語を」

「あなたはやはり、先生ですよ、そう、死神に憑かれた、一ノ瀬花林です」

「そうか、なら君は、一ノ瀬、、、」

「もう良いです、分かってます、分かってます。」

「なぁハーメルン、女王は元気か?」

「ええ。。。ええ。。。。」

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