薬屋として……

第3話 貴族の少女が重傷を負っていたので治癒ポーションで助けた。

護衛兵に怪しまれ俺の肩を掴み少女から遠ざけようとした。

 

「邪魔しないでくれ!助けたくないのか?」


「……頼む……助かるのか?……どうか助けて下さい……」


「邪魔をしなければ助かるかもしれない……」


「分かった。誰にも邪魔はさせないようにしよう!頼んだぞ!」


 

再び少女に近付き容態を確認をした。意識が殆ど残っていないな……治癒ポーションを出し傷口に直接、治癒ポーションを掛け。もう1瓶を自分の口に含んで少女の口の中にゆっくりと流し込むと少しずつ飲み込む反応があった。

 

よしっ!これなら大丈夫そうだな……


続けて口移しで飲ませていくと傷が、あっという間に傷が治癒され他の傷も傷跡も残らずに無くなった。

 

「これで一安心だな。あとは……体力回復ポーションかな」

 

血を大量に失い体力も落ちているだろうし、体力回復ポーションも口移しで飲ませていると血色が良くなり少女が目を覚まし、目が合うと頬を赤くし可愛い表情で俺の首に手を回して、ちゅぅ……♡と吸ってきた。

 

「おいっ。元気になったんだったら自分で飲んでくれ」


「いえ……まだ具合が……うぅ……めまいが……しますわ……」

 

完全治癒ポーションだぞ?それに体力回復ポーションも使ってるんだぞ?……具合が悪い訳がないだろ……ただ甘えてるだけだろ。

 

「元気じゃないかよ」


「そう仰らずに……お願いします」

 

俺に甘えてる?こんな可愛い金髪で透き通る青い目をした少女というか今は同じ歳くらいか。

 

「はぁ……」

 

照れ隠しでため息をついた。


まぁ……可愛いから俺は良いけどさぁ。皆が見てるんだけど……良いのか?貴族の娘っぽいけど。


何度も口移しをして一本飲ませた。

 

「よし。これで大丈夫だろ」

 

外では少女が元気になったのを見て歓声が巻き起こり周りの人が近寄ってくると、先程の護衛と使用人が近づいてくる人達を抑えていた。

 

頬を赤くした貴族の少女に服を掴まれていた。

 

「ありがとうございます・・・お名前を」


「ユウヤだけど……」


「わたしはミリアと言います。ユウヤ様ですか……ステキなお名前ですわ」

 

傷が治っても服は直らないので、お腹が見えていてエロいし……目が行ってしまうので、着ていた上着を着せて肌の露出を隠した。

 

「傷は治ったけど、服までは直らないから上着で隠しておいてな」


「きゃぁ♡ お気遣いを感謝いたしますわ……ユウヤ様」

 

自分の着ていたドレスを見て恥ずかしそうにお礼を言ってきて、まだ話したそうにしていたが護衛が少女が元気になったのを確認をしてお礼を言ってきた。


「ホントに……あの傷を治して頂けるとは……有難う御座います!」


「俺は外の兵士達も見て回るから」


「そうですか……本当に感謝いたしますわ。ユウヤ様……兵士の治療までして頂けるのですか……」

 

少女とお付きの者と護衛の人からもお礼を言われたが、外を見ると兵士達10人が負傷をしていたので馬車の外に出て治癒ポーションを飲ませて全員無事に傷が回復して元気になった。

 

うぅ~ん……料金の請求をしたいけど……値段の設定をして無いし貨幣価値が分からない。それに緊急事態で人命に係る事態だったし……。まぁ今回は良いか。材料費も手間も何も掛かってないしな。それより貴族に係ると厄介事に巻き込まれる気がするし。

 

そう思い人混みに紛れてその場をコッソリと立ち去った。

 

それにしても、あの貴族の女の子は可愛かったな……前世の世界だったらアイドルとか、そんなオーラがあったな。


同じ歳くらいだったよな彼女は無理でも友達になれれば嬉しいんだけど、貴族は面倒っぽいからやめておくか。


あ、宿代くらいは請求をしとけばよかったかもな……


お金は今のところ必要ないし食料もあるし、寝るのは町の外でテントで寝ればいいか~

 

上着を渡してしまったのを思い出したので同じ服をイメージしてバッグから取り出した振りをして上着を着た。

 

そろそろ夕方になってきたし町から出て寝る場所でも探すか……

 

町の外に出て、しばらく歩いた場所に森があったので、そこでバリアを張りテントを設営して、テントの中にベッドと椅子とテーブルを出して食事をしてベッドで横になった。

 

今日は町に辿り着いただけで情報収集は出来なかったし、明日は……ちゃんと情報収集をしないとなぁ。


まぁ……今日は、魔法とポーションが存在しない世界だと分かっただけで十分な収穫だったかな。


明日は、貨幣価値とかを調べるかな。

 

焚き火をしようと拾った薪だったけど、調理済みの料理を出せる事を思い出した。それに……俺、火を点けれないんじゃない?火の魔法も使えないし……ライターを出せるのかな?


え?ライターも出せるのか……すげぇ。優秀すぎる。出したライターを使ってみると、ちゃんと火が点いた。出したライターを収納した。

 

そうだ……時間のある時に試してみたかったバリアの練習でもしますか。

 

必要なくなった薪を1本を手に持ってベッドに座り実験というかバリアの練習をしてみた。

 

薪の先端で円錐をイメージするとスパッと薪が簡単に切れて先端が尖った杭になった。


へぇ……面白い。薪に十字の形切り傷を付けるイメージしてバリアを一瞬だけ出すと薪に十字の形の傷が出来た。


これって……防御スキルでも優秀だけど十分に攻撃スキルとしても優秀じゃないか?てっきりバリアって防御にしか使えないと思ってたけど……


よし……最後の実験だ少し恐いけど……自分の爪をバリアで切ってみたが切れない?あれ?自分はすり抜けるのか?バリアを目の前に張り触ってみると硬い何かがあり触れる?すり抜けるって訳じゃなくて自分は傷がつかない訳ね……超優秀じゃん流石、女神様のスキルだね。

 

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