第8話 戦闘
シャルテが連れ去られ、チョーカーについていたクリスタルも奪われてしまう。
ルヴァンとクラーンの足元の近くで、先ほど欠けてしまったクリスタルの一部が地面に落ちていたのをルヴァンが見つける。
「クリスタルの、欠片…」
その欠片は光を吸収し、ある方角へと一線の光を向けていた。
「…まさか、あの方角にシャルテ様が…?」
ルヴァンは行くしかないと腹を括ってクラーンと共にシャルテを助け出しに向かった。
∞∞∞∞∞
たどり着いた場所は森の中に佇む古いお屋敷が建つ場所だった。
ルヴァンとクラーンは意を決して正面の扉を押しながら中へと入る。
中は薄暗く、誇りまみれになった家具が無造作に置いてあった。
「げほっげほっ…ここにお嬢様がいるのか…?」
手探りの中足を運んでいくと、大きな扉の隙間から明かりが漏れているのが見えた。
ルヴァンたちはその明かりが見える部屋を開けると、中は大きな空洞をくり抜いたかのような広さとなっていた。そこにも家具が散乱していた。
「シャルテ様!」
「シャルテ!」
そこには祭壇の上で眠らされているシャルテと、その近くではウエンディが立っていた。
「君たち、よくここが分かったね。まぁ、それよりも、このクリスタル、砕けてるんだけど、欠片、持ってきてくれてるよね?その方が手間が省けて助かるんだけど」
ウエンディが指をパチンッと鳴らすとロイドが現れる。
臨戦態勢に入るルヴァンたち。
「お嬢様を返してもらうぞ」
「フンッ…やれるもんならやってみなよ」
クラーンはウエンディに、ルヴァンは再びルイスと、それぞれの戦闘が始まった。
激しく剣捌きを見せるルヴァンとルイス何か違和感を感じたルヴァンはある疑念を抱いた。
「…!(この動き…まさかな)」
∞∞∞∞∞
ルヴァンとルイスが戦闘している最中、
ウエンディの闇の力は影で剣を作り出すとウエンディはその陰の剣を手にし、クラーンの剣と刃を交えた。
ガキーンッ!
「僕にはこの力がある、キミは僕には勝てないよ」
「…無駄口なら黙れ」
腕は良いのでクラーンの方が戦闘では優勢だったため早くも勝敗が付きそうであった。
ウエンディの剣先が弾かれ剣の形をした影は粉々になった。
「あーあ…でも、まだまだーーー…!」
「!」
闇の力を纏ったウエンディの影は力を増し無数の手形に形を変えた。
そしてその無数の影がクラーンを襲う。
クラーンはいなし続けるのにも限界があり、避けるのも精いっぱいだった。
隙を見て影はクラーンの足を掴み地面に叩きつける。
「うぐッ…!」
鈍い音と共に叩きつけられたクラーンをもう一度持ち上げ今度は壁に叩きつけられ、それを数回繰り返していくうちに一方的にダメージを食らい続けたクラーンは力が入らず脱力してしまう。クラーンを宙吊りにしたままウエンディの目の前へと引き寄せられる。
「どうだい、僕の力は。勝てないって意味が分かったかな?」
「……っく!」
ボロボロになりながらもキッとウエンディを睨む。
そして勢いよくクラーンをぶん回して壁に投げつけた。
「ぐがっ…!!」
思い切り叩きつけられたクラーンはズルズルと壁伝いに力なく落ちていく。
∞∞∞∞∞
キーン!
その頃ルヴァンとルイスは、互いに相手のスピードに追いつくため、俊敏さがどんどん加速していく。
ルヴァンとルイスの戦闘は激しさを増していた。
互いに荒くなる息を抑えながらも剣を向ける手は止めなかった。
ルヴァンの攻撃はルイスにかすめはするがなかなかルイスの動きを捉えることが出来ないでいた。
そんな中ルイスの攻撃に拍車がかかるようにして闇のオーラがルイスに纏わりつく。するとルイスの瞳の色が赤色に変わる。
なんとかルイスの動きに追いついていたルヴァンだったが、
徐々にスピードに追いつくことが困難になり、ルヴァンは身を守るためのガードの態勢に入る。
「くっ…!」
「どうしたんです。もうお終いですか?」
じわじわとダメージを与え続けるルイスの連続攻撃に耐え続けるのにも限界があった。
ルヴァンの持っていた剣が猛攻撃に耐えきれず折れてしまったのだ。
すかさずルイスはルヴァンに蹴りを入れ素早く剣先でルヴァンを切り裂いた。
「ぐぅあああっ…!!」
呻くルヴァンに容赦なく再び蹴りを入れる。
ガラガラガラ、ドゴンッーーー…!
ソファやら机やらが置いてある山積みになった家具のある場所へと吹っ飛ばされる。
「滑稽だねぇ、ルヴァン・アーバント。クラーン・アーシェン。
すごく無様だよ!アハハハハハハ!!」
ウエンディはその辺にある無造作に置いてあった椅子に腰を掛け足を組みながら大笑いする。
「さてと、邪魔者はいなくなった。これで心置きなく儀式が始められるよ。
これでやっと復活ができる」
ニヤリと笑うウエンディは戦闘中地面に落ちてしまったクリスタルの欠片を手に取り、祭壇の上に眠らされているシャルテのもとへ近付く
「シャルテお嬢様、キミの命はこのクリスタルと共に消えてしまうけど、大丈夫。
ちゃ~んと名誉あるものにしてあげるからね」
チョーカーに付いているクリスタルに欠けてしまったクリスタルを合わせようとしたその時ーーー…
ドゴーーーーーンッ!!!
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