第4話 幸せな気分から一転して、人相書きで手配されていて投獄された。

バリアは場所の指定や範囲、形状の指定もイメージで出来るし、対象物の指定、対象物の箇所の指定や対象の追尾も簡単にイメージで出来るので便利で優秀だ。


試しに薪を放り投げて十字の形傷をイメージをしてバリアを出すと思った場所に傷を付けれた。という事は今回は場所の指定じゃなくて、落ちて移動をする対象物の箇所をイメージしたので俺が思った場所を傷を付けれた。


それにイメージをすれば自分はすり抜けるバリア、すり抜けないバリアを使い分ける事が分かった。使い道が広がって良いね……最高。


うん。完璧じゃん。

 

つい面白くて、薪の中に球体をイメージしてバリアを出して、切断してみると球体にはバリアを張ったままで切れない様にイメージをしたので切れずに薪の中に球体が出来ていた。すげぇ~

 

そんな実験をしていたら夜遅くなっていた。


明日は予定があるけど時間は特に指定がある訳じゃないし、お昼や夕方でも大丈夫なので気にしてなかった。もっと言えば明日じゃなくても別に良いしね。


異世界生活楽しいかも。っていうか……スキルが便利で面白い!

 

 

翌朝……

 

朝食を食べる事にした。前世では夜遅くまでゲームやらアニメを見ていて寝不足がちで、朝食を食べる時間より出勤時間ギリギリまで睡眠を優先して朝食は食べずに出勤をしていた。


肉ばっかりだと不味いよな・・・たまには野菜でも食べないとなぁ。


うわ〜この朝の、ゆっくりとした時間を過ごせる幸せ……最高じゃん。オッサンぽいけど前世の記憶があるので仕方ない。だけど前世と違い好奇心、ドキドキとした感じは前世では失われていた感情だしなぁ……


昨日の騒ぎは、前世の俺の記憶だと厄介事には近付かないと思うし……もし野次馬に参加をしても負傷しているのが可愛い少女だとしても野次馬を掻き分けて率先して助けなかったと思う。目立ちたくない、厄介事には係わらないという人物だったよな。この世界に転生してきて新たなる人格に変わってるな……


さ〜朝食にするか、野菜スープ、サラダ、パン……骨付き肉を出した。


うん。肉も必要だよね?野菜だけじゃ力が出ないしな。


お昼は……ラーメンとか出せるかな……?出せたら最高じゃん?お店だしたら売れるんじゃない?あ……働かなくても良いんだった……目立つよな。


それにしてもアイテム生成も優秀だなぁ……


朝食を食べ終わって、ゆっくりしてから片付けをして町に入ると、至る所に兵士がいて物々しい雰囲気になっていた。


何が起こったんだ?昨日と雰囲気が一転して重々しいと言うか……事件でも起きたのか?何があったんだ?強盗とか殺人?お偉い様の視察でもあるのか?


ま、平民の俺には関係無いし情報収集しなきゃだし広場の方へ向かうかな……

 

広場に着くと、広場にも数人の兵士達が居た。


随分と人員を投入してるなぁ……


情報を聞いたら巻き込まれる前に、さっさと町を出た方が良いかもな。

 

近くに居た子供に話を聞こうとしたら兵士に肩を掴まれ人相書きの絵と比べられて捕まってしまった。

 

は?何もしていないんだけど?人違いだろ……抵抗しても騒ぎになるし、まぁ逃げるのは簡単だけど……ここで逃げたら、やっと辿り着けた町に来られなくなったら困るしな……大人しく従うか、無実だし、何もしてないし。


 

「何もしてないんですけど?」


「そんな事は知らん!上から捕らえよとの指示なんでな。悪いな」


「で、どうなるんですか?」


「まずは投獄だろうな……それ以降は知らん」


「は?投獄って……」

 

言われた通りに投獄されてしまった。明らかに人違いだろ……隙を見て逃げるか?強引に出てくか?


う~ん……無実を訴えるか?はぁ……最悪。

 

30分ほど牢屋の中で今後どうしようか悩んでいたら、外が騒がしくなってきた。


この町は騒がしい所だなぁ……他の町か村に移動するか……それでも、まずはここで情報収集しなきゃだよな。

 

聞き覚えがある声がしてきて怒ってる口調で兵士達に怒ってる感じだった。


兵士に怒れて文句を言える立場の偉い人が来たのか……


係わらないようにするか……その人に無実を訴えてみるか?

 

声が段々と近くなり牢屋のある部屋に入ってくるのかドアが開いて入ってきた人物は知っている顔だった。

 

「ユウヤ様っ!」

 

顔は知ってるけど名前が出てこない……

 

「えっと……誰だっけ?」


「わたしですっ!助けていただいたミリアです」


「あぁ。思い出した!そうそう……ミリアだった。それで悪いんだけど……人違いで捕まっちゃったんだけど助けてくれないかな?」


「すみません。手違いで……この様な事態になってしまい……本当に申し訳ありません!お許しください」

 

申し訳無さそうに涙目になり謝ってきて、ミリアの後ろに居た偉そうな兵士も頭を下げて謝罪をしていた。

 

「え?」


「ユウヤ様にお礼と……お話をしたくて探すように命じたのですが……まさか捕らえて投獄をするなんて思っていなかったのでビックリしました」

 

あぁ……えっと……それって人違いじゃなかったのね……優秀な兵士さんだって事ね。探し出して保護すると、捕えろじゃ扱いは違うわな。ちゃんと探し出して保護しろって言ってくれよな〜


まだ話したそうにしてたのに急に立ち去った俺も悪かったよな。でも貴族と係わりたく無いんだよな。俺は、ゆったりとした生活がしたいだけだし。

 

「まぁ……でも誤解が解けてよかったよ。急に立ち去った俺も悪いし」


「ユウヤ様は何も悪くはありませんっ!早くこのお方を出しなさい!」

 

兵士が慌てて牢屋を開けてくれた。


はぁ……助かった。強引に出なくて良かった。


「ユウヤ様、本当に申し訳ありませんでしたっ!」

 

再びミリアが謝罪すると兵士達も謝罪をしてきた。


貴族ってやっぱりスゴイんだな……

 

「それで俺はどうなるんですか?」


「どうなるとは?」


「釈放で自由だよね?」


「はいっ。勿論ですわ♪」


「良かった~なんか疲れちゃって帰って昼食を食べて休みたいかな・・・」


早くテントに帰ってラーメンを食べる予定なんだよな〜早くラーメンを食べたい!


「昼食なら、わたしの家でどうですか?」

 

貴族の食事に家にも興味はあるけど、作法とか礼儀とか知らないから疲れそうだし拒否したい。

 

「いや……遠慮しておくよ」


「どうしてもダメですか?」


「貴族の礼儀とか作法とか知らないし……疲れそうだしさ」


「そんな。わたしの命の恩人様に、その様な事は求めてはおりませんし……。どうしても、お礼がしたいだけです。命の恩人にお礼をせずに帰してしまっては家の恥になってしまいます。食事だけでもいかがでしょうか?」

 

断っていても付き纏わられそうだよな……


「分かった……そのお礼だけで、もう良いからね」


「はいっ♪」

 

腕を組まれて馬車に乗せられると町の中にあるおデカくて豪華な屋敷に連れてこられた。

 

うわぁ……町の中なのに大きな屋敷で庭も広いし静かな環境で羨ましいなぁ。まぁ俺のテントの周りも静かな環境で庭も広いぞ、豪華じゃないけど。


屋敷の門を警備の兵が開けると、馬車で通り過ぎて玄関前で止まった。

 

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