第35話 亀井先輩も酔っぱらい
「私の勘、大正解。やっぱくせ者」
椿が大声で言うのをあわてて口をふさいだ。
「もう椿、みんないるんだから」
「私そういうのに敏感なんだから」
「わかったから、お前の声よく通るんだから、黙っとけって」
「何が敏感だって?」
後ろから来た亀井先輩が椿の髪の毛をぐしゃぐしゃにする。
「もう!頭ワシャワシャしないで」
「本田、もう一件行こうぜ、お前のおごりで」
いたずらっ子みたいな笑顔で椿にちょっかいを出す亀井先輩も酔ってるのがわかる。
「雫、このおバカ先輩と佐藤先輩取り替えて〜」
「お前らお似合いだぞ、なっ!久高、石木」
佐藤先輩がわかりやすく椿をからかってる。
「亀井先輩と椿お似合いだ…ねっ?渉」
「うん、お似合い!」
佐藤先輩の言葉に乗っかるように2人で答える。
「酔っぱらいの新人、お前ら全員で俺をバカにしてるよな!?」
「文哉、俺の大事な後輩に管を巻くなよ」
「違うって、俺がバカにされてるんだって」
「愛されてんじゃん、文哉」
「だから山まで絡んでくるなよ」
先輩達のワチャワチャでさっきまでの雰囲気は嘘みたいに楽しい空気になった。それでも白石さんの存在に恐怖を感じて心から笑えなかった。
「久高も3次会行くよな?」
少し酔ってる佐藤先輩が私の肩に手を置いた。
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