『人間変性症』 最終症状4


しかし、映像はそこで止まった。


マザーコンピューター

 『この先の、映像は、保存されていません。』


船長

 『は? なんで?』


マザーコンピューター

 『わかりませんが、ここに収蔵された時点でありませんでした。』


スリラー捜査官

 『詐欺ね。』


マーダー捜査官

 『詐欺みたいなものだ。しかし、元祖ごき大将の姿が見えただけすごいけどな。』


マザーコンピューター

 『これは、おまけ、特典、というものです。では、開祖録の原典を始めます。』


    ぶーん、ぶーん、


 古代地球文字が浮かび上がった。


 かつて、フランス語といわれたものである。


マザーコンピューター

 『読みます…………第1章、総論。 我々人類は、あまり遠くない時期に、最終的な危機が来ることを、西暦1960年代には知らされていた。その、情報をもたらしたのは、金星文明の名残であった。それは、太古、金星を飛び立った宇宙船だった。金星は、二酸化炭素などによる超温暖化により、地表では住めなくなったが、空中都市を多数飛ばすことにより、長く文明の維持を図っていた。その過程を克明に記録したデータが手に入ったのである。地球の環境は、金星に良く似た経過をたどっていることは明らかだった。違うのは、地球には、空中都市を飛ばすテクニックはない。


 しかしながら、対策を立てる、地球人類の議論はまとまらなかった。最終的には、経済発展と繁栄は、手放さないという立場が、勝利を納めることとなった。そのグループは、常に地球の頂点にあり、膨大な富を持っていた。もちろん、反対派も、少数ではなく、無視できない勢力であった。しかしながら、ここには、複雑な事情が、絡んでいた。地球には、多数の国家があり、発展の度合いはそれぞれに違っていた。これから延びたい国家や、その指導者たちには、発展の道を閉ざされるのは、当然ながら苦痛であった。』


 マザーコンピューターは、一旦、話を切った。



マザーコンピューター

 『途中ですが、情報が入りました。地球で、内乱が発生しました。』



     😡💣️⚡





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る