第14話 ミリアと王都で買い物デートをした。

「そうだ。この前、販売許可証を持っているのか!?って邪魔してきた貴族が居るんだけどさ、うちに手を出すなって言っておいてくれる?それと王様の許可証を貰えるかな?」


「はい。ただちに発行させます」


「それと……俺と友達になってくれるかな?」


「はい。是非……こちらからもお願いしたいくらいです」


「なにをされているのですか!勝手に、そこで友達を作ってるです?そいつは敵ですわよ!」


「仲間を作っておいた方が良いって……ダメなの?」


「ううぅ……ユウヤ様が、そう仰るなら……分かりましたわよ……もぉ」


 

ホッとした王様と王女様だった。


こうなった原因は王様が俺の作る薬が欲しかったんだよな?別に平民の俺と娘をただ結婚させるのが目的な訳が無いし。


 

「王様も治癒の薬を欲しかったんだよね?」


「はい……それと美容薬もです」


「それじゃ……今、作って置いていくからさ。次回は、俺の店に王国の兵士を護衛として毎日2人貸してよ」


「それは良いですが……」


 

この状況でイヤでも断れないよな。ちゃんと見返りを渡さないとな。


 

「それで2人が王国に帰る時に治癒の薬と美容薬を持って帰れば良いんじゃないの?それを兵士を貸してくれた報酬ってことで。王国の兵士が護衛に付いてる店に貴族でも嫌がらせに来ないでしょ」


 

王様も納得した表情になって嬉しそうだ。兵士を2人貸すだけで商品が馬車2台分を報酬として貰えるんだからな。


 

「それもそうですわね」


「まぁ……ミリアが居れば問題ないと思うけどさ」


「か弱い、わたしに何をさせようとしているのですか……」


「か弱い女の子が王様をイジメないでしょ」


「イジメてないですわ……」


 

ミリアが頬を膨らませてソッポを向いてしまったけど、からかわれてるだけだと分かってくれてるようで良かった……


 

「じゃあ治癒の薬と美容薬を作って帰りますか」


「はぁい♪ ユウヤ様」


「ユウヤ様、本当にご婚約を?」


「え?あ……はい」


「ユウヤ様……なんですの、その間は?」


「えっと……俺で本当に良いのかなと……ミリアはお姫様だったし」


 

王様より地位のあるミリアが平民の俺と結婚して良いのか?結婚して俺はどうなるんだ?不安なんですけど。その心配を王様がしてくれてるのか……?


 

「ユウヤ様じゃなきゃダメなのです!」


「だそうです」


「そうですか……ご婚約おめでとう御座います」


「有難う御座います」


「ミリア皇女殿下。ユウヤ様を、うちの養子に致しますか?」


 

ん?王様の養子?俺が王族になるの?意味が分からないんだけど?


 

「そうね……お願いできるかしら」


 

ん?ミリアさん?何を言ってるの?勝手にお願いしないで!


 

「はい。喜んで協力させて頂きます」


「え?養子?」


「はい。平民と皇女殿下は結婚は出来ないので……王族の養子となってから結婚をするのです。とは言っても王族の養子にも平民はなれないので貴族の養子にもなって頂きますが」

 


人間のマネーロンダリングみたいな感じじゃん。


 

「へぇ~助かるよ。俺は分からないからミリアに任せるよ」


「王様に任せて大丈夫ですわよ。次が無いとお分かりでしょうし」


「はい。お任せ下さい……」


 

兵士に薬の材料の保管庫に案内をしてもらい、材料を好きに使って良いと言われている。材料が減っていないと、おかしいので適当に使った事にする為に材料を収納をした。まぁ代金として頂いとくか。治癒の薬と美容薬を大量に作り、というか大量に出して箱詰めをして保管庫に大量に積み上げておいたが、段々と面倒になってきたので箱に入った治癒薬、美容薬を積み上げた状態で出した。


 

「これくらいで良いですかね?」


 

王様に確認をすると驚いた表情になって固まっていた。


 

「王様?」


「あ、は、はい。随分と大量に作って頂き有難う御座います」


「使い方と注意事項を兵士数人に教えておいたから後で聞いてもらえるかな」


「はい。お役に立つか分かりませんが……王族の一部の人間しか持てない王家の紋章の入った剣とナイフをお詫びとお礼と……忠誠の証として差し上げます」


 

王様が跪き差し出してくるのでミリアの方を向いて確認をすると、頷いていたので貰っておいた。これは実践用じゃなくて豪華に装飾をされた装飾品の剣だよな……普段遣い出来る剣が欲しかったかも。


 

「有難う御座います。帰る前に王都を見て回ろうか?」


「良いですわねッ♪ デートですわねっ♡」


「護衛をお付けしましょう」


 

ミリアが俺の方を向いて確認をしてきた。


前回は店舗の価格の交渉をするつもりだったので、護衛や使用人達を使えるようなお金持ちに見られたくなかっただけだし。護衛や使用人が嫌いな訳じゃないので安心、安全の為に今回は付けてもらおう。

 

王都に詳しい兵士が居れば道案内もしてくれそうだし、ミリアの護衛が少ないので何かあっても困るし。


 

「ミリアの護衛が少ないので護衛は助かります」


「お役に立てそうで良かったです」


 

完全に王様が友達感覚というか明らかに接待をする側になってるな……まぁミリアを怒らせたのは王様なので仕方ないか。

 

 

王城から王都へ出てきた。

 

王城から出ると活気があって賑やかで苦手だけど、たまには賑やかな場所も良いかな……

 

ミリアに腕を組まれて商店を回って買い物を楽しんだ。


 

「へぇ……こんなのもあるんだ?」


 

手裏剣に似たような武器があった。へぇ~投げる武器もあるんだ……注意をしておかないとだな。


 

「投げて使う武器かしら?」


「はい。買ってすぐには使用は難しいですが……訓練して使えるようになれば、とても便利でございます」

 

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