第15話 ユウヤ盗賊に捕まり牢屋へ入れられた。

#2024/07/07 読者様から誤字脱字のご指摘を受け訂正を行いました。ご指摘をありがとうございます(^^)



ミリアは武器などに当然、興味が無いので一緒に見ていたけど飽きて外に出ると、隣にあったアクセサリーや女性向きの雑貨屋の中に入った。

 

当然だがミリアの方へ護衛が付い行ってしまった。が俺は現状平民なので護衛は付いていなかったけど、それが普通でいつもと変わらないので気にせずに武器屋で色々な武器の使い方と種類を見て覚えて楽しく過ごしていた。

 

フット我に返るとヤバ!ミリアとはぐれた……うわぁ……ヤバいのか……?まぁ……ミリアは大丈夫か……護衛も付いてるし……一応、探すか。


隣の店にミリアが入っているのを気づかずに慌てて、キョロキョロしてミリア達を探して先に進んでいくと完全に迷子になった。

 

まぁ……良いか元々一人だったし。王城へ戻って待っていれば合流出来るだろ。


そんな事を思ってると人相の悪い方々に連れ去られてしまった……。はぁ……また面倒に巻き込まれた。


 

「無駄な抵抗はするなよ!」


 

はい。はい。分かってますよ……


背中にナイフを押し当てられて、表通りから裏道に入り小屋の地下にあった牢屋に入れられた。牢屋の中には子供たちと若い女性が数人が入れられていた。


 

「そこで大人しくしてろ!」


「はぁい」


 

俺の住む町とは大違いで、ここの王国は治安が悪いな……人身売買ですか?しかも王都内で堂々とねぇ……


そう言えばアニメやドラマで見たくらいで、実物の盗賊って初めて見るな~やっぱり人相は悪いんだな。

 

それで子供たち数人が具合が悪そうなのと、ケガをしている女性が居たので治癒薬を渡そうにも見張りが2人居たので渡せない。

 

ん……っと……アイテム生成で見張りの胃の中にアルコールと眠り薬を出した。即効性があって直ぐに寝てしまった。


直ぐに子供たちとケガをしている人に治癒薬を飲ませて治療をした。


 

「大丈夫?」


「うん。体調が良くなりましたぁ。ありがと、おにぃちゃん」


 

他の子供たちと女性も元気になったようで良かった。


 

「貴重な薬を……ありがとうございます」


「おにぃちゃん、ありがとぉ〜」


 

その頃ミリア達はユウヤが居なくなっていた事に、まだ気付いていなかったが。


 

「あれ?ユウヤ様は、どちらに?」


「まだ、武器屋の方に居るかと思います」


「随分と長くないですか?様子を見に行きます」


 

武器屋に入ると、昼間なので冒険者も依頼を受けている時間帯なのでお客は誰も居なかった。


 

「先ほど、こちらに居た方は?」


「随分前に出ていかれてキョロキョロして大慌てで、この先の方へ走って行かれましたよ。慌てていたので置いてかれたと思ったのではないですか?」


「ユウヤ様の護衛は?」


「…………」


「な、何をしているのですか!?ユウヤ様は、わたしの大切な婚約者なのですよ!護衛を付けないとは……まったく……使えない護衛ですわね!すぐに探し出しなさい。何かあれば許しませんからね……」


「はいっ!」


王国兵士が応援を呼びに行き、国王へ報告した。


「こんなに護衛が居るのに……すべてわたしの所に来ているなんて……ユウヤ様……」


 

数時間経っても見つからずにミリアは不安と苛立ち王国の兵士を呼びユウヤの捜索を最優先させた。


王も心配になりミリアの元へ駆けつけると、大勢の兵士が大通りを埋め尽くしていた。


 

「王国の治安は、どうなっているのかしら……」


「すみません……」


「治癒薬などの心配をするよりも、治安の心配を優先すべきですわよっ。お金儲けばかりを考えているからですわよ!」


「仰る通りです。すみません……全力で探し出させます」


「当然ですわっ。何かあった場合お分かりですわね?」


「は、はい……」


 

王が自ら平民の捜索隊の指揮を取るという前代未聞捜索が始まった。大通りに居た人々は戦争でも始まるのかと慌てて帰るものや怯えている者がいて騒ぎになっていた。

 

盗賊達は兵の動きが、いつもと違う事を察知をして王都を出る準備をしていた。ユウヤ達を馬車3台に分けて入れて王城を出ようとしていた。


 

「お前ら黙って大人しくしてろよ!騒いだら殺すからな!」


 

俺の隣に治してあげた女の子が数人集まっていた。


 

「おにぃちゃん……こわいよぉ」


「大丈夫」


「これからどうなるのかなぁ……」


「強くて頼りになるお姉さんがいるから探し出してくれるんじゃないかな」


「ホント?」


「それに俺も黙って拐われるつもりは無いし……」


「何をするの?」


「別に暴れたりはしないから安心して」


「はぁい……」


 

王都を出る為の検査があり、その列に並んでいた。

 

馬車に乗せて堂々と運び出すって事は奴隷制度があるって事か……それか兵士に協力者がいるのか?まさか強行突破って事はないよな?

 

兵士達が荷物検査にやってきた。


 

「荷物は何だ?」


「はい。奴隷の運搬でございます」


「中を見せろ」


「はい……ただの奴隷ですよ」


兵士が馬車の幌の中を覗くと目が合ったので助けを求めてみた。


「あの~俺、拐われたんですけど~」


 

そう言って国王から貰った王族の紋章入りのナイフを見せた。


 

兵士が一瞬固まって驚いていたが直ぐに我に返ると外の兵に声を掛け、異変に気付いた盗賊が逃げたが捕らえられた。城壁の上の兵士が下の異変に気が付き声を掛けると、下の兵士が緊急事態のサインを出すと城壁の上の兵士が緊急事態の鐘を鳴らし王都全体に鐘の音がしてきた。


どうやら見張りの兵が鐘の音を聞くと自分の持ち場の鐘を鳴らしていくので王都全体に非常事態が伝えられる仕組みらしい。鐘を鳴らして応援を呼んで赤い煙を焚いて緊急事態と場所を知らせると王都全域の出入り口が封鎖された。

 

はぁ……上手くいって良かった。


 

「失礼ですが……それは盗品じゃないですよね?偽造品ですと……重罪になりますよ?だとしたら、すでに手遅れですが……?」


「さっき王様から貰ったんだけどさ……」


「は?王様から貰った?平民がか?」


 

うわ。口調が変わったんだけど……


まぁ普通……平民が王様から王家の紋章入の剣を貰わないよね。貰ったとしても騒ぎになってる皆が知ってると思うし、 まぁ貰うことが有るとすれば大々的な式典で王国に多大な貢献をした人に贈られる事があるかもしれないけど。何も考えず事実を言っちゃって「さっき」って言っちゃったし。

 


「おい!コイツも怪しいぞ!捕らえておけ!」


 

盗賊と一緒に捕らえられてしまったんだけど?また……やらかしちゃった?まぁ〜慣れてるから良いんだけど……


国王から貰った短刀に紋章が入ってるから使えるかと思ったんだけどな……逆効果だったか?でも門が封鎖されて、他の拐われた人が助かったんだから良いか。それに、この騒ぎを起こせばミリアや国王も気付いて助けに来てくれるだろ。


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