第56話 バカ貴族を捕らえ、罰を受けて貰う事にした。

「じゃあ、あいつらが犬のモンスターより強く見える?」


「あ、見えませんわ……ただの子犬以下ですわね……」


「だよね……だから安心して少しだけ待っててね」


「はぁ~い」


「じゃあ兵士に連絡と、ミリアの死守を頼んだよ」


「はい!」


 

この先に大勢の殺気というか闘気を感じるな……


思った通り待ち構えていた。


 

「おい!貴様……国王様の前で恥をかかせやがって……」


 

やっぱり俺に逆恨みか……自分で恥をかく行為をしておいて、俺のせいにするってガキンチョ思考じゃん。全部、他人が悪くて自分は悪くないって考えてるんだろ?こんなのが領主になったら大変じゃん。


 

「えっと……自分からじゃなかった?俺は何もしてないけど?」


「ウルサイ!ウルサイッ!お前が恥をかかせたんだろ!こいつを殺せ!」


 

やっぱり思った通りに俺のせいになってるし。雇われた盗賊たちに殺せと指示をすると、盗賊たちが抜剣をした。


 

「あぁ~あ……抜剣しちゃったね?殺されても文句は言わないでね……って、死んだら文句は言えないか~。まあ殺しはしないけどね~」


「貴様が一人で、こいつらに勝つつもりなのか?頭は大丈夫なのか?正気なのか?あははは……バカがっ!」


 

ミリアが心配なので、まともに戦うつもりは無いけど、バリアを使った技がバレるのは不味いので剣で腕や足を切り落とすつもりだ。


だけど罪悪感や恐怖心はない。この世界で生きていくなら仕方が無いよな。盗賊が居るし町を出れば無法地帯で平気で剣で斬ってくるし、斬らなきゃこっちが斬られる世界だし。相手は盗賊をやってるんだから同じ様な事以上の酷い事をやってきてるだろうし……今回は、自分の番になったと思って罰を受けてもらうよ。


 

アイテムから剣を取り出し、抜剣をして剣を振りバリアで腕や足を斬り落とした。勿論、バカ貴族も同様に両腕と両足を斬り落とした。


 

「わぁ……っ……た、助けてくれ……頼む!命だけは助けてくれ!」


「人を殺せと命じておいて、自分が不利になると助けてくれって……お前こそ頭は大丈夫なのか?まあ……殺すつもりはなけど、助けるつもりもないよ」


「お、お前は何者なんだ?」


「はぁ?何も調べずに襲うって……ホントにバカ貴族なんだな……王様から物を貰うって簡単に貰えるわけが無いだろ?何かをしたから貰えるのかって考えなかったの?例えば……モンスターの討伐とか盗賊の集団の討伐とか……さぁ」

 

バカ貴族は、腕と足を切り落とされて顔色が悪かったのが更に悪くなった。

 

この世界では、抜剣した時点で殺されても文句は言えない、正当防衛で更に俺は王族だし問題ないけど……生かして罰を受けてもらうのも良いんじゃない?この王国の法律で裁かれてもらうことにしようか。

 

助けるつもりは無かったけど、治癒薬を出して全員に振り掛けていると、大勢の兵士が駆けつけてくれた。完全治癒薬ではないので切り落とされた手足は元には戻らない。戻す気もないけど……

 

はぁ……毎回、町の散策をすると問題が起きるな……。しかも全部が盗賊絡みじゃない?治安悪すぎだよね……っていうか、貴族が盗賊を雇うってどうなのよ?領民を守る為に盗賊を討伐をする側が、盗賊を雇って資金を提供してどうするんだよ。

 

「後は任せたよ。一人も逃さないでよ。特に貴族だからって逃さないでよ?逃しても、どこの貴族かバレバレだし。まあ手足が斬り落とされて逃げられないと思うけどね」


「その様な事は致しません!」


「あ~兵士の人に言ってるんじゃなくてバカ貴族に忠告してるんだよ。この状況でも逃げられると思ってるっぽいから、バカだから」


「クソっ!」


「痛みが消えたからって足が生えてくると思ってるの?逃げられないよ」


「うわっ。足がない!クソっ!!許さないぞ!俺は子爵家の息子だぞ!こんな事をしてただでは済まないぞっ!」


「俺は王族だけど?」


「は……?そんな事を信じられるか!?騙されないぞ!!」



はぁ。今更、バカ貴族を騙すメリットがないだろ……騙してどうするんだよ……



「信じなくても良いけど。他国の王族を殺そうとして、そっちこそただじゃ済まないんじゃない?じゃあ、人を待たせてるんで……」


「き、貴様……そんなウソを……」


 

これ以上バカ貴族と話をしても時間の無駄なので、無視をしてミリアとの合流地点というかミリアの屋敷に帰ってきた。


 

「おかえりなさいっ♪ ユウヤ様」


「ただいま~」


「また血だらけですが……おケガは、ありませんわよね?」


 

心配そうな表情をして心配してくれるのは嬉しいね。ミリアも無事に帰れて良かった。


 

「うん。無いよ」


「全員始末をなされたのですか?」


 

軽く恐い事を言うよな……皆殺しにしてきたの?って言ってるんだよな?


 

「いや……全員腕とか足を斬り落として治癒薬で生かしてあるよ」


「え?治癒薬がもったいないですわよ」


 

また恐い事を言ってるよ。まあバカ貴族と盗賊に治癒薬は勿体ないのは事実だけど……罰を受けさせたいし。見せしめになって貰う為だし。


 

「ミリアと俺を襲ってきたんだから、キチンと罰は受けてもらわないとね」


「そうですわね。ユウヤ様を襲うなんて許せませんわ!」


 

ん?外が騒がしくなってるけど……襲撃じゃないよな?バカ貴族の親でも攻めてきたのか?


 

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