第16話 次回予告と、自意識過剰
調子がいい。
元より感情に起伏のある自意識過剰ではあるが、ありがたいことに最近はよく筆が進む。
このエッセイもどきの投稿開始時、「作品の創作秘話などは一切登場しません」と説明文に記載した。現在投稿中(あるいは完結済み)の作品から、うっかり作者の内面に触れてしまって取り返しのつかない事態になる自意識過剰が働いたゆえだ。だが、エッセイもどきを書き進めていくうち、どうやら本当に自意識過剰らしいぞと現実が見えるようになってきた。
よって、創作秘話などは今後とも登場させるつもりはないものの、少しばかり作品について語る可能性がある。
(既に本エッセイもどき第11話「満月と、自意識過剰」で語っているが……)
説明が二転三転したことについて、この場を借りて謝りたい。申し訳ありませんでした。
今回は、あえて次に投稿する作品を作者自ら予告するのも面白いのではないかと思い、次回予告的な立ち位置でエッセイもどきを書く。
再三になりますが、作品と作者の主義主張を混同したくない方はここで引き返していただけると大変助かります。
調子がいいときは書くに限る。
調子が悪いときは書けなくなるからである。
できるだけ日々の活動の中に時間を見つけ、ひたすらスマホに向かって文字を綴っている。涼しくなった気候も相まって、秋の夜長に執筆に励むのは楽しい。燃料切れしないよう、合間合間にインプットの読書を挟むのも気分転換にいい。
振り返ればありがたいことに、今年は素敵なものとたくさん縁があった。アイドルのライブに初めて行ったり、初めて舞台に行ったり競馬に行ったりと自分の人生のなかでは比較的アクティブに外出した年でもある。ライブと舞台は公演が3時間なのにも関わらず夢中になれたし、競馬にはクリスマスのような「楽しみはたっぷり、引き際はあっさり」があってハマってしまった。加えて、「行って終わり」や「楽しかった」だけではなく、その場の熱や余韻を後日何度も反芻できた。熱中できる趣味が少ない自分にとって、それはとても嬉しい気づきだったし、こうして執筆の原動力にもなっているので感謝の念でいっぱいだ。もちろん、そうして執筆した作品をさまざまな読者の皆様が読んでくださり、反応してくださったのも本当に嬉しい思い出だ(そして、今も)。
次回予告。
百合の短編を書いている。
ひとつは禁断の恋愛で、もうひとつは共依存だ。
現在投稿・執筆している作品の続きを組み立ながら新しい物語を組み立てるのは、なかなかに難しい。反面、メリットもあって、ひとつが執筆に詰まっても別のひとつを書き進められるし、作品によって違った雰囲気があるので執筆しながら気分転換もできる。
いま執筆している百合の短編を、今年の目標の「短編5本」に含むか、あるいは代替の百合ショートショートに含むかは検討中だ。場合によっては不定期投稿で長編になるかもしれない。
いずれにせよ、とにかく現在投稿している作品の更新を優先して続け、しっかりと完結まで書き切ることを常に意識している。
最近ようやく気づいたが、どうやら自分は新しく作品を思いついて1話を書き始めるのが好きらしい。最大瞬間風速を感じるのが書いて1話を投稿する場面なのだろう、「これならすぐ閲覧数伸びるはず!」などと夢見るお得意の一発逆転思考が多分に含まれている。
コツコツ1年で貯金を100万貯めるより、宝くじか競馬の1回で100万円が当たるほうが嬉しく感じてしまう病気なのかもしれない。
それとも、みんな案外そうなのか。
コツコツ貯めた100万円の価値を認められるようになりたい。「そんなの当たり前」とか「まだその程度なの?」とか否定の声が聞こえるけど。
先日、暇を持て余したとき、クリスマスについて考えていた。ふと各々の作品の方々はクリスマスをどう過ごすのだろうと思考が飛んで、どの作品の方々もクリスマスを迎えていないことに気づき愕然とした。作中の時間経過があまりにも遅すぎる。物語の自然な流れを無視してクリスマスの話を書くわけでは当然ないが、もう少し執筆に尽力しなければならないと反省した。
話が飛んだが、次回予告の補足。
禁断の恋愛はファンから見たアイドルの話だ。
偶像崇拝の言葉が示すように、人間とアイドルの間には決して越えられない隔たりがある。
共依存は離れるべきなのに離れられない、罪悪感や嫉妬や自己愛がたっぷりと詰め込まれている。
自分は暗い現実を受け入れながらも光に手を伸ばす物語が好きだ。ゆえに、そういう物語を書いている自覚がある。
しかし表現の幅を広げるべきだと思い、小説の執筆について勉強するうち、自分の体験に依拠した上でこれまでとは違う物語を書きたくなった。
あまり向き合いたくない過去から歪んだ欲望、肥大した自己愛、抑えきれない嫉妬や罪悪感まで、そして自分の忌み嫌う概念を物語に織り込んだ。
ネガティブな言葉が並んだが、あくまで物語、エンタメとして楽しんでいただければ幸いである。
相変わらず現実濃度が高めで、ファンタジーのフの字も出てこないあたり、あまり表現の幅が広がったとは思えない……いつか、きちんとファンタジーも書けるよう勉強に励みたい。
人生でいちばん執筆して、小説に向き合う秋だ。
「ジャンルにとらわれず、すべてのジャンルの物語を書きたい」高校生の私はそう言った。
大人になった私は百合ばかり書いている。
次回予告。
もっと面白い百合を書く。
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