第2話 地下室
「お前がよく知っているだろう。お前の祖先が残した部屋をな。」
悠太は頭からその言葉の意味をずっと考えていた。
「祖先が残した部屋・・・?あれかな・・?」
悠太は記憶を頼りに黒い人物が言っていたことを解読する。
「あ!」
悠太は何か思い出したのか、地下水がある梯子の場所までやってきた。
「確か・・・。」
悠太はゆっくり梯子を降りる。
梯子を降りる途中、横に曲がった。
そちらに部屋があるのだろうか?
悠太は梯子から降りてしばらく歩いていた。
(本当にこっちであっていたかな・・・?)
探しても見つからない。
諦め、折り返そうとした時。
「あっ・・・!」
悠太は上手く声が出ない。
何があったのか。
悠太の視線の先には、大きな鉄でできた扉があった。
「これだ・・・!」
鉄の扉にはツタが絡まっているが、悠太はそれを切り進む。
ある程度ツタを切ったところで、鉄の扉の全てが見えた。
鉄の扉は古くて何十年も開けていないようだった。
悠太はその扉を開けた。
意外に開けるのは簡単だった。
(何十年も放置だれているから錆びて固まってると思ってた・・・。)
鉄の扉を開けると初めて見る物が沢山あり、何かを実験していた痕跡があった。
部屋の奥にはゾンビらしきもが保存されている様子も見えた。
扉の横には椅子と机があり、机の上には何冊かの本と何冊かの先祖が書いたであろう手書きのノートが置いてあった。
机の上も、本も埃がかぶっていた。
悠太はその埃を払いのけ、1番上から読み始めた。
『感染症にかかったら、感染症にかかったらその場からすぐに離れます。次に傷口をすぐに洗う。これは新たのウイルスの侵入を防ぐためです。』
『感染症にかからないために。まず感染症は傷口から侵入して炎症を起こし、発生します。対策としては傷ができたらすぐに傷ぐ血を洗いましょう。』
5冊あった内、3冊が感染症についてや、感染症にならないため、などだった。
残り2冊は、ウイルス、応急処置などが書いてあった。
悠太は本を読み終えると、先祖が書いたであろうノートを手に取った。
"ゾンビの感染症"
単なる私の憶測に過ぎないが、恐らくゾンビは、放射線によって第一号ができたとされる。その後新たな放射線でゾンビに感染して行く中、ゾンビに噛まれたり、傷口にゾンビの何かが付着すると感染するだろう。対策としては外に出ないや、怪我をしないようにする。
"何があったか"
ここに私が死ぬまで日記をつける。
核投下1日目、核がこの地に投下された。私たちは偶然、家の地下シェルターにいたため生き延びた。が外の様子を見てみると、死体が転がり、家のほとんどが半壊しており、生きている人はいなく、得体の知れない'何か'になってた。
2日目、今日はシェルターの中の研究室にあった防護服を着て外に出た。この防護服は汚染された空気や放射線を浴びない特別な素材でできていた。外に転がっていた得体の知れない何かの死体を回収した。
三日目、得体の知れない何かをシェルターの研究室に連れ帰り、永久保存ができるカプセルの中に保存した。今日からこの物の調査、研究を始める。
四日目、昨日徹夜して研究した結果、もともと人間だったことが判明した。だがなぜこうなったのかなどが不明のままである。明日はもう一体地上からこの死体を探しに出ようと思う。
五日目、今日は死体を探しに地上に出た。奇跡的に家の近くにいたことで、研究が早く進められた。今日は時間がないから明日、遺体解剖を行うとしよう。
六日目、今日は遺体の解剖を行う。ゆっくり何が出てくるかわからなく、下手すると自分がこうなることを覚悟の上、解剖を行った。
七日目、解剖の結果、心臓の部分に、正体不明のウイルスがいたことが判明。かたちが放射線物質の中にいるウイルスと似ているため、検査した結果、放射線のウイルスということがわかった。
八日目、これは私の憶測に過ぎないが、このようにゾンビになる条件は、放射線を浴び、被爆するか、傷口からこのウイルスが入るかの二択だと思う。
九日目、七日目あたりから体調が悪かった。大丈夫だろうと放置していると状況が悪化してしまった。もう私は長くはないかもしれない。
10日目、左手が動かなくなってしまった。もしかすると私も感染したかも知れない。
11日目、顔色がとうとう悪くなってしまった。まだ幼い子供がここにはいる。この子達に感染してしまったらいけないと思い、明日、ここを出るとしよう。
12日目、私はもうここから出るとしよう。最後に、今誰かが私のこの日記を見ているとしたら、そういうことなのだろう。ゾンビの治療薬はここではできなかったが、ここから北にある私の知り合いがいる研究所では治療薬ができたと先ほど連絡があった。人間に戻したければここからずっと北の方へ行くと研究所がある。恐らくその研究所の中に治療薬があるだろう。
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