第4話 運動は才能?

ホームルームでもうすぐ体育祭があることが知らされた。

わたしがどれだけ動けるか…と言われると

なんとも言えない。

私は運動音痴だと思う。

体力測定をするといつもA〜EのなかのEになってしまう。

「やっぱり羨ましいな、ゆいゆいは」

  

文武両道とは思春期にとって黄金に輝く宝箱のようなものだ。誰だって憧れる。

羨ましい存在。


「勉強ができたって運動ができなかったら皆に笑われるだけだよぉ~」


…そういえばゆうちゃんはどうなのだろう。

気になったので聞いてみることにした。

「ゆうちゃんは前の学校でいうとどれくらい運動できたの?」

「ん?ん~~…みんな上手いからな〜

でも、クラスの中ではできる方だったかも」


え、待って。まさかゆうちゃんも運動得意!?

私にないものばっか持ってるじゃん!!


私って何にも取り柄ないのかな…


台風の目に参加することになった私は

今、頑張って練習している。

当然、足が遅いのでリレーなんかに選ばれるはずもない。


「やっぱり、運動って才能だよね~」

「そんなことないよ!あんちゃんはまだコツが掴めていないだけ!」

ゆいゆいが慰めてくれる。ほんとかなぁ…


まぁないものは考えてもしょうがないので集中することにした。

んんん~やっぱり難しい…

そういえば台風の目だってメインはほぼ走りなんだった〜


後日、私は走れない自分が嫌になって二人に走り方のコツを教えてもらった。

まず、足はジャンプするように。足は大股。ばねになった気分で腕は少しでも動かすと走りやすくなるらしい。




…割とできた。




今までも思ってたんですけど、この杏樹っていう主人公、器用すぎません?

全部才能なんだから私には無理…なんか言っておいて実際やってみたら

めちゃうまいじゃないですか…

おとなになったら気にならなくなるのかもしれないですけどホント羨ましくなっちゃいます。

あ、天の声はそれくらいにしろ?

すいません、すいません

でも羨ま……しい………よ………い…な…

ほ………た…い…よ………で………ね……

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